本と旅とそれから 貴婦人と一角獣≪中世美術館≫                (2006年Paris)

本と旅とそれから

貴婦人と一角獣≪中世美術館≫                (2006年Paris)


(7日目月曜日 4/5)
先日、マヌケな勘違いから行き損ねてしまった中世美術館。ちょっと前までクリュニー美術館と呼ばれていたところです。正直なところ、私は宗教美術はまったくわからなくて、以前、イコンの展覧会を見に行って気分が悪くなったことすらあるんです。

でも、この中世美術館には是非とも見たい作品が。その作品「だけ」見られればいい・・・。
だから、閉館前のちょっとの時間だけでも、駆けつけて見ることができれば・・・。閉館は確か6時だから、急げば・・・。

美術館の最寄り駅サン・ミッシェルで下車。地上に出ればそこはサン・ミッシェル広場。大きな噴水があって人がいっぱいで・・・。
あの時は、時間がない、早く中世美術館に着かなくては、とばかり考えて、ろくに注意も払わなかったこの噴水。でも、後からよぉっく見てみると・・・。
サン・ミッシェルという名から、何となく気付いてはいたのに。敬愛する(というか、単なるファンか・・・)聖ミカエルだったのですね、この方。モン・サン・ミッシェルの何となく初々しい姿、サン・ピエール教会の精悍な姿とはまた違い、こちらはちょっと耽美的?
でも、この時はそれをじっくり見る余裕はありませんでした。

そういえば、幸い雨は上がっています。美術館に向かって、サン・ミッシェル通りをダッシュ・・・したいところですが、人通りが多すぎてそうもいかず、できる限りの早足で。

こ・・・ここだっ。
そうそう、ここは古いローマ建築の遺跡を美術館にしたものとかで、建物自体もじっくり鑑賞すべきもの・・・なんだけど、ともかく今は中に入れてもらわなくては。もう5時を15分回ってますよ~・・・。でも、入口はどこ?うろうろぐるぐるしても入口がみつからない・・・。

焦るばかりで中には入れず、途方に暮れかけたところで、制服姿のおじさん発見。おまわりさんではないようだけど、何でもいいので「入口はどこですかっっ?」
焦る私の様子、怖かったのかな、心なしかビビった風でおじさんが教えてくれた入口は、建物のはるか反対側。私がうろうろしていたのは、公園の中だったようです・・・。

ともあれ、入口が見つかりました。
あー、ここはミュージアム・パスが使えるたのになぁ。この時間じゃあ30分ぐらいしか見られないよ。・・・が。入場券はどこで?買うところがない。
再び焦って、入口の係りのお兄さんに尋ねると。

「チケット売場はもう閉まったよ。」
・・・!!!!

(実は、この美術館の閉館は6時ではなく5時45分で、入場は閉館30分前まで、となっていたのですが、そうとは知らず・・・。)
でも、がっくりした私の様子が哀れだったのか、そもそもそれが慣習なのか、お兄さんすぐに続けて、「あと15分ぐらいしか見られないけど、それでいいなら、入っちゃいなよ」。
えっ、タダで?
・・・と、瞬間的に喜んだ私はドケチな女。ありがとう!とダッシュしたら入口を間違えて呼びとめられる始末(いえ、入口がミュージアム・ショップの奥、というちょっとわかりにくいところだったもので)。
お~、やっぱり、宗教関連の美術品ばっかり。
そして、建物自体がかなりの部分木造であったことが意外。これまでは石だけで出来た建物ばかりでしたから。木造の建物って、独特の匂いがします。歩いた時の感触も違うし。
「『貴婦人と一角獣』はコチラ」という表示を追って、広い建物の中を懸命に歩きます。2階に上がると、うゎ、暑い。空調が切られたのか何なのか、熱気が上にたまっている感じ。焦って小走りしてきたせいか、何だかフラフラするんですけど・・・。

でも、とうとう、やってきました。
当美術館の目玉、「貴婦人と一角獣」。
そこは、照明を落とした特別展示室。中世じゃなくて、みょーにモダン。
1枚のタペストリーなのかと思っていましたが、この展示室には全部で5枚がかけてありました。全部が少しずつ違います。

薄暗がりの中にぼぅっと浮かび上がる、真っ赤な色彩。
ユニコーンやライオン、その他の動物たち、花々、それらと戯れる高貴な姿の女性。ジョルジュ・サンドがとある城館で発見したということが有名ですが、発見者はともかく、一体誰が作ったものなのか・・・。
閉館間際なので、展示室には私の他には2、3人の人しかいませんでした。気が抜けて、置いてあったベンチにぼけーっと腰を下ろし、しばしタペストリーと向かい合っていました。私の他にも、じっと座っている女の人・・・。

館内のそこここで、扉を閉めたり、かんぬき(古風!)をかけたりする音が聞こえて、「そろそろ閉めますよ~」という雰囲気。
私はまたその後数分、ミュージアム・ショップを見に行き、そこから最後の未練でまた「貴婦人と一角獣」の部屋に戻るというドタバタを演じたのですが、さっきの女の人は、二度目に私が展示室を訪れた時も、そして去る時も、変わらずにじっと座ってました。
でも、私も満足できました。「これでよし」って感じ。
出入り口近くに展示されている彫刻(▲)。マリア様でしょうか・・・?
ばたばたしている私を見て、くすくすっと笑っているかのような。
「ホントに忙しい人だこと・・・」て思われちゃったかも知れません。やれやれ。

記:2006年12月1日(土)
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  1. 2006/08/07(月) 00:04:00|
  2. 06夏・Paris
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コメント

No title

Mikiさん、貴方は素晴らしい。パリ滞在で中世美術館にもいらしたのですね。閉館間際で、本来なら入れなかったところを入ることができ、私が愛してやまないあの貴婦人と一角獣をその目でご覧になったとは!
私の代わりに実物をご覧頂いたのではないかと思うほどです(勝手な思い込み)。
私はこのポストカードとペーパータオルを持っていて、以前NHKで放送していた世界の美術館を紹介する番組を見て、さらにDVDでも録画もしてあります。そして小説『真珠の耳飾りの少女』の著者として知られる
トレイシー シュヴァリエ作の小説も読みました。これは『真珠の耳飾りの少女』同様、あくまでもフィクションでトレイシー シュヴァリエがこのタペストリーを見てインスピレーションを膨らまして書いたお話で、史実を元にしているわけではないのですが、なかなか楽しめました。
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4560047995/sr=11-1/qid=1165046941/ref=sr_11_1/250-3544915-3724235



  1. 2006/12/02(土) 17:15:00 |
  2. URL |
  3. オルサ #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

◆オルサさん、
わ~、そうだったんですか。オルサさん、そんなに「貴婦人と一角獣」に思い入れをお持ちだったんですね!
私のヘタな写真を通して、ちょこっとだけでもあの真紅のタペストリーと向かい合った気持ちになって頂ければ幸いです。
この日は月曜日で、翌火曜日は中世美術館の休館日だったんです。で、その次の水曜日はパリ滞在最終日、夕方にはパリを発つ、というタイミングだったため、最終日に伸ばすのは心細いし、ひと目だけでも見られれば、と、髪振り乱して駆けつけた甲斐がありました。
ご紹介頂いた本、今Amazonでチェックしてきました。私、まだトレイシー・シュヴァリエを読んだことがないのですが、有名な「真珠の~」は、やはり面白いでしょうか?「貴婦人と一角獣」も、是非読んでみたいと思います。教えて下さってありがとうございます!
  1. 2006/12/02(土) 17:44:00 |
  2. URL |
  3. lazyMiki2 #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

「真珠の耳飾りの少女」は読んでいませんが、「貴婦人と一角獣」は、自分がイメージしていた清く崇高な、そしてドラマチックなというストーリーではなかったものの、人間臭いながらもドラマチックなお話でした。
  1. 2006/12/02(土) 22:30:00 |
  2. URL |
  3. オルサ #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

◆オルサさん、
読みた~い!
自らに課した「英語で書かれた本は英語で読む」の掟がツラいところですが、頑張ります。でも、Amazonでは、この本は1,400円ちょいなんですよねー。1,500円から送料無料ということなので(ケチ)、何かもう1冊欲しい本が出てきたら、一緒に購入しようと思います♪
  1. 2006/12/03(日) 12:58:00 |
  2. URL |
  3. lazyMiki2 #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

忙しくてなかなか訪問できずにおりました~。
ごめんなさい。またまた笑っちゃいました^^
でもタダで入れてもらえたなんて、ラッキー♪でしたね~。
Mikiさんの必死さが伝わったのでしょうね。
「貴婦人と一角獣」が見られて良かったですね^^
  1. 2006/12/06(水) 11:06:00 |
  2. URL |
  3. camille_31 #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

◆camilleさん、
お忙しい中、どうもありがとうございます(^‐^)
美術館などの休館日や開館時間は、結構しっかりチェックして行ったつもりだったのですが、なんかこの中世美術館だけは、勘違いが重なってしまい、ドタバタになっちゃいました。
そう、でもタダだったから、ちょこっとラッキー。
私の必死さが・・・怖かったのかも・・・?
あれ、見られなかったらものすごく悔いが残りそうだったので、慌ただしいながら、見られてホントによかったです。
  1. 2006/12/06(水) 22:12:00 |
  2. URL |
  3. lazyMiki2 #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

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