本と旅とそれから 暗闇の大原≪大原・勝林院、宝泉院≫

本と旅とそれから

暗闇の大原≪大原・勝林院、宝泉院≫



年末年始ネタが一段落し、今となってはすっかり「季節はずれ」「季節遅れ」となった昨年秋の京都旅行の話へと戻ります。
あ、今日の記事は長いです。しかもテキストばっかりです<(_ _)>。

また、今年の京都ネタ第一弾は、新春にまったくふさわしくありません。
(私の)旅にはつきもののズッコケ・ネタですの。あは、あはは。


読んで下さる方(<(_ _)>)、ちょっと時間が空いてしまいましたが、思い出して下さいな。
旅の4日目、その日は、昼間はずっと曇天でしたが、何とか降らずにもってくれたのでした。
が、ホテルへ戻ろうと地下鉄から地上に出て来ると外は雨。結構な降りでした。

しかし、その日私にはさらに計画が――大原・宝泉院のライトアップへ。
前の日に、京都駅の観光コーナーでチラシを見つけたんです。ライトアップってあんまり行ったことないんですが、大好きな宝泉院なら行ってみたいかも!結構幻想的な写真、撮れるかも!・・・と、思ったのでした。

宝泉院って結構人気が高いだろうけど、こんな雨の日なら人も少ないんじゃない?

・・・なーんてね。
なんか今、「策士策に溺れる」って言葉が思い浮かびましたよ・・・。




国際会館駅前から出る大原行きのバスに乗り合わせたのはほんの数人。
おお、こんな感じなら、宝泉院では静かな時間が過ごせるでしょう。よしよし。
しかし――バスが街中を抜け、大原へと続く道に入る頃には、そのほとんどが降りてしまい、残りは私とあと女の子がひとりだけ――お願い、あなたは降りないで!
昼間ならひとりだって全然問題ないけど、夜だし。土砂降りだし!

夜に大原に来るのはもちろんそれが初めてでしたが、さっ、さすがに暗いですね。
バスが大原のターミナル(って、そんなに大きくないですよ)に到着する時は、きまって例の
「京都~、大原、三・千・院~♪恋に疲れた女がひとりィ~~(メロディだけ)」
がチャラリラ流れるんですが、これって、この状況で聞くとかえって不気味。

などと思いつつバスを降り、人が全然いないことにビビりまくって辺りを見回しているうちに、あれっ?!頼みの綱だった同じバスで来た女の子、どっか行っちゃった!
・・・か、観光客ぢゃなかったのかな・・・(T_T)。

もし、これが私にとって初めての、いや、2回目か3回目の大原だったら、もうそのまままたバスに乗って帰って来ちゃってたかも。自慢するわけじゃありませんが、この時でたぶんもう15回目ぐらいだったから、方向オンチの私でも、暗くても、何とか「どっちに三千院があるか」がわかったから、やっぱり行こうという気になったんですね。
・・・寂光院だったら諦めていたでしょう。

そして踏み入る闇の中。

「大げさなやっちゃな~~」と、つぶやいたアナタ!
本当に本当に暗かったんですよ!
お店は見事にみんな閉まっていたし。一軒も開いてないんですよ。
店は閉まっていても看板に灯が・・・とかもないんですよ。

あるのは、ひじょーに長い間隔でぽつりぽつりとくらぁ~くともっている足元の灯のみ。
ああっ、あともう1歩進んだら真っ暗だ!と、思う頃、遠くにまた次の灯が見える・・・。
て具合。

大原に行かれたことのある方ならおわかりですね、あの呂川沿いの、バス道から上って行く細い道です。あ、そうだ、去年の春に撮った写真が・・・。




これこれ。この右側のガードレールの足元に、時々灯があるんです。

とにかく怖かったですよ~(T_T)。
ふと、「私が今大原に来ていることを知ってる人って誰もいないんだ・・・」などと思い浮かび、ケータイで誰かに電話しようかなぁ、と考えたり(しなかったけど)。
「三千院や他にいろんなお寺のあるありがたい場所で、ヘンなこと起きるはずないよ」と思ってみても、ずっと前に比叡山でひとり歩きの女性が殺害されるという事件のあったことがすぐに思い出される・・・。悪党は神もホトケも(そしてオババも)畏れまい。

ああ、夜も明るい都会に暮らす人間は闇に弱い。
ありがたいお寺の参道が、まるで地獄へと続く道のよう・・・。

しかも、その間ずーーーっと、土砂降りですしね・・・。

怖いから早足で行こうとするんだけど、こゆ時に限って道は上り坂だ!まったく。
日頃のぐーたら生活が恨めしい。すぐ息が上がる・・・(T_T)走るの苦手です




ま、そうは言いましても、やがて坂道を上りきり、三千院門前に到着。
お店は相変わらず開いていませんが、さすがに道を照らす灯が増え、どこからわいて出たのか、観光客の姿もちらほら。

しかし、雨は一層激しさを増すばかり。

わき目もふらず、まずは勝林院へ。
ご存知の向きもあると思いますが、宝泉院は勝林院の塔頭です。ライトアップの時間帯は、勝林院で拝観料を払い、そのまま奥の出入り口から宝泉院へと通るようになっていました。

入り口の係の方が、哀れむような呆れるような目をされていたように見えたのは、もちろん私の思いすごしでしょうが・・・。

私は、もともと勝林院というお寺が大好きなのです、昔から。
どっしりと大きなたてもの。とてもシンプル。ものすごい存在感。

この夜は、本堂わきの色づいたもみじがライトアップされ、さらに扉を開け放ったお堂の中に煌々と灯がともり、ご本尊の阿弥陀如来と両脇待が、闇の中に浮かび上がっていました。
・・・こ、これこそまさに地獄に仏。ありがたや。

あの土砂降りの中、一眼は出せないのでIXYで・・・と思ったのですが、あまりの暗さに単なる明るい靄しか撮れまへんでした。
――いいんです、宝泉院でゆっくりじっくりお庭を撮りますから。

暗闇に浮かぶ金色の仏さまと対峙したしばしの時間の後、宝泉院へ。
春に続いて、今度はライトアップの秋の額縁庭園の写真を――

・・・え?



「撮影禁止」

Σ( ̄◇ ̄|||Σ( ̄◇ ̄|||Σ( ̄◇ ̄|||聞いてないって・・・


ぼーぜんと立ちすくむ・・・わけにも、土砂降りなのでいかず、しおしおと靴を脱いで玄関を上がると、ご住職(春にもお見かけしてるからわかります)が現れて、「はい、お清めのお香」と、粉ひとつまみ。
ううう、煩悩去れ。煩悩去れ。すぱっと・・・。

たとえ撮影はできなくとも、灯に照らされた額縁庭園、幽玄の美。
――なんて書いてますが、やはりこれは負け惜しみか・・・?^^;
額縁庭園に取り巻かれたあのお座敷で、雨に濡れたジーンズがキモチ悪いなぁと思いながら、ほよよ~んと脱力してましたねぇ。

いや、もちろん、撮影できようができまいが、見たものが美しく珍しかったことに変わりはないのですが、やはりこの何といいますか、「そうと知ってたらX2は置いてくるって」。
持って行ってただ持って帰って来たわけで・・・。
ていうか、わざわざ雨の夜に来なくてもいいよ、こんなに人が少ないんだったら!

帰りもまた、暗いぞ怖いぞとおののきながら同じ道をバス停まで帰ったわけですが、さすがに一度通った道ですし、今度は下り坂なせいで、なんかずい分早く帰り着けた気がします。

帰りのバスは行き先を問わず。最初に来たのに乗って、街中に帰って来たのでした。
「京都~、大原、宝・泉・院♪闇に憑かれたオババがひとりィ~~」

暗闇の大原。
無事帰って来てみれば、面白かったです。
また行きたいです。雨が降ってない夜に。も少し人のいる時に。


[2009年11月10日(火)訪問]

宝泉院HPはコチラ。今、ライトアップのページを見たら「夜道は暗いので懐中電灯があると
 安心です」ですと・・・^^;今、知っても遅い。

2009年4月、春の宝泉院・額縁庭園の記事はコチラ
2009年11月京都旅行記・目次はコチラ

よろしければ、旅のズッコケ話、各種取り揃えております。いかがでしょうか。
2006年夏、フランスはモン・サン・ミッシェルで、宿の部屋に閉じ込められた話はコチラ
2008年初夏、上賀茂神社でカモられた話はコチラ
2008年初秋、福島・猪苗代、幻の黄金色の田んぼの話はコチラ
2008年秋、奈良・生駒山、幻の獅子閣の話はコチラ
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  1. 2010/01/07(木) 23:38:00|
  2. 京都
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コメント

懐かしくて前の分も読んでいました。

パリ旅行懐かしいですわ~ドア事件。。。あの時私はめっちゃなれなれしくコメントかいてますよね・・・ごめんなさいm(__)m

旅にこういうことがあると、ある意味楽しいですよね。
予定通りには行かないというか、笑い話になっていいかも♪

雨の中、ご苦労様でした。しかも撮影なしだなんて、X2重たいのにね~!
そりゃあ、ショックですわ。以前、大徳寺へ行ったとき撮影禁止を知ったとき、コンデジですらショック・・・だったな~。

それにしても、mikiさんの文章面白いですわ~
ほんまに関東の方ですか?!
  1. 2010/01/08(金) 20:22:00 |
  2. URL |
  3. tomate11 #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

大雨の中、暗闇の大原へ!!
よう行かはりましたね~。
写真は撮れなくとも、この日のことは、心の奥深くしっかり焼き付けられたことでしょう(笑)
お疲れさまでしたー。

にしても、Mikiさんの文章面白いですわ~。
ほんまは関西の方でしょう!?
  1. 2010/01/08(金) 23:09:00 |
  2. URL |
  3. bananan_bou #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

To tomateさん、
前のも読んでくれたの、わーい、どうもありがとう(^0^)
tomateさんとはまさにパリ以来のお付き合いですもんね~♪
別になれなれしくないでしょ~、ちっとも。
ごめんなさないなことないですよん。
むしろコメントありがとう<(_ _)>です。

私のカメラリュック、ある程度水をはじくけど防水というわけじゃないので、あれだけ大雨だと、中のカメラが心配になってくるんですよね。
だから、自分が多少濡れてもリュックをカバー・・・とかちょっと苦労して持っていったX2だったのに、単なる荷物にしかならなかったっていうのが「ぐぐっ!」でした。
宝泉院、11月だけ撮影禁止なんですって。

面白かった?よかったな~^^
名誉関西人の称号持ってるワタシです(くれたのしのちゃんだったかな?)。
  1. 2010/01/08(金) 23:47:00 |
  2. URL |
  3. lazyMiki #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

To ばななさん、
心の奥深く、一生消えない闇となったのであった!(^0^)/
ホテルに帰ってから、スニーカーにドライヤーかけましたよー。
振り返れば笑っちゃうハナシですが、その時は本気で緊迫してたのね。

・・・提案なんですけど、ばななさんとtomateさん、息の合ったところで夫婦漫才どう?
コンビ名はワタシが考えよう。
バナナとトマトだから、「ベジタリアン」とか。
あ、まて、「デルモンテ」のがいいか。
稼ぎはみんなオババが頂くぞよ。

ほんまは関西の・・・そーだったらいいのにな、そーだったらいいのにな♪
  1. 2010/01/08(金) 23:55:00 |
  2. URL |
  3. lazyMiki #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

これだったのですね、恐怖体験とは・・・・
無事のご帰還、なによりでした。

たしかに、あの道を雨降りの夜に 一人で歩くのは ちょっと
ライトアップ期間中なのに、お店みんな閉まっているのですね

宝泉院、大好きな場所ですが、新しくお庭を整備されて拝観料が上がりましたね
大原の素朴な場所で 過ごす空間が良かったのですが・・・
三千院もどんどん整備が進んでますね

そっか、ライトアップ中も撮影禁止なのですね
せっかく、頑張って到着したのに・・・ 残念、無念
ご苦労さまでした。

関西人、大歓迎です。
  1. 2010/01/09(土) 17:05:00 |
  2. URL |
  3. にいやん #79D/WHSg
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To にいやん、
これだったのです、恐怖体験。
明るいところで思い返すと、まず笑っちゃうんですが、いやー、その時その場では本気で怖かったんですよぅ。

ライトアップというのは、これまで、銀閣寺と清水寺に出かけたことがあるんですが、どちらも門前はお店がいっぱい開いて、人で賑わっていたのです。
さすが大原――遠いですナ^^(感心しました)。

宝泉院の新しいお庭、出来てから宝泉院には何度か行っていますが、まだまともに見ていません。勝林院にもなんかお庭っぽいのを造っているみたいですよ。
京都のお寺さん、新しいお庭を作るところ多いですね~。
何百年後かには、「これが平成の庭」と言われるのかも知れませんけど、リアルタイムで経験すると、ちょっと興醒めの感もありますかね~。

社外重役、みたいな?在関東・名誉関西人・・・(自分で言わない)。
  1. 2010/01/09(土) 21:35:00 |
  2. URL |
  3. lazyMiki #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

↑大笑いしました。
同じ突込みしてますやん!

やっぱりmikiさん、かなり関西濃いですよ^^
話をしててもまったく違和感がないですからね~不思議な不思議なmikiさんです。

ちょっとmikiさん、もうちょっといい名前考えてくださいよ・・・
ベジタリアンって言いながら、大きなハンバーグ食べてはるし、ばななとトマトのミックスジュースはいくらなんでもデルモンテで売り出しませんよ・・・

でもね、mikiさん。ここで大切なことがひとつ!
それは、ボケてくれる人がいないと駄目なんです~!
どうですか?mikiさんが私らの真ん中に入って両サイドから突っ込みいれられる!
でっかい二人の間に入るから、凹!?
これで行きましょ♪
  1. 2010/01/09(土) 21:47:00 |
  2. URL |
  3. tomate11 #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

lazyMikiさん、こん ばん は ~~
こわーーいお話、ありがとうございました。iPODで聞く落語より面白いです(笑)。失礼。
撮影禁止とは残念でしたね。「化けて出るぞ!」って言ってみたら、しくしく泣いてごねたら撮影許可が下りたかもしれないですね。英語だったら"I will come back around"
モン・サン・ミッシェルの記事も拝見しました。狭い怪談。。。じゃなくって階段の写真を見ると、宮崎映画の魔女の宅急便のような風景が目に浮かびます。もしかして、箒で旅行?
海外では、僕もいっぱい失敗してます。リスボンでは部屋に戻ったら鍵が開きません。フロントで問い合わせると、チェックアウトの時刻を過ぎてると言われて???どうも秘書の子との話がずれていて、日本に向けて旅立つ日と日本に到着する日が混同していたようで、余りにださい芝居なので、それ以上話ませんが。。。
この恥ずかしい記事は載せてませんが、その旅行記は、以下のアドレスに載せてます。
"http://homepage.mac.com/watdream1/dream/traveloverseas/"
  1. 2010/01/09(土) 23:24:00 |
  2. URL |
  3. bjynp #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

To tomateさん、
>かなり関西濃い

そお?
アタシってこう、近寄りがたい気品とエスプリに満ちた(←意味わかってないで使っている)関東のヒトって感じ、しない?
・・・しないんだね・・・。

デルモンテ、いいと思ったのに。
tomateケチャップとバナナ、デルモンテの主力商品だと思うだよ。
「凹」って・・・「ボコ」?
lazyMiki身長163.4cm、これまで「背、高い」といわれることはあっても、低いといわれたことはないので、すごく新鮮です。
でも、ボコ?・・・ボコ・・・(悩む)。
  1. 2010/01/10(日) 19:53:00 |
  2. URL |
  3. lazyMiki #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

To アッキーマッキーさん、
落語でも、コワい場面では歌舞伎みたいに「でろでろでろでろ・・・」っていう太鼓の効果音、入るんでしたっけ?
あの真っ暗な参道を小走りに三千院に向かう場面などは、是非ともあの太鼓の音が欲しかったです。

宝泉院のご住職、春に高校生相手に話をされるところを聞いた限りでは、ちっとやそっとゴネただけで歯のたつお方とは見えませんでした。
「化けて出るぞ!」と言ったら、「上手く化けなきゃ寺へは入れん!」とでも言われそう・・・。

ぬふふ、モン・サン・ミッシェルなどは、箒に乗った魔女の姿がマッチしそうですね♪
愛する聖ミカエルのお近くまで飛んで行ってみたいです~
(その場合、ハリポタに登場するようなスポーツ四駆みたいな箒ではなく、ラグジュアリー系箒を希望します。)

あらっ、アッキーマッキーさんの旅行記?
そりゃ是非読みにうかがいますね(でも、明日~。明日の朝は4時起きなので・・・(T_T))。
  1. 2010/01/10(日) 20:04:00 |
  2. URL |
  3. lazyMiki #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

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