本と旅とそれから 塔の上なる・・・たくさんの雲≪薬師寺、玄奘三蔵院≫    (2007年初夏・奈良)

本と旅とそれから

塔の上なる・・・たくさんの雲≪薬師寺、玄奘三蔵院≫    (2007年初夏・奈良)


▲薬師寺・金堂

京都でのもりだくさんの午前の後、近鉄に乗って奈良へ。
あ~・・・久しぶり、奈良。もう何年ぶりになるでしょうか。
今回は、1泊の短い旅程です。見て回れるところも限られているのですが、まずは・・・。
腹ごしらえ、ですね。

6月2日(日)

▲草ノ戸(くさのえ)

この日の午後の予定は、本命の唐招提寺障壁画をメインに・・・ということで、エリアとしては西ノ京。ガイドブックで見つけた「田舎料理 草ノ戸」というお店に行きました。


ここは薬草料理を売り物とするお店のようですが、そちらは事前の予約が必要ということで、今回はお弁当をお願いしました。


二人が食べたのは、びみょーに内容は違いますが、どちらも健康志向のさらっとした感覚のお弁当。赤い器は二段になっていて、下にはご飯が。黒米と茶飯と、選べます。
一部ちょっと味が濃い気もしましたが、いろいろ入ってて、楽しく頂きました。


▲こちらが私の食べた方。茶色の不思議な外見の物体は、干し柿です。


さて、そして奈良で最初に訪れたのは、TOP画像の薬師寺。
「行く秋の大和の国の薬師寺の 塔の上なるひとひらの雲」という佐々木信綱氏の歌が大変有名ですが、私は長らくこの歌の出だし「行く秋の」が思い出せず、「『風そよぐ』じゃないしー、『青丹よし』じゃないしー」と無益な努力を続けていましたが、今回薬師寺に行くに当たり、ようやくちゃんと調べてすっきりしました。


▲国宝 東塔


季節違いのせいもあるでしょうが、この日は曇天にて、ひとひらならぬたくさんの雲が垂れ込めた空模様でした。
にしても、広いなぁ、薬師寺。空間が豊富。建物だけでなく、お庭その他のレイアウトにもいろいろと細かな気配りが凝縮された感じの京都の社寺を見慣れた目には、よく言えばのんびりおおらかに見えるこの伽藍。建物も大きいぃ。

そして、同じく国宝 薬師三尊像。これも大きい!しかも、見事。美しい。
京都で見る仏様とは、何か違う・・・というか、この仏様のおられる空間が、京都のものとは何か違う気がする・・・。何と言うか、解放される気がするんです、拝見していると。

とか言いつつ、一方で、寺社巡りの時にはお賽銭用にと必ず持ち歩く5円玉(ふだんから、このために貯めているのサ)が足りないことを心配する私。三尊像の場合、お賽銭箱は三つあるということを失念しておりました。
しかも今回、唐招提寺障壁画に意識を向けすぎるあまり、他の奈良のお寺・仏様についての事前勉強が大いに不足してました。今、こうして書いていて、ふつふつと無念の気持ちが湧いてくる・・・これは、奈良はリベンジしなくては。というか、今後は京都と共に、奈良にももっと気持ちを向けていこうと思います。

さて、その薬師寺のすぐお向かいにあるのが、平成3年に新しく建てられた塔頭、玄奘三蔵院。前回(いつだったかはっきり思い出せないので、かなり昔です)奈良を訪れた時にはまだ建設中で、工事現場の風景が興醒めだったのを覚えています。


▲玄奘塔


前を行くカップルは、南アジア系の風貌。新しいので、薬師寺西塔と同じく、赤が鮮やか。


「不東」とは、唐から西、天竺に向かった玄奘三蔵が、目的を達するまでは決して故郷(つまり東の方角)へは帰らない、と誓った決意の言葉。


▲大唐西域壁画殿


そして、今回思いがけず見ることができたのが、平山郁夫画伯のこの大唐西域壁画。
壁画を奉納されたことは聞いていましたが、これまであまり興味を感じてはいませんでした。平山画伯の絵自体は、かなり好きだったのですが。

唐招提寺の東山画伯の障壁画よりは公開期間が長いのだろうと思いますが、こちらも常に見られるというものではないらしく、偶然の幸運でした。


建物も、お寺自体も新しく、障壁画は現在もまだ日本画壇のトップに君臨する画家の作品ということで、古都という環境の中ではちょっと浮いた雰囲気がしなくもないこの玄奘三蔵院。
でも、たとえ今はそうでも、300年、500年、1000年の後にはこのお寺(本物の三蔵法師のお骨を祀っているのです)と平山郁夫の名は、常に一体として語られるユニークな存在になっていくのだろうなぁ、と思います。当たり前のことですが、どれほどの歴史を持つ古寺も、創建当時は新しくてピカピカだったわけですし。


お寺社や仏様や文化財の上を流れる時間は、人間の時間とは違う・・・などとしみじみ思いつつ、塔を巡る回廊に展示されたさつきの盆栽を眺めて、玄奘三蔵院を後にしました。

●大和棟田舎料理 草ノ戸(くさのえ):奈良市六条町151 Tel.0742-33-3017(水曜定休)
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  1. 2007/07/10(火) 22:05:00|
  2. 07初夏・京都、奈良
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コメント

No title

こうして見ると、京都より奈良の方が人が少なくって
ゆったり見られるようでいいですね。
それとも人がいない所を撮っているだけでしょうか?
緻密な庭園の京都に対し、すっきりとした奈良という感じで
こちらも風情がありますね。京都の写真のブログ結構あるので
奈良は新鮮な気がします。
薬草料理も興味がありますが、お弁当おいしそうです。
  1. 2007/07/11(水) 22:28:00 |
  2. URL |
  3. bullet4071 #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

◈bulletさん、
いえ、本当に京都と比べると人口密度か~なり低かったです。
それでも、この時は唐招提寺の障壁画の特別公開と重なっていたので、この時季の奈良にしては人が多かったらしいのですが・・・。

奈良は、京都の洗練された様子と比べるとかなり鄙びた雰囲気でしたが、それがこの地の魅力でもありますね。
まさに、癒されると言いましょうか・・・。
久しぶりに訪れて、改めて奈良ファンになりました。
  1. 2007/07/12(木) 00:50:00 |
  2. URL |
  3. lazyMiki2 #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

奈良っていいですよねー。
京都に比べて、垢抜けしてないというか(失礼!)
自然体なところ、少しレトロっぽいところが
開放感があって、いいなぁ・・て思います。
近鉄に乗ったら、結構近いですし。

あーまた行きたくなっちゃったなー。奈良!
  1. 2007/07/12(木) 23:04:00 |
  2. URL |
  3. chiyomi #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

No title

◈chiyomiさん、
つい、京都と比べて描写すると、奈良は田舎っぽい、みたいな言い方になっちゃうけど、それって、言ってる方としては「だから魅力的なんだ」ってつもりなんですよね・・・。
京都より時間がゆっくり流れてる感じがするし。
いろいろな意味で京都より「不便」だったりもしますが、それもまたよいということで。

私もね、近いうちにまた行きたいぞ、と、かなり強く思っております。
今回は法隆寺とか行けなかったので、そちら方面も。
  1. 2007/07/13(金) 01:04:00 |
  2. URL |
  3. lazyMiki2 #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

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