本と旅とそれから 均ちゃんの失踪/中島京子

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均ちゃんの失踪/中島京子

先日、直木賞受賞作「小さいおうち」を読んで、何となくよい感じだったので、図書館の棚で見つけた同じ作家さんの本を読んでみました。
均ちゃんの失踪

均ちゃんの失踪/中島京子(講談社)

最初、表紙のイラストを見て、「均ちゃん(きんちゃん)なんて名前だし、インコか何かが逃げたって話だろうか?」と思ったのでしたが、いや、均ちゃんは呼び名であって、本当は均(ひとし)という名のれっきとした人間の成人男子でした。

でも――実は、それに近いものがあったってことでしょうか。
大切にしていた小鳥が逃げてしまったよ、とでもいうような・・・。

均ちゃんの元妻と、もっと若い現在進行形のガールフレンド2人の、計3人の女たち。均ちゃんが失踪したことをきっかけに思いがけず顔を合わせることとなった彼女たちの間に生まれる、友情・・・と呼ぶのもどうでしょうかと思うような微妙な関係。
そして、それを機に彼女たちはそれぞれ、自分にとって均ちゃんってどんな存在だったんだろうとあらためて考える。

――そして彼女たちの心に浮かぶ思いは、まるで大切に飼っている小鳥か何かのよう。
寂しい時に心を慰めてくれる存在。優しい存在。どこか現実離れしていて、どろどろしたものがなく、大切に思っているし、いなくなれば心配して探すけれど、でもどこか切迫したものが欠けている・・・。

不思議な軽さを持った、均ちゃんという存在。
そんな非現実的な彼の不在の周りで、女たちはどんどん現実を進んでいく。

そして最後には均ちゃんご本人も登場しますが――いると思いますねー、こんなふうな・・・ある意味テキトーに扱われてしまうことを宿命づけられたような人って。
本人も周囲も、決して悪意などなく、いやむしろ真面目で誠実な人ばかりなのに、どちらも、何をするにも、「本当に本気」の一歩(か、二、三歩)手前でなぜか止まってしまうみたいな。

この何というか、とてつもなく中途半端な位置取りと重み、均ちゃん自身、意図してできるものではなく。
なぜか私は、彼を取り巻く女たちより、この均ちゃんというどうにもフラフラした人物に惹かれるものを感じるのでした。といっても、実際に目の前にいたら、好きじゃないかも知れないけど・・・。


webcitron01.gif


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  1. 2010/09/11(土) 00:00:01|
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「均ちゃんの失踪」

「Re-born はじまりの一歩」で知った中島京子さん。 図書館で見つけて借りてきてみました。 均ちゃんの失踪 中島 京子 / / 講談社 ISBN : 4062136155 ちょっとだらしなく情けない男「均ちゃん」をめぐる3人の女性が中心のお話。 …つーか、均ちゃん不在の間
  1. 2010/09/12(日) 17:01:38 |
  2. おうちしごと日報

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