本と旅とそれから あるキング/伊坂幸太郎

本と旅とそれから

あるキング/伊坂幸太郎

予約を入れたことを忘れていたものですから、図書館から「ご予約の本が準備できました」のメールをもらった時は、何だかラッキーな気がしました♪
最近は分厚いのが多かった伊坂本ですが、今回はそんなこともなく。



あるキング/伊坂幸太郎(徳間書店)

伊坂作品には時々・・・野球が出てきますよね。
お好きなのかな。

イチロー・松井の両選手を足して二倍にしたくらい非凡な野球の才能に恵まれた若者のお話。


といって、まさか正統派のスポ根小説のわけもなく。

相変わらずシュールっていうか。
現実を描いているようでいて、全然現実的ではありません。

作品によって程度の差はありますが、デビュー作「オーデュボンの祈り」以来ずっと、伊坂作品ってシュールだよね、っていう気がしてます。
現実を描いているようでいて、全然現実ではない・・・というのを「シュール」というのかどうかまったく自信はありませんが――シュールレアリスムの画家、ルネ・マグリットの絵を見るような印象を持つものですから。
ちなみに、私は大好きなのです、マグリットの絵。

物語中に散りばめられた、さまざまな要素は、どうも消化不良な気もします。
「マクベス」の三人の魔女、ふつうの人かと思ってたら違ってた父親、謎のケダモノ、万年最下位プロチームのかつての監督の亡霊(・・・か?)。
並べてみれば、どれも尋常じゃありませんね。

それらがなぜ物語に登場させられるのか、はて?はて?と思っているうちに若干200ページの本は終わってしまうのでした。

が、それを言うなら、この物語の存在そのものが「はて?」かも。
で、別に「はて?」でもよくって、ことさら「楽しい」でも「嬉しい」でも「切ない」なんかでもなくって、伊坂レシピで混合された空気を吸って「ふ~ん、ほよほよ」と思って終了。
その感覚と読み手の相性だけかもって気がします、今回。

なんだか眩しい主人公、山田王求(やまだおうく)。
一途に求める道があり、その才に多いに恵まれている――でもそれだけ。こんなシンプルな人間も、シンプルな人生もあるわけないけど、仮にあったら・・・が描かれているのでしょうか。
そうした人間像を、ある意味「王」な存在だ、と伊坂さんは言うのかも。
・・・まるでメルヘン、とも思えますが。


webcitron01.gif


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tag: 伊坂幸太郎 
  1. 2010/02/25(木) 23:23:00|
  2. 2010
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いままでの伊坂作品と比べてずいぶん、感じがちがっていて、
不思議なはなしでしたよね。SOSの猿もそうなのですが、
陽気なギャングたちが好きで、期待した人は
最近の2作は、期待はずれになるとおもいます。
でもわたしは、こういう感じも好きですよ。
  1. 2010/02/27(土) 18:53:00 |
  2. URL |
  3. bullet4071 #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

To bulletさん、
「SOSの猿」、じーっと図書館の順番を待っております。
今年中に回ってくれば嬉しいでしょうか(T_T)。

>今までの伊坂作品と感じが違う

・・・というか、「陽気なギャング」が、他の伊坂作品とはかなり違うイメージですが・・・?
他の伊坂作品についても、段々と記憶がいい加減になりつつあるのですが、「あるキング」は、例えば「オーデュボンの祈り」なんかと、雰囲気的には近い気がしました。
むしろこっちの方が、伊坂作品の基本路線(?)寄りかも?
  1. 2010/02/27(土) 21:31:00 |
  2. URL |
  3. lazyMiki #79D/WHSg
  4. [ 編集 ]

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