本と旅とそれから 白鳥異伝(上)(下)/荻原規子

本と旅とそれから

白鳥異伝(上)(下)/荻原規子

「空色勾玉(感想文は▶コチラ)」に続く、勾玉三部作の第二作目。
天地創生神話をベースとしていた前作から年月ははるかに流れて――といっても、まだ「古事記」、「日本書紀」の内ですが、今回はヤマトタケル伝説を扱った物語となっています。
「白鳥異伝」(上)「白鳥異伝」(下)

白鳥異伝(上)(下)/荻原規子(徳間文庫)

ヤマトタケルかー。すごくなつかしー。
小学校の頃、読みました。もちろん子ども版。
で、泣きましたよ。日本武尊(ヤマトタケルノミコト)があんまり可哀想で。
奥さんのオトタチバナヒメは、どこかの海で、嵐を鎮めてヤマトタケル一行を救うべく、水に飛び込んで死んでしまうんだし。


そうそう、で、嵐が過ぎて無事岸にたどりついたヤマトタケルが、波が運んで来た、オトタチバナヒメの櫛を拾うんですよね・・・ううう、悲しいシーンだった・・・。
「あづまはや」とか、「やまとはくにのまほろば」とか、ろくに意味もわからなかったくせにやたらと感動した覚えがありますが・・・。

ヤマトタケルの物語は、あの時のあの本(たぶん、推薦図書だったんですね)を一度か二度しか読んでいないことを考えると、それから40年近く経った今でもかなりの印象が残っているのは驚異的。特に最近は、午前のことを午後には忘れたりしてますから、あれこれ批判はあろうとも、脳細胞のパフォーマンスがいいうちに子どもにはいろいろ詰め込んでおいた方がよいのかもね・・・?

なんてことはいいんですが。

前作「空色勾玉」もそうでしたが、今作も、基本路線は"a boy meets a girl"。
初々しく瑞々しい若者たちのラブストーリー・・・なんじゃないんでしょうか。
主役の若い男女二人のキャラクターも、前作とほとんど同じと言えます――闊達でバイタリティに溢れた少女と、どこか浮世離れした、高貴な血をひく少年。

それぞれが、成長して恋に目覚め、おのれの運命に果敢に立ち向かいそして勝利する。
全体の印象としては、若さというものへの讃歌のような感じがします。まあ・・・単純な構造といえばいえるかも。そのせいもあってか、いわゆるライトノベル(でしたっけ?)というジャンルなのかとも思えるのですが――。

この文庫版の巻末解説を、神宮輝夫さんが書いておられるんですねー。
神宮さんといえば、あの名作「ツバメ号とアマゾン号」シリーズの邦訳を手掛けられた、名翻訳家であり児童文学者でもある方。

その神宮さんの解説、思いっきりFT文学全般の解説になってるんですが、その中で神宮さんはこの勾玉シリーズを、「ナルニア国物語」に比肩するハイ・ファンタジー作品だと絶賛されています。
すごいー、そこまで褒めますか。
上橋菜穂子さんの作品なんかもそうだけど、昨今の話題作ってものすごい持ち上げられようですよね。

確かに面白いですけど。
パターン化している感があるとはいえ、やっぱりキャラクターが魅力的でもあるし。
この空気キラキラ感や、味付けは塩ひとつまみだけでさっぱり、みたいな雰囲気も、もの足りないようでもあり、個性的でよいような感じでもあり。

上下巻それぞれ400ページを超える長編なのに、一気に読ませるし。
やっぱり面白い本は長編だな~(長編好き)(^^)!


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tag: 荻原規子 勾玉シリーズ 
  1. 2010/11/25(木) 23:00:01|
  2. 2010
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