本と旅とそれから 駅までの道をおしえて/伊集院静

本と旅とそれから

駅までの道をおしえて/伊集院静

本書は「再会」の作品集なのである
          ・・・・・・
「再会」とは、二つの時間の織りなす「奇跡」である。別れによって止まってしまった時間と、巡りつづける「季節」とともに流れていく時間とが、ある瞬間に出会うことで、「再会」が成就する。

駅までの道をおしえて

駅までの道をおしえて/伊集院静(講談社文庫)

伊坂幸太郎さんは本書のことを「『亡くなったけれど、ベンチにいる』人たちの声が聞こえる」作品だと書かれましたが(►コチラ)、文庫版巻末解説で、重松清さんは(▲)に引用したように書いておられます。

伊坂さんの書評は、いかにも伊坂さんらしい語り口でじーんとくる文章になっているのですが、この重松さんの解説文も、これまた大変素晴らしいのです(この作家さんも読んでみなくちゃー)。

二人のベストセラー作家からこれだけの言葉をもらうとは、いったいどれだけ素晴らしい本なのでしょう!
と、いうわけですが――そ・・・うですね、ええ、じーんとくる短編がたくさん。

ただ、書評や解説文の方がやや・・・勝っている感もあるでしょうか。
と書くと、「イマイチだったのかな?」と思われるかも知れませんが、そういうわけではないんですけどね。

伊坂さん、重松さんの文章にはとても香り高い表現で紹介されていますが、本書に収められた短編のほとんどが、この世を去った人と、この世に残った人との、今なお残るつながり、ある意味「交流」のようなものが描かれています。

この主題は、ただでさえ年々胸に迫るものとなっているし、桜の咲く季節にはそれがいっそう切なく思われるところですが、震災後ひと月という今このタイミングでこのことを考える時、やはり、人は「亡くなってもそこにいる」と、信じたい。満開の桜を見ていると、実際、花の間に「何か」が漂っている気がしますもん。

散り際の潔さ、清々しさがことさら愛でられる桜花ですが、その見事な散り様は再生への第1歩。
毎年花は咲いても、咲く花は毎年違う、と言われますが、確かにその通りで、これまで散った無数の花はすべて今咲く花の中に生きていると思える・・・思いたい。

――うぅむ、ホントここのところ感傷的になっている私です。
でもね、この本を読むと、きっと多くの人がちょっとおセンチ(死語?)になっちゃいますよ。

そうそう、伊坂さんが本書の書評の中で人生を野球にたとえておられるのは、伊坂さんが野球をお好きだからだと思ったのですが、どうやら伊集院さんも野球ファンみたいですね。収録された短編のほとんどに、何らかの形で野球や野球選手が関わっています(最後の一篇に至っては・・・^0^;)。



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  1. 2011/04/12(火) 22:30:02|
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