本と旅とそれから かんじき飛脚/山本一力

本と旅とそれから

かんじき飛脚/山本一力

あらやだ。
私ったら慌て者ていうか粗忽ものていうか――山本一力さんと、山本兼一さんを混同してました^^;。
山本兼一さんは、「利休にたずねよ」や「火天の城」の作者。私はその同じ作家さんの作品だと思って本書を借りて来て読み、「作品の雰囲気がかなり違うけど、きっ『かんじき飛脚』は初期の作品なのね」などと思っていて・・・。
どのくらい「初期」なのかを確かめようとググってみて今さっき初めて、別の作家さんの作品だったのだと認識しました。なんちゅこっちゃ。
かんじき飛脚

かんじき飛脚/山本一力(新潮文庫)

兼一さん、一力さんどちらも、直木賞作家です。
なので、筆力のある人気作家であることは間違いないわけですが、本書のタイトルからもわかるような気がするのですが――一力さんの方は、兼一さんより単純だったりストレートだったりします。

・・・だなんて。
一力さんの本はこれが初めて、兼一さんだってたった2冊読んだことがあるだけで、そんなこと言うのも愚かではあるのですが・・・。

それを承知で敢えて言うと――やっぱり違いはわかると思います。
で、「かんじき飛脚」を「初期の」作品だと思ったのは、物語も人物も、とても単純だから・・・というとネガティブに響くでしょうか。私としては、良くも悪くも、というつもりです。

ところで、「かんじき飛脚」は、とても面白い時代小説でした。好きな感じの作品でした。
江戸と金沢を結ぶ、加賀藩御用達の長距離飛脚の活躍を描いたお話で、後半は公儀御庭番との死闘が展開して盛り上がります。

飛脚には、金沢をベースにする加賀組と、江戸をベースにする江戸組の二チームあり、それぞれに組頭以下8人が所属して、江戸・金沢間を行き来しています。メンバーはいずれも屈強の男たち。
これが誰も彼も、仲間思いで使命感と責任感が強く、仲間のため、仕事のためなら喜んで命を投げ出そうという男ばかりです。

彼らを取り巻く人々、例えばこの飛脚宿の主人や、メンバーの恋人やその仲間の猟師たち等々も、誰もが飛脚たちを愛し、力を貸し、懸命に無事を祈る。
・・・この辺が、何と言いますか、ちょっと類型化されたような、現実離れした感じなんですね。
世の中のすべての職場がこんなだったらどんなによいでしょう、と思うけど、まああり得ない。

正直に言えば、収めきれていない伏線があるとか、存在意義不明の描写がいくつかあるとか、直木賞作家の作品に、不遜にもあれこれケチを付けつつ読んだ私ではあります。
でも、面白かったです。飛脚たちの義兄弟愛とか信頼関係とか、少し気恥ずかしいくらいに書かれているのも、新鮮といえばそうでしたし。

でも・・・あらためて・・・違う作家さんだったか~^^;。


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tag: 山本一力 
  1. 2011/06/19(日) 22:30:01|
  2. 2011
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