本と旅とそれから 信長の棺/加藤廣

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信長の棺/加藤廣

そうそう、小泉サンでした、元首相の。
小泉元首相が本書を愛読している、と公に語ったのだとか。
以前、書店の店頭POPにそう書いてあるのを見て、ちょっと興味をひかれたんです。

その時はそのまま忘れていましたが、今回たまたま図書館の文庫の棚に本書を見つけたので、借りてみました。
信長の棺(上)信長の棺(下)

信長の棺(上)(下)/加藤廣(文春文庫)

作者の加藤廣という方は、中小企業金融公庫の本店調査部長にまでなり、その後金融系の知的専門職みたいなものにあれこれ就いた後、実に75歳で本書で作家デビューされたという珍しい経歴の持ち主。

結論から先に言いますと、私はあんまり好きではありませんでした、この本^^;。

テーマは、本能寺の変の後、織田信長やその側近たちの遺体が見つからなかったというあの有名な歴史上の謎。それを、信長の伝記「信長公記」の著者太田牛一の視点から推理していく、まあ――歴史ミステリーの形ということになるのでしょうか。

信長の伝記作者なので、この主人公は信長に惚れきっています。で、秀吉のことが嫌いでならない。
しかも、信長の死の謎を追って行けば行くほど、秀吉について思いもかけないことが次々と明らかになっていきます。
ただでさえけなすネタばかりが並べられる秀吉なのに、新たな事実(?)が掘り起こされて、愚か者がさらに恐るべき卑怯者として描かれるに至ります。

・・・作者は、秀吉のことがよっぽど気に食わないのですねぇ。

そういった、好き嫌いがはっきり表れる描き方や、作品の雰囲気なんかは、ちょっと司馬遼を思い出させます。きっと加藤氏は司馬遼のかなりのファンに違いない。まあ、この年齢層の人で歴史小説書きなら、もしかして大部分がそうなのかも知れないけれど。

そのこと自体は別にいいのです。では、私が何が一番この本で好きになれなかったかというと、それは物語全般に感じられる「上から目線」。それと、主人公・太田牛一が具現していると思われるところの、作者憧れの「70代男性像」。

作者が自分自身をその人物像に投影しているかどうかまではわかりませんが――。
シンデレラ・ストーリーを夢見る女性と、行動パターンとしては似ているんじゃないかと思います。
つまり、自分よりずっと年の若い妖艶でいて初々しい美女に献身的な愛情を寄せられる、という。彼には心血を注ぐ知的な仕事があり、別に自分からアプローチしたわけじゃないんだけど、どうしたわけかその若い美女の方が彼に夢中になっちゃって非常に積極的で・・・。

私が70代男性だったら共感できるのかも知れませんが^^;。

そして、批評家的な人物描写。人を褒めるにしろ貶すにしろ、何かエラそう。
歴史小説に人物批評はつきものだと思いますが、この小説では、それが何だか鼻につきます。
そう、私はこの主人公の太田牛一に、自分の嫌いな「70代男性像」を見てしまったのかも~。

最初は、本書を第1作とする同じ作者の「本能寺三部作」というのを全部読んでみようかと思っていたのですが、とりあえずはどうにか本書を読み終えただけでよしといたします。


webcitron01.gif


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  1. 2011/08/04(木) 22:30:00|
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