本と旅とそれから のぼうの城/和田竜

本と旅とそれから

のぼうの城/和田竜

面白かったです♪
感想文UPはちょっと間が空きましたが、これは「信長の棺(►感想はコチラ)」のすぐ後に読んだもの。
なので、同じ時代小説でもこんなに違うか!という感が一層強くしました。
「のぼうの城(上)」「のぼうの城(下)」

のぼうの城(上)(下)/和田竜
(小学館文庫)


以前、どこかの「面白い時代小説紹介」的な記事で見かけて興味をおぼえたものの、例によってその後忘却していた本でした。それをなぜ思い出したかというと、先月何度も行田に出かけたからです。

この物語の舞台は行田で、「のぼうの城」とはすなわちかの地の忍城(おしじょう)のこと。
現在でも、忍城というお城は行田市の観光名所になっているようですが、まあ当然といってもよいでしょうか、当時のものではありません。
湖に浮かぶ浮城と呼ばれた光景は、残念ながら残っていないようで、私も行田には行きましたが、お城へは行っておりません。

で、この小説が、映画化されたそうなのですね。
蓮を撮りに訪れた公園で、あちこちにポスターが貼ってあって知りました。
本当は、今年9月に公開の予定だったそうなのですが(►映画「のぼうの城」公式HPはコチラ)、石田三成による忍城水攻めのシーン(特に、堤が決壊するシーンなど)が震災から間がないことで不適切、と判断され公開は来年秋に延期されたそうです。
――そうですね、これは・・・仕方ないかもですね。

しかし、主演が野村萬斎さんとは。
・・・イメージ違うんですけど。

のぼう、というのは「でくのぼう」の省略形です。
忍城城代・成田長親のことなのですが、この人が、家臣や領民から面と向かって「のぼう様」と呼ばれても、へらへら笑っているようなわけわかんない人物。
やたらと大男で、表情にも乏しく、とんでもなく不器用で、たぶんバカなんだろうけれどいまひとつ得体が知れない、といったような人物です。

実はこの人が、「能ある鷹は爪を隠す」の極端な例だった、というようなストーリーです。
・・・ただ、本番でもさほど爪を見せるわけじゃないんですけどね^^;。

この人物を演じるのが野村萬斎さんって、ちょっと違うような~。大男じゃないし。

映画化はさておき、面白かったんですー、「のぼうの城」。
ちょっとこう、時代劇版「銀河英雄伝説」って感じ・・・スケールはかなり小さいですけど。
で、のぼう様は、ヤン・ウェンリーって感じですね。

この埼玉(当然当時は埼玉県ぢゃありませんけど、「さきたま」という名称はすでにあったわけです。あの辺りは、埼玉の名前の由来となったエリアなんですね)の小藩が、豊臣秀吉の名代として攻めて来た石田三成の大軍を迎え撃つ、そして勝ってしまう、という話で、これは歴史的にも事実です。
三成の水攻めの失敗は、「信長の棺」にもちらりと出てきた記憶があります。

この、圧倒的に不利な状況を智謀で乗り切る、というシチュエーションがまず、帝国軍を迎え撃つヤン・ウェンリーです。で、敵味方双方が、ひとりだけのヒーローではなく、複数の英雄から成っているというのも銀河英雄伝説ぽいんですね~。ひとりひとりの武将(あるいは部将)が、生き生きと個性的に描かれているのがよいです。
・・・てここでまた映画化の話ですが、のぼう様の片腕(というのでしょうか、あまり家来らしくもありませんが)たる正木丹波を演じるのが佐藤浩市さんなんですよね。えー、違う気がするー。

佐藤浩市さんはとってもよき俳優さんで好きですが、丹波はもちっと若手に演じてもらいたいよぅ。
誰といって名前は浮かびませんけど。
和泉役が山口智充さんなのは、まあいいかな?

豊臣側は、三成を演じる上地雄輔という俳優さん、知らないんですケド・・・有名ですか?でしょうね~。
大谷刑部が山田孝之さんというのは・・・うーん、いいような悪いような。この大谷吉継という人物、悲劇的な末路を知っているだけに、爽やかな美男だったように描かれていると悲しいです。

さておきと言いつつどうも映画の話になってしまいますが・・・。

にしても、時代小説というのは、大抵数年、ものによっては数十年にわたる物語が描かれることが多いので、本書のように数日で終わってしまうひとつの合戦の話だと、ちょっと物足りない感覚は残ります。
もっと長かったらいいのになぁ、面白いから。

しかし小学館文庫、もう少し薄い紙を使って、1冊にまとめたらどーですか(ページをめくる度に、二枚一緒にめくってしまったと思って指でひねくり回してました。分厚いんだもの、1ページが)。
冊数を増やしても喜ぶのは供給側だけでしょー(たぶん)。


webcitron01.gif


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tag: 和田竜 
  1. 2011/08/15(月) 22:30:00|
  2. 2011
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大谷刑部

> 爽やかな美男だったように描かれていると悲しいです。

10年前ならともかく、少なくともここ数年の山田孝之を見て「爽やかな美男」と思う人はいませんよw

写真を検索すればすぐに分かりますが、大谷刑部役のために顔中髭だらけにして演じています。
  1. 2011/08/15(月) 23:09:27 |
  2. URL |
  3. 通りすがりののぼうファン #v0W2OX1k
  4. [ 編集 ]

通りすがりののぼうファンさん、

あ、失礼、爽やかな美男のように描かれているのは「原作の方に」のつもりでした(が、原作も、爽やかはともかく「美男」とは書いてないですね。背の高い、筋肉質の人物というあたりで)。
山田孝之さんで検索しておいで下さったのですね。

>写真を検索すれば

特に山田さんのファンではないので、その辺はご容赦を<(_ _)>。
  1. 2011/08/17(水) 00:02:34 |
  2. URL |
  3. lazyMiki #Dud4.962
  4. [ 編集 ]

え、えんき、ですか!?。。。

ご無沙汰してます。
ふと覗いてみたら、のぼうの城の話があってついついコメントしたくなりました。この本、あっさり書いてあってすぐに読み切りました。
映画の封切りをすごく楽しみにしてたんですが、延期ですか?残念。
僕もフォトエッセイで取り上げてたのに。ま、来年の楽しみが増えたと思えばいいですかね?
リンク先の「山中城址にも春の花」がそのフォトエッセイです。よかったら、読んでみて下さい。それで思い出した。明後日、原稿締め切りでした!
  1. 2011/08/18(木) 00:49:11 |
  2. URL |
  3. アッキーマッキー #6Q0aW8YQ
  4. [ 編集 ]

アッキーマッキーさん、

お久しぶりです~♪

1年延期になっちゃったんですね。来年の9月公開だとか。
今日の朝日の夕刊に、それでも映画の関連記事出てましたけど・・・(読んでないんですが)。
エッセイ拝見しました^^。
秀吉の北条攻めって、歴史小説(利休関係なども)にはよく出てきますけど、なぜかあんまり詳細を気にとめたことがないんですよねぇ。
山中城なんてあったんですね!――てなレベルで^^;。
  1. 2011/08/19(金) 21:25:51 |
  2. URL |
  3. lazyMiki #Dud4.962
  4. [ 編集 ]

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