本と旅とそれから 僕僕先生/仁木英之

本と旅とそれから

僕僕先生/仁木英之

へんてこなタイトルですね。それで目をとめたんですけど。
へー、日本ファンタジーノベル大賞受賞作でしたか。
森見さんの「太陽の塔」や畠中さんの「しゃばけ」(こちらは大賞ではなく優秀賞ですが)が獲った賞ですねぇ。今、HPを見てきたんですけど、そーか、第1回大賞受賞作は酒見賢一さんの「後宮小説」だったのか。あれって・・・銀河ちゃんの出てくるやつでしたよね、確か(なにせ大昔のこととて・・・)。

およっ、選考委員に萩尾望都さんが入っている!スバラシイ。
「僕僕先生」

僕僕先生/仁木英之(新潮社)

数年前の大賞受賞作ということで、すでに何冊かシリーズ本が出ているのですね。
面白かったから読もうと思います。
「後宮小説」もそうでしたが、ときどきこうした中国モノFTで楽しいのがありますねー。
ちょこっと杜子春。

「しゃばけ」っぽくもあり、「家守綺譚」っぽくもある。
共通項は、のんびりゆるゆる・・・。いいわ~~。

ひたすらぐーたらし、周囲の白い目も何のその、ものぐさ道を邁進する王弁クン。
なんちゅー素晴らしいキャラクターでしょう!
頑張れ弁クン!どこまでもものぐさの道を究めるのじゃ!ものぐさ求道者たれ!
・・・と、心の中でエールを送りながら読んでいたというのに、最後には働きモノになってしまいおって。
この裏切りモノめ。

しかし彼、ふらふらと落ち着かぬ人物のようでいて、なんかこう、強い風をもさらりと受け流す柳の枝のごときしなやかさ、柔軟さを持った若者ですね。
僕僕先生に振り回されているようで、実はそうでもないみたいな。すべていい意味で、プライドの高さがさほどでもなく、諦めがよく、マイペースなのが幸いしてるのかな。

でまたこの、僕僕先生のすっとぼけぶりも良くって♪
少女の姿をした(変幻自在で、年寄にも中年にも化けますが)仙人という設定で、王弁の目には可愛らしい女の子に映ってるのですが、読み手――というか、私には、可愛らしい男の子にも見える。
言葉遣いが男の子ですし。一人称が「ボク」なので。

仙人としての腕(?)も優れているらしく、大抵の困難は、困難とも思わず軽々クリアします。
そうしておそらくは何千年も生きてきたであろう彼女(という代名詞に少々違和感)が、なぜか物語の時代、中国・唐は玄宗皇帝の時代に至って、この当初「歩くものぐさ」のようだった王弁クンに心をとめるわけです。
ある意味、逆シンデレラ・ストーリーでもあるでしょうかね。

そうして始まる二人の珍道中、そこにお役人やら仙人やら異国の民やら入り混じって――というあたりの雰囲気は「しゃばけ」の妖たちの跋扈するお江戸にも通じる世界を感じさせます。
「しゃばけ」より固有名詞の漢字が難しいのが難といえば難ですが、これも中国モノには共通のこと。

とにかく、主人公の二人が可愛いんですよ。
結局はそこでしょうか。

webcitron01.gif


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tag: 仁木英之 僕僕先生シリーズ 
  1. 2011/08/30(火) 22:30:00|
  2. 2011
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「僕僕先生」

僕僕先生仁木 英之 / 新潮社 14/100 「しゃばけ」ちっくな可愛らしい表紙にひかれて読んでみました。 と思ったら、やっぱりそうだったか。日本ファンタジーノベル大賞受賞作。 地方官僚の父が財産家であるために、まったく働く意欲のない青年、王弁。 これが美少...
  1. 2011/08/31(水) 16:10:43 |
  2. おうちしごと日報

コメント

おほー!僕僕先生!!
私もこのシリーズ大好きなんです。
表紙も含めてしゃばけっぽいですよね~
おはなし的にはシリーズの2冊目、3冊目の方が私は好きなので、
ぜひぜひ続きも読んでみてください。
私は家に化ける狸(第狸奴、でしたっけ?あれ?字が違うような気が…)
がすごい可愛くて便利で、欲しいと思いました。
早く最新刊が図書館から回ってこないかなーー
  1. 2011/08/31(水) 06:46:42 |
  2. URL |
  3. yurinippo #mQop/nM.
  4. [ 編集 ]

yuriさん、

はーい、2冊目も借りてきました~^^。
今読んでいるのが終わったら取り掛かれると思います。
図書館に予約を入れている本って、ずい分長々と待たされたあげく、「なぜ?!」と思うくらいまとまって回ってくることがありますよねぇ。
8月末以降その状態で、おかげで仕事に出かける時まで、でっかい単行本をカバンに入れております。うぅ。
しゃばけの最新刊も、予約待ちの順番が近くなってきているので、それが回って来るまえに「薄妃の恋」読みたいです。
  1. 2011/09/01(木) 22:40:46 |
  2. URL |
  3. lazyMiki #Dud4.962
  4. [ 編集 ]

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