本と旅とそれから 真夏の方程式、予知夢/東野圭吾

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真夏の方程式、予知夢/東野圭吾

「真夏の方程式」は、ガリレオシリーズ最新刊。
大変面白かったです――が、どうして面白かったかを出来るだけ客観的に自己分析してみると、うーむ、これはやっぱり・・・福山雅治さんだからですか?湯川学センセが?
もう今さら、佐野史郎さんでビジュアライズしようとしても無理ってものです。

で、小説を読みながら、すべてのセリフは福山さんの声で頭の中に聞こえるし、それを口にしている時の福山=湯川の映像も頭の中に浮かぶし。ついでに、草薙刑事は北村一輝さんだし。

・・・そのキャスティングでTVを見ているようなのが楽しいのかも――もしかすると。
「真夏の方程式」「予知夢」

真夏の方程式(文藝春秋)、
予知夢(文春文庫)/東野圭吾


「予知夢」の方は、「容疑者Xの献身」で、ガリレオ先生が長編で活躍し始める前の、短編集形式です。これ、以前から友人に借りてあったのを、今回まさに「ついでに」読んだのですが、面白かったです。
・・・てか、早く返却しなさいよって^^;。


「予知夢」の段階では、本当は湯川センセはまだ佐野史郎さんだったのだと思いますが(作者のもともとのイメージということらしいです)、「シートをいっぱいに倒し、長い脚を組んでいる。アルマーニの黒いシャツを着て、黒いサングラスをかけていた。どこから見ても物理学者には見えない」などという一節を読みまして、それを福山雅治さんでビジュアライズしますと、もー、思いっきり似合いますんじゃございませんこと(言うまでもなく、アルマーニのシャツなんてわからんケド)?

私は音楽てものをほとんど聞きませんし、連続モノのTVドラマもあんまり見る方ではないので、福山雅治さんについても、ミュージシャンとしてはほとんど知らず、このガリレオシリーズと去年の大河の「龍馬伝」と、いくつかのテレビCMしか知らないんです。
北村一輝さんだって、基本、上杉景勝だ。

坂本龍馬と上杉景勝のホームズ&ワトスン・コンビ。
・・・てあたりが、このシリーズを読みながらワタシの頭の中に展開している映像です(貧しいかも)。

それにしても、「予知夢」の方を後から読んで「そーいえばそんな性格設定だったわね」と思い出したのですが、湯川センセは子供が苦手だったんでしょー。
その割に、「真夏」では、主要登場人物のひとりの少年にかなり入れ込むんですよね。すすんで夏休みの宿題の手助けをしてやったり。自らのケータイを犠牲にしてまで、少年に美しい海と理科の実験を見せてやろうと頑張ったり。それ以上もあります。

ラストで少年との別れ際に告げる言葉なんて、大学の教授(「準」がついてましたっけ?)もやっぱり教育者であることに変わりはないわねー、って思えます。しみじみしちゃう。
まあ、湯川センセが教育者だからどうってわけではありませんが・・・。

物語の展開はかなり地味です。思えば、ガリレオシリーズは常に地味な展開ですね。
なのに大変楽しい本読み体験ができるのは・・・うーん、やっぱりTVと連動してるからなのでしょうか?
ミステリーとして謎解きがどうとは特に思わないし、「容疑者X」などと比べれば、人間の物語もさほど描かれているわけではないのですが。

あえて言うなら、ひと夏のガリレオ先生(という呼び名は「真夏」の方にはもはや出てこないのですが)と少年の海辺の夏休みというのが、何となく微笑ましい。湯川センセを「はかせ」と呼んで、何かと寄って来る少年。その理科嫌いの少年を「あんな偏屈な子も珍しい」などと言いつつも、遠ざけることもなく、それどころかせっせと算数の問題集を手伝ってやる湯川センセ。
なんか、擬似親子のような。

「相棒」の右京サンをずっと見ていると、彼のどうしようもなく融通のきかない「警察官としての正義」にしょっちゅう疑問を感じるのですが、その辺が湯川センセだと大変柔軟で、ホッとします。民間人っていいわね。これが桜井京介ほど警察嫌いになるとこれまたちょっと反感がわくのですが・・・。

ガリレオシリーズの長編は、ミステリーのくせにミステリー的な面以外の方が面白いように思います。
今回は湯川センセと少年、というのが私には一番興味深かったのですが、殺人がらみの部分では、何となく、「砂の器」だな~と思いました(たまたま今TVでやってますが)。特に動機のとこ。
悲しいというかやるせないというか――人の善意がなぜこんな呪わしい結果を引き起こしてしまうのか。

読み終わってしまいたくないよ、と思う数時間でした。


webcitron01.gif


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tag: 東野圭吾 ガリレオシリーズ 
  1. 2011/09/11(日) 22:30:00|
  2. 2011
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おぉぉ、最新刊読まれたんですね。
予知夢はだいぶ前に読みましたが、面白かったです。
ガリレオシリーズはどんどんストーリーに引き込まれていきますね。
これも早く読まなければ^^
そういや万城目さんの新しいやつも読みたいなと思いつつ
なかなか読書の秋に突入しません(笑)
  1. 2011/09/13(火) 22:03:00 |
  2. URL |
  3. ばなな #R9FelWv2
  4. [ 編集 ]

ばななさん、

東野作品は、ごくごく初期の作品数冊とこのガリレオ、あとはほんのぱらぱらしか読んだことがないんですよね。
何しろ筆の速い作家さんですので・・・。
「真夏」は、比較的淡々と物語が進んで行くんだけど、何だかすごく面白かったです。

「しゅららぼん」は、先日よーやく予約待ち順番が20をきりました。
4冊だか複本があるはずだのに、なぜかなかなか待ち順が減りません。
ばななさんはスポーツの秋ですかね――ちゅか、ばななさんは「食欲とスポーツの春夏秋冬」か~~?^0^
  1. 2011/09/15(木) 21:10:50 |
  2. URL |
  3. lazyMiki #Dud4.962
  4. [ 編集 ]

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