本と旅とそれから 仏果を得ず/三浦しをん

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仏果を得ず/三浦しをん

おもしろいーーーっ!!(≧∇≦)ノ彡

おかげで1回電車を乗り過ごし、その翌日危うく続けて同じことをするところでした(寸前で気づきましたが)。もー、ほんっと面白かった。読み終えてしまったことが残念で残念でたまりません。

ちなみに、私にとってはこれが三浦しをん作品第1作。
三浦さんについては、直木賞を取った「まほろ駅前多田便利軒」について、あまり力の入った称賛を聞いたことがなかったもので、これまでさほど気をひかれていなかったのですが・・・うぅ、なんとなんと。
「仏果を得ず」

仏果を得ず/三浦しをん(双葉文庫)

このマンガちっくな表紙が楽しそうだったので何となく借りてみたんですが、もう冒頭から文楽ワールドにどっぷり。
文楽の「語り」手である大夫と、芸を極める上でその太夫とは深い絆で結ばれる三味線(弾き)。主人公の若手太夫の健(たける)が、師匠命令で腕はいいが変人と噂される三味線・兎一郎(といちろう)と組むことになったところから物語が始まります。

まず第一に、私がこの文楽という古典芸能について何ひとつ知らないということをあらためて認識して、大変恥じ入りました。
文楽って、大阪発祥の芸能だったんですね。

メインキャラの大半は大阪弁。主人公・健はもともと関東の人間ですが、作中では基本的に大阪弁を喋ります。あわてると関東弁に戻ってしまい師匠に怒られたりします。これもいいんですよね。関西弁が正確に使えたらいいのになぁ。私はしょっちゅう関西弁アクセントが混じる喋りをする関東モノですが、これは関西弁ネイティブの方々の耳には、「気持ち悪い」半端さであろうことうけあい。

健と組むことになる三味線・兎一郎は、健より先輩に当たるので、健は「兎一兄さん」と呼ぶわけですが、この伝統芸能世界における、先輩を「兄さん」と呼ぶ習わしも、なんかいい感じ。
歌舞伎役者さんたちがインタビューなどでそう話すのを聞いても、これまでは別に何とも思わなかったのですが・・・。

で、この兎一郎は関東モノで、小説のメインキャラの中ではほとんど唯一、関東弁で通します。
これがまたいいのよ。彼のキャラと合っているのですね。
大阪弁で喋る他の登場人物たちが、真剣な時も懸命な時もどこか余裕を感じさせて丸いのに比べ、この兎一郎はいつもどこか緊張していて鋭い。それでも、やっぱり真顔でボケたこと言ってのけたりもするのですが。

もひとりスゴくよいのが、健の師匠・銀大夫。
何かというと健のことを扇子でペシペシたたき、「三千世界に比類なきヘタクソ。やめてまえ」と罵り、健康のために控えるようにと言われている菓子を盗み食いし、赤坂の若いアケミちゃんといちゃいちゃして弟子たちをハラハラさせる(おかみさんが怖いから)ようなしょーむないおじいちゃんですが、これが人間国宝。

直前まではどんだけ不真面目やねんって様子でいても、いざというその時の凄さは、とにかく恰好いい。
ふだんのいい加減ぶりをどれだけ目にしていても、弟子たちに「やっぱりこの人の弟子でいたい」と思わせる、その芸の見事さ。

その銀大夫と文楽界において双璧を成すもうひとりの人間国宝の言葉が印象的でした。
「残念なことに、何十年やっても下手なもんは下手や。文楽は才能と実力の世界や。才能のあるもんに熱心に努力されたら、のんべんだらりと年月を重ねただけのもんは、かないようがないわな」
彼は自らについてこの言葉を言って若い健を驚かせるのですが、明るい物語の中にも、こうした厳しさみたいなものがあちこちに覗きます。

いやもう、あそこのシーンがよかった、こんな点が気に入ったと話し始めたら、まだまだ延々続けられるんですが・・・。きりがありません。

来年あたり、いっぺんぐらいナマの文楽を見に行きたいな、と強く思いました。
ほんっと、魅力的な1冊でした。三浦しをんさん、また読もう!


webcitron01.gif


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  1. 2011/12/25(日) 22:30:02|
  2. 2011
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