本と旅とそれから 夢のような幸福/三浦しをん

本と旅とそれから

夢のような幸福/三浦しをん

ここのところ、三浦しをんさんの本にはホントに「助けられた」という実感があります。
本書と、この次に感想文を書こうと思っている「風が強く吹いている」には、楽しい本読み体験をさせてもらったということよりはるかに大きなものをもらったと思うんです。

・・・ははは。
本書などは、お気楽な三浦さんの日常(どの程度事実に準拠したものかは不明ですが)を綴っただけとも言えるんでしょうけどね~。
「夢のような幸福」

夢のような幸福/三浦しをん(新潮文庫)

本書は、ちょっと前に読んで、あまりに笑えて困った「人生激場」よりは後に出版された三浦さんの短編エッセイ集です。

朝、少し早めに仕事場の近くまで行き、コーヒーを飲みながら2編ほど本書のエッセイを読んでから仕事に行く、ということを何日か繰り返しました。


なんだか緊張する仕事だったんですよね。
自分を信頼しきれないことからくる緊張――ということなんでしょうけど、原因分析はともかく、とにかく何か自分をリラックスさせる方法はないか、ときょろきょろした結果見つけた(というか、それぐらいしかなかった)のが、この、「朝コーヒー&三浦しをんさんエッセイ」でした。

相変わらず笑わせてくれるんです、これ。
といっても、「人生激場」よりはお行儀よくなっている感じなんですけどね――あ、というよりは、汚い(トイレ系?)話からヘンな(人には言いにくい?)話に焦点が移ったとでも言いましょうか。何かを食べながら読むには本書の方がよいかもっていうか・・・。

三浦さんも、いろいろミョーな趣味があるんじゃなぁ。
・・・たぶん人間誰でも、人にはちょっと言いにくい趣味・嗜好ってもんがいろいろ(てほどはない?)あるかと思うんですけどね。で、ふつうは人には言わずにおくんだと思うんですけどね。
それを堂々と公にしてしまえば、あるいはそれで新たな世界が開けて、同好の志なんかも見つかって楽しくやれるのかも知れないのですが、多くの人にとって――かどうかは不明なので、少なくとも私について言えば、そこにはどうにも越えがたい壁があるのでした。

三浦さんはとんでもなくたくさん漫画をお読みになるらしい。
著述業の方なので、本をたくさん読まれるというのは何の不思議もありませんし、そこに漫画が含まれてもさほど意外ではないのですが、なんかその漫画の数がハンパじゃなさそうです。
しかもそこには「ボーイズ・ラブ」というジャンルの作品が結構多数含まれているらしい。

人の趣味はそれぞれですから別によいのです。
・・・そう。本書については、「人生激場」ほどガハハハと笑わされることはなくて(でも笑うところもいっぱいあるんですが)、「すごいね~、よくやるなぁ、こんなコト」と、感心(時に呆れ)させられることが多かったと言えるかも知れません。

三浦さんが熱をあげる映画や本の一部は、私も見たり読んだり好きだったりもするのですが、のめり込み方でははるかに三浦さんに及びません。
「ロード・オブ・ザ・リング」では、アラゴルンよりレゴラスの方が好きだったしサ。
(三浦さんと一緒にこの映画を見に行った三浦さんのお母様が、見事に娘の好みを見抜き、「あんたあの人好きでしょ。ええと、アラレゴン」とのたまったくだりでは、電車の中で「ぶっっ!」と吹いてしまったのだった・・・。)

ああホント、よくもここまでお書きになれるものです。
いや、素晴らしい筆力だというハナシではなく、その、自らの恥をよくここまで、ということ。
巻末解説で作家の林望氏が、実際の三浦さんは魅力的で温雅な女性なんだと書いておられるのですが、そんなことはどーでもいいじゃないですか。だってホンモノの三浦さんになんて会えないんだし。
グンゼのパンツをはいた上からビキニの水着を試着して、付添の友人と一緒に鏡の前で凍りつく――っていう三浦さんをそのまま想像して、ただ単純にぶふふふっと笑わせといて下さい。

その笑いに助けられた数日があったのでした。いやはや、ありがたや~。


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  1. 2012/02/23(木) 22:30:01|
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