本と旅とそれから ロマンス小説の七日間/三浦しをん

本と旅とそれから

ロマンス小説の七日間/三浦しをん

楽しんで読んだとは言えると思うのですが、これまでに読んだ三浦しをん作品と比べると、インパクトの点でちょっと弱いかな、というのが正直なところ。

「きみはポラリス」も、他の三浦さん作品との比較ではちょっとだけ落ちる気がしたのですが、もしかしてこの2冊の共通点は恋愛小説であるということかも。
どちらの小説(「ポラリス」は短編集ですが)に描かれた恋愛も、独特の雰囲気を持った、一風変わった恋愛です。
「ロマンス小説の七日間」

ロマンス小説の七日間/三浦しをん(角川文庫)

主人公の女性の職業は翻訳家。
しかもどうやら、ハーレクインロマンスを中心に訳しているようです。

・・・はは、ハーレクインロマンス。
世に出始めた頃は、ずいぶん話題になりましたよねぇ。あれっていつのことだったかしら。書店でも、ハーレクインのコーナーは結構目立つところに設置されていたように思います。

私も、何冊か借りて読んだ(ん?あの頃はあまり図書館を利用していなかったと思うんだけど・・・一体誰から借りたんだったか)ことあります。すぐに飽きちゃったけど。だってあまりにワンパターンなんだもん。

小説の中にも書かれているような話を、翻訳を生業にしている人から私も聞いた覚えがあります。
いわく、ハーレクインは本の体裁を統一しなければならないから、出来上がりのページ数等があらかじめ決められていて、翻訳の仕上がりをそれに合わせなければならないとか。

小説には出てこないけど、短期間に翻訳を仕上げるために前半と後半を別の翻訳者に依頼したために、途中で登場人物の名前(カタカナ表記ってことだと思いますが)が変わってるだとか、どの作品もまったく同じようなパターンをふんでいるので、どの本でも何ページ目かを開けば、設定は違っても同じような物語展開が読める、とか、とにかくハーレクインって変わってるらしいですねー。
今でもそうなのかしら。てか、今でもハーレクインってあるのかしら。

それにしても、いくら何でもこの小説の主人公のようなことをする翻訳者がいるはずないっしょー。
ここまで創作意欲に満ちた人は、たぶん翻訳やってないだろうと思うのですよ。
・・・主人公は、原作の展開に不満を募らせたあげく、大半を自前で創作してしまうというんです。
趣味で翻訳やってみたってハナシなら別ですが、締切をかかえたプロの翻訳者なら、そもそもそんなことやってる時間的余裕があるわけないです。
まあだから、フィクションなんですが。

主人公と恋人の恋愛模様よりも、主人公の翻訳者としての行動がちょっと感情移入を妨げた感じです。
締切までの日数がないっていうのに、のんびり恋敵(なのではないかと疑われる女の子)と散歩しながら話を聞いてやるとか、その女の子の引っ越しの手伝いに出掛けたりとか、ありえないよー。
いや、それは私が小心者だからそう思うってだけなんでしょうか。世の中には、どんな時にも余裕をたたえ、気晴らしを実行する人というのがいるのですかねぇ。

うちの図書館にはハーレクインの蔵書ってあるのかしら。
今度ちょっと探してみよう。けけけ。


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