本と旅とそれから 秘密の花園/三浦しをん

本と旅とそれから

秘密の花園/三浦しをん

本書で、昨年終盤から読み始めた三浦しをんさんの本も11冊目となりました(今、数えました)。
んー、まだ飽きません。
「風が強く吹いている」みたいな大いなる感動がまだあるのではと思うと、まだやめられません♪
「秘密の花園」

秘密の花園/三浦しをん(新潮文庫)

とはいうものの、本書はさほど私にとっては感情移入できたとは言えない1冊でした。
秘密の花園、すなわち女子高を舞台に、クラスメートの3人の少女たちの心情を描いた連続中篇集(というのでしょうか)なのですが。

何となく、のイメージですが、女性を主人公にした時と男性を主人公にした時では、三浦さん作品の雰囲気はかなり違うように思います。


もしかして、三浦さんは男性を主人公にした小説を書くことの方をより楽しんでおられるんじゃないのかなー。「風が強く」や「仏果」や「まほろ駅前」など、私がすごーーく楽しませてもらった作品は、いずれも男性が主人公。

ご自分が男性でないから、むしろのびのびと人物を創作されているような気がするんです。

「ロマンス小説」の女性主人公は比較的のびのびしてたと思うけど、彼女以上に彼女の恋人・神名クンの方が魅力的だった気もするし。

「秘密の花園」の3人の少女たちは、たぶん、よく見る表現を使うならば「瑞々しい」、ちょっとネガティブに言うならば「青い」と形容できそうなキャラクターたち。
・・・て、高校生が「青い」のは、まあ当たり前みたいなものですが。
本書に限らず、高校生女子が主人公の小説というと、この夏草をむしり取った時みたいな(イメージですが)青さ、あるいは瑞々しさがお約束、という、私の方での思い込みもあります。

でもって、これまたパターンとして、「アタシの高校時代はどうだったかしら」などと振り返るわけですが、年々この振り返る先が遠くなるものですから、実際に自分が体験したことを思い出すというより、はるか昔に読んだ本の内容を思い出そうとしているような感覚になるんです。

私も高校は女子高だったから、この何とも独特な世界(振り返ると自分ですらそう思う)の独特な人間関係が何となくわかります。多くの少女の中には、ホントに際立って光る存在がいたものです。もうその子とは何十年も会っていませんが、今でも思い出の中ではその子の存在は輝いていて、この先一生その子を忘れることはないと断言できるし・・・。

高校生の頃って、年齢的にも本当に微妙ですよね。あの頃に覚えたことや受けた印象は、他の年齢の頃の記憶より、今でも残っている確率がとっても高い――ような気がします、たぶん。
割と最近まで、あの頃が自分の人生で一番楽しかった時期じゃないかと思ったりしました。
最近は、そうしたことを考えること自体、ほとんどしなくなってますね^^;。

ここに描かれる3人の少女たちって、何だか象徴派の絵みたい。特に、翠(すい)。
透明感があって何となく冷たい感じで、謎めいていて非現実的。眺めるのは大変好きなのですが、たとえば「癒し」とか「安らぎ」を欲している時にはあまり求めない。
綺麗な絵だな、よく描けているな、と、とても感心するけれど、手放しで「好きな絵」と呼ぶことはちょっとためらってしまう(いや、かなり好きなんですけどね、象徴派)。

いまひとつどうも、三浦さんの描く、女性の観点からの恋愛話は、私にはインパクトが弱い感じです。


webcitron01.gif


My Favorite Books(お気に入りの本のブクログ)
BOOKS INDEX(作家別感想文一覧)

関連記事
tag: 三浦しをん 
  1. 2012/03/08(木) 22:30:00|
  2. 2012
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

トラックバック

トラックバック URL
http://lazymiki.blog110.fc2.com/tb.php/1401-24f1eacb
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する