本と旅とそれから 極め道/三浦しをん

本と旅とそれから

極め道/三浦しをん

光文社からこの本が出たのは比較的最近なのですが、もともとの出版は2000年、収録されたエッセイは98年からの連載ということで、三浦さんのエッセイ集の第1冊目らしいです。
1976年生まれの三浦さんが、いまだ大学生の頃から書いておられた文章ってことですね。

正直なところ、三浦さんの初期のエッセイにはさして興味があったわけではなく、たまたま図書館の棚にあったのを借りて来てみたらそうした本だったのでした。
「極め道」

極め道/三浦しをん(光文社文庫)

副題に「爆裂エッセイ」と。
そうだろうとは思ってましたが、この方のエッセイは、最初っからこうだったのですね。はは。
正直なところ、最初のうちは「後のエッセイの方が完成度が高いナ!」などと、少々不遜な目でさっさか読んでおりましたが、そのうち「ここから後の三浦しをんが発展していくのであるな」と納得。


人気芸人さんのブレイク前の話、などというのをたまにトーク番組などで耳にすると、当時いかに貧しいどん底生活をおくっていたかを語っておられたりしますが、この三浦さんのエッセイ第1冊目には、それに近い、緊縮財政下の生活が垣間見られます。

この頃から凄まじいマンガ読み、ボーイズラブ愛好家(これだけはついてゆけませぬが)、ついでにヘビースモーカー(これもダメだ)でおられたらしい三浦さんですが、マンガは古本屋に並ぶのを粘って待って買っておられるし、一時期は国民年金が払えずに滞納しておられたとか。
後に、直木賞を取って人気作家の仲間入りする日が来ようとは、夢には見ておられただろうけれど、人には語れなかったであろう頃のお話です。

後の(といってもせいぜい7、8年後ぐらいまでですが)エッセイと比べると、文体というか口調が少々若者(大学生)っぽいし、やっぱり後の文章の方が、口調もざっくばらんではあるものの、洗練されているような気がします。

でも、この方のエッセイをついつい何冊も読んでしまう理由というか、そうさせる要素みたいなものは、すでにこの一番最初の一冊にも十分つまっているのだなあとわかります。
――赤裸々と言いましょうか。気取らない、いや、見栄を張らないというんですかね。
これってなかなかできないことですよ!女性は特に難しい、と思ったけど、いやいや、きっと男性は男性なりに、ここまで見栄を捨てて自らについて書くってことは簡単ではないと思います。

つねに、彼女のエッセイに書かれている三浦さんご自身についての話がどこまで本当なのかっていう疑問はあるんですが、まあ多少の演出はあるにしても、8割方ホントのことなんじゃないのかなぁ。
だからこそ、大いに笑える一方で共感も呼ぶんじゃないかと。

ホモ小説&マンガを大いに愛読しているとか、見知らぬ人にブス呼ばわりされたとか、下〇だとか〇秘だとか、こうした具体例についてならば、「女性ならなおさらこうした事柄について、不特定多数に対して書きにくい」と言えるでしょう。どこで誰が読んでるかわかりゃしないし、名前が知られてくればくるほど、後々長く残ることになるんだし。

でも、そこでこの精神的な障害物(?)を乗り越えて、軽快な(あるいは爆発的な)笑いと共にそうした話を書いてしまう、それが三浦しをんエッセイの大きな特徴にして魅力でもあるんじゃないですかねー。

などと思いつつ、今度は比較的最近の三浦さんのエッセイを、またしても図書館から借りてきたワタシなのでした。よむよむ。


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  1. 2012/03/19(月) 22:30:01|
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