本と旅とそれから f植物園の巣穴/梨木香歩

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f植物園の巣穴/梨木香歩

図書館から借りた本ではあるのですが――で、三浦しをんさんなどは、「月魚」の中で、本は図書館に収められれば死んでしまう(箱は捨てられ、フィルムをかけられ・・・というようなわけで)とまで書かれているのですが――なんだか素敵な、いかにも梨木さんらしい雰囲気の本です。

別に「f」じゃなくたって、何か適当な名前を付ければよさそうなものを、「いったいこの『f』は、どんな名前を隠しているんだろう」と思わせるような、タイトルからして不思議な感じでもあります。
「f植物園の巣穴」


f植物園の巣穴/梨木香歩(朝日新聞出版)

梨木さんの本、ちょっと久しぶりでした。
特に背景の説明があるわけでもなくいきなり「歯痛」の話から始まるのですが、時代がいつなのか、場所がどこなのかもよくわからず、何となく古い感じ「戦後すぐ、ぐらいかな?」、場所は・・・「うーん、東京郊外、ぐらいかなぁ・・・」と、読み始めました。


いったいこれは何なのか。
幻覚の中?夢の中?あるいはこれはナンセンス小説なのか?
話の筋がどうにも追えない。ちょっと何かあって本を置いて、少ししてまた読み始めると、それだけで状況がよくわからなくなる・・・リテンション、ちゅか、記憶に留めにくいんですね。予測のつくようなストーリー展開になっていないので。

なので、実はちょっと入り込めない感覚がありました。
ナンセンス小説ではない、というのはやがてわかるんですが。

ちょっと、「千と千尋の神隠し」みたいでもありました。
失われた、あるいは封じ込められた昔の記憶を、そうとは知らずに追い求め、やがてそれが明らかになることで、記憶の持ち主も解き放たれていく、というところが。

で、千が迷い込んだ世界が何とも不思議な場所であったと同じく、この物語で主人公が迷い込む植物園の巣穴の中に広がる世界も、懐かしいような、混沌としているような、簡単には描写できない場所なのでした。

ちょこっとアイルランド妖精譚が絡んでくるあたりが、イギリスと縁の深い梨木さんらしい。
日本を舞台にしていても、どこかヨーロッパの、冷んやりと爽やかな、時に冷たい空気が感じられ、それが独特な雰囲気を生んでいるんですね。

そんなあたりを楽しみつつ、まあさらっと読んだ、という1冊でした。


webcitron01.gif


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