本と旅とそれから 神去なあなあ日常/三浦しをん

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神去なあなあ日常/三浦しをん

楽しい~。で、今どきふうに言えば、癒されます~~。
都会から地方に移り住んだり、農業を志したりする人の数はかなりのものだと聞きますが、そうした人々や、実際にそうはできなくてもそれに憧れる人々が望むものが、この小説に描かれていると思います。

物語に描かれるのは農業ではなくて林業で、どうやら林業は農業よりワイルドだったりスリリングだったりするようですが。
「神去なあなあ日常」

神去なあなあ日常/三浦しをん(徳間書店)

高校を卒業したらフリーターになろうと思っていた主人公は、周囲の陰謀(?)で、なぜか林業に従事することとなり、大都会・横浜からいきなりケータイの電波も届かぬ神去村なる山村に放り込まれるのでした。

その彼の、しっちゃかめっちゃかな初めの1年の物語。


ところで、私自身と「林業」って、何か接点あるかしら。
いや、「接点」なんて立派なものじゃなくても・・・すれ違った経験、ぐらいでも?

と考えると、意外にパッと浮かんだことがありました。
・・・大したことぢゃないけども~。

去年秋に、紅葉を見に行ってほとんどハズしてしまった奈良県・吉野山。
奥千本をひとりてくてく歩いていたら、伐倒されたスギの木で斜面すべてが覆われていて、その光景がかなり印象的でした。あのくらいの山を「高い山」とか「山奥」と形容できるのかどうかわからないのですが、私自身の感覚では、「結構山奥じゃない?」でした。

・・・あーでも・・・あらためて今振り返ると、マイクロバスが走れるぐらいの道がかなり上まで通ってるし、観光客がハイキングですぐ近くを歩いてるぐらいだから、少なくとも神去村とは比べものにならないかしら・・・。

でもね。切り倒したスギの木って、言うまでもなく大きい。
整備された道はもちろん楽に歩けるけれど、その両側は、木がたくさん生えてあまり先まで見通せないような斜面になっていて、林業の人たち(というんでしょうか、呼称がわかりません^^;)はそんな場所で木を切るんでしょ。私が訪れたとき、たまたますれ違った方は、かなり高齢の男性でした。

あれを、倍ぐらい、3倍ぐらいハードにしたら、神去村な感じかな・・・。
神去村は三重県という設定だから、奈良県の吉野山とそんなに遠くないしね。

林業はでも、危ない仕事満載の産業でもあります。
チェーンソーなんて、あたしゃ見るだけで(数えるほどしか見たことないけど)怖いです。
結構、刃物を怖がるタイプの人間なのです、ワタクシ。
倒れてくる木の下敷きになったら死ぬし。山火事だって起きる。

で、最後の村の大祭もすごい。
諏訪の御柱祭をこれまた何倍かしたようなすごい祭りです。主人公も危うく死ぬところでした。
その危機一髪の際に主人公(とその仲間)が発する叫びが笑えてしまうけれど。

フリーターでよかったはずの、ゆる~い主人公をいつの間にか魅了してしまう山村の暮らし。
それはつまり、自然の輝きと、そのまっただ中で営まれる素朴な人間の生活ということなのですが。

ロケーションからいっても否応なく、かなり閉鎖的なコミュニティである神去村。
閉鎖的というのは、別の見方をすれば非常に結びつきが強いということでもあり、林業という産業にはそうした仲間同士の強い結びつきは不可欠なんですね。
そうした結びつきの内側に居場所を見つけることができるなら、その暮らしはある意味パラダイスかも。主人公は、都会では半端者になっていたかも知れないけれど、神去村にその居場所を見つけることで、ほとんど生まれ直しと言ってもよいほどの人生の転換を経験することになるのでした。

でも、その様子を描く三浦さんの筆はのんびりしていて、ホントに読んでいて楽しかった♪


webcitron01.gif


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tag: 三浦しをん 
  1. 2012/05/28(月) 22:00:01|
  2. 2012
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コメント

そっか~。
三浦しをんさんって、かなり多様な作品を書く作家さんなんだねえ。

吉野村もかなり遠いけど、三重県とか奈良県とか和歌山県の険しい山奥って、アクセスも悪いし本当に本当にタイトなコミュニティーなんだと思うよ。

大学のゼミでマタギも勉強したはずなのに、林業や村落社会と聞いても、当時何も学んだはずのことが一切思い出せないのが情けない思いでいっぱいだ!
  1. 2012/06/05(火) 22:08:44 |
  2. URL |
  3. しの #2nAugjbc
  4. [ 編集 ]

しのちゃん、

マタギってあの、クマ撃ち?
大学で学んだって、いったいどのような文脈で・・・?
しのちゃんって大学で何を専攻したんだ!
卒論のテーマがもしかして「マタギとイヨマンテ、失われゆく日本におけるクマを巡る文化」とかか?!(創作してみました。)

しのちゃんは相変わらず奥深いものを持っておるのぅ。
今度じっくり聞かせてくれろ。
  1. 2012/06/07(木) 00:01:27 |
  2. URL |
  3. lazyMiki #Dud4.962
  4. [ 編集 ]

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