本と旅とそれから 白いへび眠る島/三浦しをん

本と旅とそれから

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
tag: 
  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告

白いへび眠る島/三浦しをん

これの前に読んだ三浦さんの小説「光」が、あまりにもオソロシき話だったため、何だか三浦さんのシリアスものを読むのが怖いんでございます。
この「白いへび眠る島」、どういった内容なのか知らず、三浦しをん全著作読破を目指してとりあえず借りてきた1冊だったため、また、どごーんと重い話だったらどうしよう!と心配しましたが――。

よかった。これは・・・これは楽しいファンタジーでした♪
「白いへび眠る島」

白いへび眠る島/三浦しをん(角川文庫)

少年とその親友や仲間たちが活躍する、ひと夏の冒険FT。
やっぱ、夏は冒険物語には最高の季節ですね。
で、夏休みというと日本はお盆があって、それはこの世とあの世が一年で一番近づくとき。この世ならぬものが、半ば当然のようにこの世に姿を見せるときなわけです。
わくわく。


舞台となるのは、拝島という、古い伝統の色濃く残る島。
「拝島」なんていうと、西武線沿線在住の私には「はいじま」なんですが、こちらは「おがみじま」。なんかこう、伝奇っぽい響きたっぷりです。

古い伝統が残る、というといい感じですが、それは旧弊な因習が残っているということでもあります。
一家の長男は島に残って家とコミュニティを守っていかねばならない、二男以下は島に残ってはならない、なんていう暗黙のルールみたいなものがあります。
主人公の少年・悟史は長男ですが、敢えて島外の高校に通うことを選んでいます。
それが、お盆で帰省してきます。

その彼を待つのが、悟史の「持念兄弟」である光市。
持念兄弟というのがまたこの島独特の因習で、まあいわばコミュニティ公認の、生まれながらの義兄弟みたいな存在です。持念石という、お揃いのパワーストーンみたいなものを持っています。

この持念兄弟みたいな男同士の関係を描くことが、三浦さんはひじょーにお上手だと思います。
おそらく、ボーイズラブへの造詣が深くておられることもプラスに作用しているんじゃないでしょうか。深い信頼。時に甘えたり疑ったりもするけれど、底の底には何かひとつ、決して揺るがない絆が存在する二人の少年(大人でもいいんですが)。

「仏果を得ず」の主人公と三味線の兎一郎や、「月魚」の主人公と古本屋の主・真志喜。「風が強く」の走とハイジ。「多田便利軒」の二人も、それに近いかも。
女の子二人ではちょっと無理かなと思えるような、何ともいい感じの関係が羨ましい。

島の神話にまつわる「あれ」とのみ呼ばれる何か禍々しきモノの存在は、ちょっと小野不由美さんの「屍鬼」の冒頭を思い出させる恐ろしい雰囲気をともなって描かれます。うっすら怖い。
そうそう、ちょっとクトゥルーっぽくもあるよ――海から何かがやってくる。ぶるぶるっ。

でも、三浦さんの小説は、明るく始まって途中から暗くなるってことはどうやらないようなので、まあこれはハッピーエンドになるだろうと予想しつつ読めますけど。

そのエンディングは、ちょっと呆気なかったかなという気もします。
こんな感じになるだろうなと思っていた通りに、あっさり展開して終わり。もの足りない感も、少々あったように思います。じゃあどんな風になればよかったのかと問われればわからないんですが・・・。

でもとても楽しめました。

webcitron01.gif


My Favorite Books(お気に入りの本のブクログ)
BOOKS INDEX(作家別感想文一覧)

関連記事
tag: 三浦しをん 
  1. 2012/06/30(土) 22:00:00|
  2. 2012
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

トラックバック

トラックバック URL
http://lazymiki.blog110.fc2.com/tb.php/1470-80985608
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。