本と旅とそれから 散華 紫式部の生涯/杉本苑子

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散華 紫式部の生涯/杉本苑子

文庫とはいえ、上、下巻合わせて1,000ページになる長編でした。
ここのところ、暑さにヘタっとして、電車に乗っても本を膝の上に載せたまま眠ってしまったりで、ちょっと本読みがスローになってる感じです。
検定の勉強もしてるし。何度読んでも覚えられないのは、ホント己に対して悲哀を感じます(T_T)。

「散華(上)」「散華(下)」
散華 紫式部の生涯(上)(下)/杉本苑子
(中公文庫)


本書を読むことにしたのも、あれやこれやの藤原氏に溢れた平安時代を少しでも理解したいとの気持ちから。
杉本苑子さんの作品は、はるか昔に「檀林皇后私譜」を読んで以来。ストーリーは99%忘れております。覚えているのは、あれを読

んでしばらくしてから、縁ある嵯峨野の檀林寺を訪れたところが、説明して下さったお坊さまの逞しい商魂に辟易したことぐらいかしら^^;。

しかしィ~。
日本の平安時代は、藤原氏が多すぎる。覚えられないどころか、そもそも漢字が読めない・・・。初出のときは仮名がふってありますが、現代の名前にはまず見られない読みなので、すぐに忘れてそれっきり。何と読むのかわからない名前は、すぐに判別がつかなくなり渾然一体化し、人物の見分けもつかなくなるのでした・・・。ああ。

副題通り、本書は紫式部の生涯を描いた小説です。
最初は、式部の叔母に当たる女性を中心に物語が進み、やがて紫式部のお話になります。紫式部というのは、彼女が中宮・彰子に仕えるようになってからの女房名なので、それまでは小市という名前で登場します。
紫式部という名前が出てくるのは、下巻もしばらく過ぎてからなんですよね。

同様に、和泉式部も登場しますが、この人についても、「えっ、これが和泉式部だったのか」とわかるのは、話がずい分進んでからです。
清少納言はすぐわかります。それは、彼女が清原元輔の娘だと知っていたのと、清少納言の方が紫式部よりかなり年上で、出仕するのも早かったから。

はるか昔に古典の授業で習った知識では、落ち目の皇后(中宮)・定子に仕えた清少納言は、頭はよいが鼻つまみもの、勢い盛んな中宮・彰子に仕えた紫式部は人気者ってことでした。
――まあ、本作でも、基本路線はそれです。

それにしても、平安時代、住みにくそう。
一般庶民はもちろんですが、貴族にしたって、権力争いの熾烈なこと、当事者たちは心が休まらないでしょうねぇ。藤原氏の有力者(言うまでもなく、道長とか)なんて、天皇のこともほとんど尊重してないし。花山天皇譲位のくだりなんて、なんなんだ、あの藤原氏の専横ぶりは。
それに、冷泉帝-花山帝の父子は、どちらもちょっとおつむがおかしかったのね。

しかも、京の都で火事の多いことったら。
中でも、御所の火事の頻繁なこと、読んでいてハラが立ってくるくらいです。その理由の最大のものが、火事場泥棒を狙った者による放火だというのですから・・・。
もうちょっと警備を強化しなさいよ。そうした重要事項をうっちゃっておいて権力争いに明け暮れるとは・・・どうしようもない。

が、その平安時代(中期、かな?)に、煌めく女房文学がたくさん世に出てくるわけです。
日記ものとか。物語とか。
「源氏物語」はこの頃の一大ベストセラー小説になるわけですが、紫式部の名を後世に残すことになった「源氏」について、小説中に思ったほど多くが描かれていないのは、ちょっと意外でした。
もちろん、大人気小説になったことや、そのおかげで紫式部の名声が上がり、請われて彰子に仕えることになるといった話は出てきますが、何となく、1,000ページの小説だったら、500~600ページは「源氏物語」関連の話になるような気がしてました。実際は、250ページぐらいかな。

宇治十帖は、やっぱり、本編終了後に、読者に請われて書かれた続編だったのか。
それにしても、後々になって効いてくる伏線の張り方とか、あれこれと読者の声が耳に入ってくる中で書き続けられたにもかかわらず、自分の書きたいテーマをまもり、しっかりと完結していることとか、小説家・紫式部は尊敬できます。もちろん、杉本版・紫式部ってことですけどね。

当時の人は、あれを全部手書きで写して増やしていったんだからすごいわー。


webcitron01.gif


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  1. 2012/08/11(土) 22:00:02|
  2. 2012
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コメント

うむむ。
この本は読まねば!!
むっちゃおもしろそうじゃないですかー。
最近読書も全然してないからなぁ。
興味深い作品を教えていただいてありがとうございます!
  1. 2012/08/12(日) 23:34:59 |
  2. URL |
  3. ばなな #5BHOKMt2
  4. [ 編集 ]

ばななさん、

読みながら、「ばななさんワールド~」と思ってました。
ただまあ、ご存じのように、大御所・杉本苑子さんですし、文体はものすごくオーソドックスな落ち着いたものなので、今風の軽妙洒脱さなどはないんですけどね。

暑いとなかなか落ち着いて本読めないっていうのありませんか。
涼しい所にいくと、つい寝てしまう^^;。

古典にお詳しいばななさんが読まれたら、新たな面白さが見つかりそうです。
  1. 2012/08/13(月) 23:49:38 |
  2. URL |
  3. lazyMiki #Dud4.962
  4. [ 編集 ]

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