本と旅とそれから 鬼談百景/小野不由美

本と旅とそれから

鬼談百景/小野不由美

夏なので、怪談本。
・・・と考えたのは、私ではなく、出版社、でしょうか。

いやそれにしても!
とうとう、小野不由美さんの「十二国記」が再開されるとかで、最近それを知った時は、「生きててよかった!」と、書店の店頭で感動に震えたものです。
これまでの文庫版をすべて新装版で出版し直し(このあたりが出版社のこズルい戦略まる見えで腹立たしいものの)、それに続いて新作長編が出るとか。
ああ。どこの国のお話になるのでしょうか。一番気になってたまらない、戴国のその後だったらよいのですが--泰麒と李斎には、つらく険しい道が待ち受けていること間違いなしですが、二人には何とかそれを乗り越えて、みごと泰王を救い出してもらいたいものです!
いやでも、キャラクターとして非常に興味深い氾王がどのような経緯で登極したかというようなお話も是非読んでみたいものですし・・・。
「鬼談百景」

鬼談百景/小野不由美(メディアファクトリー)

いかんいかん。毎度のことながら、十二国記のことを話し出すとエンドレスになってしまいます。

本書はもちろん、それとは何の関係もない、怪談本です。
・・・小野さんの怖い話って、「屍鬼」といい「黒祠の島」といい、ほんっと怖いですからねぇ。本書も、勇んで借りてきたものの、読むに当たってためらいがなかったこともないのでした。


いわゆる、「トイレに行けなくなったらどうしよう」というためらいですね。
昼間に読んで何ということなくても、夜中にトイレに行こうとして思い出して、読んだことを後悔する、といったような本だったらマズイなぁ・・・、などと思いまして。

まあ、読み終えて現段階では、そこまでのとてつもない怖さはなかったかな、という感想です。
幸いにして。

本書は、超短編集。収録されているのは、長くて5ページ、短ければ1ページの半分ぐらいという、非常に短いお話ばかりです。
解説的なものは何もついていないため、これらの短編が果たして小野さんの創作なのか、あるいはあちこちから聞き集めてこられたものなのかわからないのですが――一見すると後者な感じなのですが、何となく、そう見せかけておいて実は全部創作なんじゃないかなという気がします。

学校の怪談とか、亡くなる人が、その少し前に縁者に会いに来るとか、肝試しで本当に「出た」話とか、人が何人か集まれば誰かしらが語りそうな、そんな話ばかりが並んでいます。
ちょっとぞくっとくる話もあれば、別に怖くもなくて中途半端な感じがする程度の話もある。
でも、その玉石混交というか、素人話を寄せ集めたような全体の構成さえ、小野さんが意図的にそうしたんじゃないかと思えます。

小野不由美っちゅー人はすごく力がある作家さんじゃけんのぅ(どこ弁?)。

でも思えば、最近そうしたありがちな怪談話を聞く機会がないなぁ。
私自身が、怪談話はあんまり好きではないということもありますが、「開かずの理科室」みたいなものがある学校が減ってきているのかも。
ただでさえ少子化とか、学校の安全強化、なんて時代ですしね。

廃業した病院の怪談なんていうのも入ってましたが、廃業した病院といえば、ブラジルかどこかで、とある廃業した病院の跡地に放置された医療機器に放射性物質が使われていて、それと知らない付近の住民がそれを機械から取り出し、光って綺麗だからといって家に飾ったり身に付けたりして被曝した、という話を聞いたことがあります。
なんか、幽霊なんかより、そっちの方がよっぽど怖い気がします。

本の終盤に、金縛りにあう話がいくつも出てきます。前にも一度ブログに書いたことがありますが、私も比較的金縛りにあうことが多いので、「そうそう、金縛りにあうとそんな感じだよね」と共感したりしました。金縛り自体は、その、幽霊的な怖さはないんですよね。何度もなっていれば慣れも出てくるし。
ただ、金縛りになっている間に見聞きすることは、あり得ないことだとわかっていても、ものすごくリアルな感じがるんですよねぇ。腕をつかまれればその感覚があるし、上に乗られれば重い。
で、幽霊を見た怖さ(見たことないけど)とは違うんだけど、やっぱそれはそれで怖くて。

・・・同じ「人ならぬもの」の登場する話でも、「しゃばけ」とは全然趣の違う1冊でした。


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  1. 2012/09/08(土) 22:00:00|
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