本と旅とそれから 獅子の座 足利義満伝/平岩弓枝

本と旅とそれから

獅子の座 足利義満伝/平岩弓枝

あれこれと歴史を頭に詰め込もうとしても、悲しいかなこの年になるともはや、何も入っていかない。
となれば、人名や事件の仔細がビビッドに映像化されるような、物語なりドラマなりに頼るのがよいでしょう!

といったある意味下心から手に取った1冊。
ですが――平岩弓枝さんの作品であるにもかかわらず、ぐいぐい読み進む、というわけにはいかず・・・。
結構苦労して何とか読み終えました。
「獅子の座」

獅子の座 足利義満伝/平岩弓枝(文春文庫)

先日、紫式部を描いた物語を読んだときは、「平安時代は藤原が多すぎ~」と思ったものでしたが、室町時代は、細川と山名と畠山と斯波と日野であふれておりました。
これがそのまま、後に応仁の乱の登場人物にもつながっていくわけですが、それぞれの家に、同じ苗字(当然ですが)とよく似た名前を持つ人物が何人もいるため、もう頭ぐちゃぐちゃ(T_T)。


先日ウィキペディアの「応仁の乱」の項を読もうとしたのですが、あまりにも複雑で、すぐに断念。
メインの登場人物が4人(義政と富子と宗全と勝元)なんて思っていた私は愚か者でした。

義満の時代はそれより70年ぐらい前のことですね。
彼は、第三代足利将軍ですが・・・徳川家光といい、三代目って権力が増強される頃なんでしょうか。
義満は母方が天皇の血筋だそうで、彼はそのこともあって、自分の子供を天皇に据えようと謀ります。知らなかったけど、これって歴史的事実なんですね。なんと、すさまじい野心。

私の知っている足利義満っていえば・・・アニメ「一休さん」に登場する「将軍さま」ぐらいです^^;。扇子をパタパタしながら金閣寺の廊下を歩き、「これ、一休」とか言ってるお気楽そうな人物像。
あ、能楽師の世阿弥を寵愛し、男色家だったというのも知ってはいました。
それにしてもほとんど知識ナシに等しいですねぇ。いかんいかん。

でも、この「獅子の座」で描かれる義満像を、私は好きになれませんでした。
天皇に畏れを抱かず、その座の乗っ取りを企む――ぐらいは別によいのですが、身の回りの女性たちへの接し方がどうにも納得できない。
特に、正妻・日野業子の扱いがあんまり。・・・というあたりは、どの程度史実に基づいているのかわからないのですが・・・。

側室が多くて、家臣の妻どころか天皇の寵姫まで横取りするくせに、女性に心を許すことはなく、男色家でもある。実は、彼が生涯で心を許した女性は、乳人の細川玉子ただひとりだった、ということなのです。一種のマザコンみたいなものだと思いますけどね。
この乳人や、その夫の管領・細川頼之は、忠実で愛情深い人々として描かれており、彼らに接するときの義満は親しみの持てる感じなんですが、その他についてはもう、権力にものを言わせて人を人とも思わぬ振る舞いばかりする、とにかく嫌な男なのでした。

そして彼が、その大それた野心を達成するまであと一歩というところで、伯母に当たる人に毒を盛られて命を落とした後は、幕府内にはその野心を継ぐ者はなく、以後、足利幕府は下り坂の一途をたどることになるわけです。

それにしても、平清盛以降明治時代まで、天皇と将軍のバトルって熾烈だったんですねー。
後水尾天皇の話でもそうだったものねぇ。
お疲れ様です。

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  1. 2012/10/01(月) 22:00:01|
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