本と旅とそれから 残穢/小野不由美

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残穢/小野不由美

ああびっくりした。
怪談の顛末よりはるかに、「小野不由美さん、どうにかなっちゃうんじゃないか?!」と心配しましたが、どうやら心配はないようで・・・。

先日の「鬼談百景」(感想文は►コチラ)と同じ頃書店に並んだ本書。書店のPOPに「鬼談百景」の方を先に読んだ方が楽しめるのでは、とあったのでそうすることにしたのですが、本書の方がうちの図書館では人気があったのか、予約が回ってくるのにずい分時間がかかり、季節が変わってしまいました。
「残穢」

残穢/小野不由美(新潮社)

「鬼談百景」も本書も、ノンフィクションなんでしょう・・・ね?
「鬼談百景」は、小野さんが読者から広く収集された身の回りの怪談話を収めたもの、そして本書はそれらのいわば「素材」をもとに、小野さんとお仲間たちがひとつの怪談をたどったもの、という形になっています。
とある怪談をテーマにしたドキュメンタリーという感じ。


「鬼談百景」を読んだあと、ダ・ヴィンチという雑誌の小野不由美さん特集号を読みました。期待した「十二国記」関連の記事は大したことなかったし、私にとっては「ちぇっ」という程度のものだったのですが、その雑誌に、「鬼談百景」の中の一遍をマンガにしたものが載っていたんです。
「ブランコ」という一篇。「鬼談百景」を読んだときも、短いけどちょっと怖いな、と思う一篇だったのですが、マンガにされたらもっと不気味になってました。

今回の「残穢」は、その「ブランコ」関連の出来事を出発点に展開していくものでした。

私は、怖い話への耐性レベルは「中の中」ぐらいかな、と自分では思っています。
怪談は、面白がって聞きたがる(読みたがる)けど、場合によっては、夜になってそれを後悔したり。
「読む」の場合だったら、夜遅くに部屋で読むのはやめておこうと思ったり。
なので、今回も主に電車の中や行きつけのスタバで読んでいたのですが、最後の方で図書館の返却期限が迫り、仕方なく夜遅くに読もうとしたのですが、やっぱり途中でやめ、翌朝早起きして読んだりもしました。

淡々と、ぞーっとくる感じです。

怪談作家(というのかな?)って、基本的には「祟りみたいなものは信じないし、平気」です」って人たちなんでしょうね。小野さんや、同僚の作家諸氏も、怪談の渦の中心に堂々と足を踏み入れて行く方々。「平気」じゃない人には到底できる真似ではありません。
でもその一方で、真剣に「死の穢れ」とか、それが土地に残るとか、人が持ち込むとかいう話を検討しもするのですね。その姿勢がなければそもそも、怪談というジャンルを著述ジャンルとして選ぶわけもないですよね。

皆さん、取材する過程で、身の回りに小さなアクシデントが発生したり、体の不調に見舞われたりするのですが、「いやいや、大丈夫ですよ」と笑い飛ばしておられる。
でも一方で、「怪談は、語るという行為自体が怪異を生み出す」などと言い、取材した怪談も、ものによっては書き留めることをしなかったりします。

自分がいかに理性的、科学的な人間だと思っても、目に見えない「何か」を完全に否定することは、誰にとっても難しいものなのでしょう。
・・・100パーセント否定しきれる人っているのかなぁ。
夜が全然怖くない人なんているんだろうか。

「死」が怖くない人はいるかも、という気がします。
あ、もちろん、「死」へとつながる「苦しみ」や「恐怖」といったものは別です。そうじゃなくて、その先にある「死」そのものですね。それはもしかして、心の持ちようによっては怖くなくなるものかも知れません。

でも、夜とか。闇とか。
あるいは、どこにどう存在するんだかわからない「何か」とか。そうしたものを怖くない人っているのかなぁ・・・。怖くない、と思っている人はいるかも知れないけど、思い違いってこともあるでしょう。怖くないと思っているような人が、戦争を引き起こしたりするんじゃないかしら。

でも、「穢れ」とか「恨み」とか「呪い」みたいなものが、この世に残り人に祟るなら、「庇護」とか「恵み」みたいなものも、やっぱりこの世に残って人を守るんだと――思いたい。
怖い話の方がインパクトが強いから、話になりやすいんでしょうけど。


webcitron01.gif


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  1. 2012/11/11(日) 22:00:01|
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