本と旅とそれから 火群のごとく/あさのあつこ

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火群のごとく/あさのあつこ

これは、「フリーター~」と一緒のタイミングで借りてきた1冊です。
図書館のあさのさんの棚に行ってみたら、何冊か全然知らない作品が並んでいたので、時代モノらしき1冊を借りてみました。あさのさんの弥勒シリーズが大好きなので、時代モノに関心が向いたから。
「火群のごとく」

火群(ほむら)のごとく/あさのあつこ(文藝春秋)

時代は・・・おそらく江戸の末期に近い頃でしょうか。場所は、江戸から離れたどこかの地方の某藩らしいですが、どこだかはよくわかりません。小舞藩というのですが、実在はしないんじゃないでしょうか。鵜飼が行われるということなので、岐阜あたりでしょうかねー。

剣に打ち込む、元服寸前という年頃の少年たちの青春物語です。


この小舞藩を舞台に、政争がらみの暗殺事件が起き、それが少年たちの家族、そして彼ら自身にも危害を及ぼしていきます。仲良く道場に通い、川で泳ぎ、まだ見ぬ世界への期待や不安を語り合う彼らが、次第に大人世界のあれこれに巻き込まれていく様子が、いかにも残念。

少年のひとりが、元服したその夜に、仔細あって家族共々自害して果てるのですが、後にその彼が友人たちに宛てた遺書が届けられ、これが涙を誘います。
これから自害しようという人間とも思えぬ明るい文体で始まる手紙の最後の最後、共に自害しなければならない幼い妹のことを「ただ哀れだ」と書いた一文が・・・うぅ。

それにしても、弥勒シリーズの最新刊「東雲の途」のときも思ったのですが、話の核心となるはずの陰謀を暴くくだりになるのが、本のずい分終わりの方なんですよね。それまでの、登場人物の生い立ちや家族や友人、生活環境などを描く部分、これは本当に瑞々しい筆致で読んでいて大変楽しいのですが、この部分が非常に長くて、「もしかしてこの本には下巻があって、中心となる事件はそっちに描かれているのかな?」と思うくらいなのです。
たぶん、陰謀だの暗殺だのという話はいわばダシで、結局あさのさんが一番描いてみせたいのは、少年たちとその周辺の人々の姿なんでしょうね。

物語の筋で読ませるのではなく、人物描写で読ませる物語、ですね。

少年たちのこれからを待ち受けているものは何なのか。侍の世もおそらく遠からず終わりになる時代に、未来に向かって歩いて行く彼らの後姿を何となくほろ苦い気分で見送りながら、小説が終わりました。


webcitron01.gif


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  1. 2012/12/23(日) 22:00:02|
  2. 2012
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