本と旅とそれから 透明な旅路と、地に埋もれて/あさのあつこ

本と旅とそれから

透明な旅路と、地に埋もれて/あさのあつこ

「十二の嘘と十二の真実」を借りたとき、同じ棚に並んでいたあさのさんの1冊。・・・つまり、特にこれといった理由なく借りてきた本です。本読みがちょっと無気力になってきてるかしら?
あまりにもさらっと短時間に読み切ってしまい、物足りないな、という気もするのでした。

・・・と、1冊目の「透明な旅路と」を読み終えて書いたのですが、その後、感想文を書き終えられずにぐずぐずしているうち、シリーズ2冊目も読み終えたので、一緒にUPすることにします。
「透明な旅路と」「地に埋もれて」

透明な旅路と、地に埋もれて/あさのあつこ(講談社)

1冊目を読み始めてしばらくは、これは怪談本の一種なのかと思っていました。
人を殺し、現場から逃げるべく、山道に車を走らせる男。ろくに人もいない山奥のトンネルで出遭った少年と幼女。言動がどうにも妙。謎めいている。ちょっと不気味。


2冊目はさらに不気味で。心中の予定が自分だけ死ぬはめになり、あろうことか一緒に死ぬはずだった恋人に地中に埋められることになった女性が、どこからともなく現れた少年に掘り起こされ、何とか死を免れてから後のお話です。

で、両方に登場するこの「少年」が白兎(はくと)といい、シリーズ(だったんですね)の狂言回しの役を演じているようなのでした。

彼はいったい誰?
ものすごく謎めいて、薄気味悪く人間離れしているかと思うと、ありふれたその年頃の少年のような言動を見せてもみたり。ただどうやら、彼の姿は、ふつうの人には見えないらしい。

彼は――悪魔というのは違う感じですねぇ。やっぱり死神ですか。あるいはその手先ぐらいか。
何となく、伊坂さんの「死神の精度」に出てきた死神とちょっと似ている部分もあるような。

にしても・・・最近、「死」をテーマにした本や物語がずい分多く世に出ているように思うのですが、気のせいでしょうか。高齢化社会だからかしら。
生物が死を恐れるのはごく当然のことと思えますが、人間(霊長類かな?)は、自分の死ばかりでなく、近しい者の死も恐れる生き物ですから・・・。死ぬということが、単なる物理的な消滅であるということをそう簡単には受け入れられなくて、人の姿を与えてみたりするんですね。

ただ、この2冊の本当の焦点は「死」ではなく「生」の方に当てられています。
どちらも、最後に主人公は生きる者の道を歩んで行き、少年は死すべき者と伴に去る。

1冊目は少しさらりとしすぎて物足りないという印象だったのですが、2冊目は正直なところ、少々どんよりと重い感じでした。途中でふと、「読んでいて心地よくない部分を真面目に読む必要はないだろう」と思いつき、数ページ、斜め読みした部分もあります。どこだったか、たぶん、主人公のお母さんが末期癌で死の床にある、という描写のところだったと思います。

全編に死の影が落ちているような物語で、読み終えて「あ~、楽しかった」という感覚は全然ありませんでした。ただ、面白かったという気がしないわけでもなく、シリーズをもう少し読んでみようかとは思っています。


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  1. 2013/01/27(日) 22:00:00|
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