本と旅とそれから 東京下町殺人暮色/宮部みゆき

本と旅とそれから

東京下町殺人暮色/宮部みゆき

うちの図書館にちょっと不満があるとすれば、文庫本の品揃えがあんまりよくないことでしょうか。まあ、すでに単行本で蔵書があるものを、さらに文庫でも購入するというのは、限りある財源の使い方としては無駄と言えなくもないのでしょうが・・・。

というようなことをぼんやり考えながら文庫本の棚の前をウロウロしたあげく、ハズレのなさそうなのをということで借りてきた、宮部さんのミステリー。
「東京下町殺人暮色」

東京下町殺人暮色/宮部みゆき(光文社文庫)

やっぱりハズレなし。
ホント、この方の小説は読んでいて、ちょうどいい温度のおフロに入るような心地よさがあります。この本をカバンに入れている間(たったの二日間だったけどサ)は、駅でも電車内でもちょっとワサワサしていた喫茶店内でも、楽しかったですもん。


といってもこれ、ミステリーと言うよりは警察小説というか、少年探偵モノというか、特に謎解きの楽しさみたいなのはありません。犯人は最後の最後に突然外部から連れてこられた人物たちで、ほとんど誰でもいいんだけどね、という感じの存在です。

やっぱりこの本の楽しさは、主人公の少年と彼の父、そして父子の生活をいろいろと助けてくれる家政婦のハナさん、さらに少年の友人や彼の父の同僚たちといった人間の描写にあると思います。
ちなみに、少年の父の職業が刑事なのです(ですから、同僚たちも刑事です)。

川を流れてきたバラバラ死体が発見されるところから物語は始まり、確かにそのオープニングは衝撃的と言えますが、その後の展開は割と淡々としています。ですが、その淡々とした物語の進み具合が、な~んだか心地いいんですよねー。いつまででも読めてしまいそう、というか。

大正生まれの家政婦・ハナさんが素晴らしい味を添えています。
家政婦としての能力は高く、ちょっと時代がかった喋り方をし、いかにも昔気質の古風でぴしりと筋の通ったものの考え方をし、かなり頼りになるおばあちゃん。ぼんくらシリーズに出てくる、煮物屋のお徳さんみたいな存在です。家事が上手くて包容力のある女性。

正直、特に強い印象を残した小説という気はしなくって、衰えの一途をたどる私の記憶力を思えば、1年後にはほとんど忘却しているんではないかと思うのですが、でも少なくとも、読んでいる間(短かったけど)はホントに楽しませてくれて、やっぱり宮部さんの小説っていいなと感じさせる1冊でした。


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  1. 2013/02/20(水) 22:00:01|
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