本と旅とそれから 霧笛荘夜話/浅田次郎

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霧笛荘夜話/浅田次郎

音楽好きの人が、選り好みしないからとにかく音楽が身近にないとイヤ、という気分に(おそらく)なるのに似て、私の場合は、とりあえず何か手元に本がないと落ち着きません。
そうした理由で、図書館の文庫本棚から持って来た1冊。

ここのところ、あんまり浅田さんの大作(てか、長編)を読んでいないのですが――この1冊も、七つの中編を集めています。
「霧笛荘夜話」

霧笛荘夜話/浅田次郎(角川文庫)

いかにも浅田さんの中編集だな~というイメージ・・・と思って、以前読んだ同じ浅田さんの中編集「月のしずく」の感想文(►コチラ)を読み返してみました。
もう、5年以上前に読んだ本になりますが・・・。

その5年以上前に書いた別の本の感想文が、今これから書こうとしていた感想文とあまりにも似ているので、笑いが出そうになりました。


読むのに費やした時間の分だけ物語を味わったけど、来年の今頃にはその詳細をカンペキに忘れ去っていそうな気がする、とか、何となくノスタルジックで切なくて、いろいろあっても、根底では人間を愛おしむ視線を感じる、といったことは、今回も書こうと思ってたことです。

そんなわけで、「月のしずく」も「メトロに乗って」も、どんな話だったかカンペキに忘れてしまっているんですが、それでも敢えて言ってしまえば、今回の「霧笛荘夜話」もよく似た物語でした。
まあつまり、ぼんやりと呼びさまされる物語の雰囲気の記憶みたいなものが、って程度ですが。

それぞれの物語の主人公、つまり、霧笛荘の各部屋の住人たちはってことですが、彼らはみな、何ともいえず寂しいのです。彼ら自身が寂しいと思っているかどうかは微妙ですが、彼らの話を読んでいる私には、寂しさが感じられるのでした。
それはおそらく、彼らがほかの人間との間に、ありがちなベタつくつながりを持っていないから。

「ベタつく」と書くとネガティブですが、良く言えば「強い」ということ。つまり、彼らは他者との感情的なつながりが希薄に思えるのです。
例外としては、後にミュージシャンとして大成する四郎とそのお姉さんですが、すぐ死んじゃうからなー、このお姉さんは。

でも、今の私の感覚では、彼らのそうした、いわばさらりとした他者との関わり方というのが、寂しく感じられても、悪くないとも思えるのです。
究極の選択として、まとわりつくように思えるほどの深~い「絆」と、ほとんど何もないような希薄なつながりとではどちらを選ぶかと問われたら、きっと私は後者を取るタイプだと思います。
まあ、縛られるのがイヤだから人と交わらない、などというと、「そりゃ寂しすぎる」と批判されそうですが・・・あまり深刻に考えず、気楽なのがいい、というくらいのことです。

こうした古びたたてものに何のご縁か一緒に暮らすことになる人々の話って、シチュエーションは違っても、何ともいえず好きです。学生の下宿を舞台にした物語なんかも。
そうした人々が、一致団結して何かひとつのことを目指す物語もよし、たま~に何となく触れ合いながら、まとまっているのかバラバラなのかわからない感じに、ふらふらと日々をおくってゆく様子もよし。

今回もまた、電車の中で、あるいはコーヒーを飲みながら、「中くらい」の読書を楽しみました。


webcitron01.gif


My Favorite Books(お気に入りの本のブクログ)
BOOKS INDEX(作家別感想文一覧)

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  1. 2013/04/20(土) 22:00:01|
  2. 2013
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