本と旅とそれから 神去なあなあ夜話/三浦しをん

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神去なあなあ夜話/三浦しをん

いい・・・(≧∇≦)ノ彡。
こちら、「神去なあなあ日常」(感想文は►コチラ)の続編です。
読んでいてすご~く楽しい。まさに「癒される~」って感覚でしょうか(って、前作の感想文にも、やはり冒頭で書いてました。続編だからさもありなん、ですけど)。
「神去なあなあ夜話」

神去なあなあ夜話/三浦しをん(徳間書店)

基本的には、感想は前作「日常」と同じです。
美しい自然。豊かな伝統。素朴でおおらかな住民たち。ユニークで愛すべき身近な仲間たち。心ときめかすマドンナ(古風な表現かのぅ)。存在感あふれる、どことなくおちゃめな土地の神様たち。
よきかな~。

あ、でも、今回はそれにもうひとつ。


二十年前に神去村の住人16名の命を一度に奪った大きな交通事故の話が初めて語られます。民話かメルヘンかファンタジーの舞台という雰囲気満点の神去村に、突然「現実」が襲いかかってきたようなバスの転落事故――ヨキや清一さんの両親がどちらもいないのがなぜなのか。

繁ばあちゃんもヨキも、当然ながらものすごいショックを受けるし、悲嘆にくれます。でも、今の二人はどちらも明るく元気。ただ、昔の悲劇が明らかになってみれば、ヨキは、事故の朝、最後に両親にふてくされた顔を見せて別れてしまったことを、いまだに夢に見るほど心に後悔を抱えているのでした。

「人はそれぞれ事情をかかえ、平然と生きている」という伊集院静さんの言葉はちょっと有名らしいですが、ホント、そゆことですね。平然と、というのはもしかすると「見た目平然と」かも知れないけれど。

清一さんはといえば、現在神去村の「指導者」である彼は、二十年前にしてすでに「指導者の世継」で、こちらは「栴檀は双葉より芳し」て感じで、突然両親を失うという恐るべき事態を前に、人間離れした冷静沈着さを見せるのでした。
彼のひとり息子で、主人公にとても懐いていて可愛らしい少年・山太も、ほどなくこんな山奥のプリンスみたいな青年に成長していくのでしょうか。方言であれこれおしゃべりする可愛らしい少年像は、「バッテリー」の少年・青波を思い出させます。

私自身は、ご近所づきあいとか親戚づきあいといったものが苦手な方なので、自分が神去村みたいなコミュニティーの結束が固い土地で暮らしていくことを想像すると即座に「無理だろーな」と思いますが、穏やかに道をはずれることなく(?)生きている人にとっては、神去みたいな村に暮らすことは何より安心できるのでしょう。

そして、神去の山の奥で木々や自然を相手に時をすごしていると、この世を去った親しい人たちが、ふと自分のすぐ近くにいるように感じられる――と、ヨキは語るわけです。

確かに、都会の喧騒の中では、声なき声を聞きとることは難しそうですものねぇ。やっぱそこは、風のそよぎや木々のざわめきを体で聞くことのできる場所でないと・・・。

自分を勇気(主人公の名前)の立場に置き換えることはしないにしても、彼の「なあなあ」な日々を、これからも読みたいものです。


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tag: 三浦しをん 
  1. 2013/04/30(火) 22:00:00|
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「神去なあなあ夜話」三浦しをん

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コメント

一作目ののほうがおもしろく、読んでいてひきこまれました。
でも勇気君がしっかり地に足をつけて暮らしているその後がわかって、応援している読者としてはうれしかったです。
トラックバックさせていただきました。
トラックバックお待ちしていますね。
  1. 2014/04/09(水) 14:26:53 |
  2. URL |
  3. 藍色 #-
  4. [ 編集 ]

藍色さん、

一作目は、山での林業する日々それ自体が、読んでいて新鮮で興味をひかれましたからね~。
現実と非現実が混在するみたいな山での日々、読んでると心が脱力できて楽しめます・・・。

TBありがとうございます。私も送らせて頂きますね。
  1. 2014/04/11(金) 23:25:28 |
  2. URL |
  3. lazyMiki #Dud4.962
  4. [ 編集 ]

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