本と旅とそれから 英雄の書/宮部みゆき

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英雄の書/宮部みゆき

文庫の棚に上下本が両方揃っていると、つい手に取ってしまいます。
「松風の家」もそうでしたし、この「英雄の書」も。

宮部さんのファンタジーとしては、「ブレイブ・ストーリー」以来になるでしょうか。ということは、7年ぶりというわけで――これは、「久しぶり」と言ってよいかと。
「英雄の書」(上)「英雄の書」(下)

英雄の書/宮部みゆき(上)(下)
(新潮文庫)


あ、今ブログ用に表紙の画像を並べてみて初めて、二つがつながっていることに気付きました。綺麗な表紙です。でも、「咎(とが)の大輪」は、もうちょっと壮大な感じじゃないでしょうか。


「ブレイブ・ストーリー」の時も思ったのですが、どうも、ロールプレイング・ゲームの世界みたいな気がするのですよねー。宮部さんが大のゲーム好きということを知っているせいかも知れないけど・・・(最近は「大極宮」を読んでないのですが、たぶんまだお好きなのでは)。
「ブレイブ」ほどその感が強くはありませんでしたが。

「英雄の書」は、主人公の少女・百合子(ユーリ)が、大事件を起こした兄を追って、異世界に冒険に出る、というお話。
別世界の登場するファンタジーというのは、その見知らぬ世界の構造を説明するのに結構なページ数が費やされるのが常だと思います。現実世界から別世界を訪れた何も知らぬ主人公に対してその世界の人間が説明する、という本書の形をとることも多いかと思います。

にしても、それに費やされる部分が大きかったです。
ユーリが、「オルキャスト(印を戴く者)」と呼ばれる存在となって、兄を探す旅に出発するというところまでで、上巻300ページぐらい読まねばなりません(ちなみに、上巻は全部で約430ページ)。
宮部さんの文章だから300ページ読めた、っていう気すらします。

現実世界での事件については、非常に深刻な話ですが、いつもの宮部調というか、ふむふむずんずんと導かれるまま読み進めます。
が、「無名の地」のくだりは・・・うぅむ、理屈っぽいという感じが・・・。確かに、「物語」その他の言葉がこの本の中でどのようなことを意味するかということがわからないと、その後の展開についていきにくくなる・・・かも知れないのですが、でも、正直に言って、読んでいて少々退屈してしまいました。

キャラクターも、ちょっとゲーム・・・というか、マンガっぽい感じです。
ハツカネズミに姿を変えた魔法の辞書・アジェは可愛い。とても可愛いです。彼のその後が気掛りです。
まああとは、普通。

ありがちなハッピーエンドの大団円にはならないんだろうなーと思ってましたが、やっぱりなりませんでした。ファンタジーでありながら、ミョーに現実的なエンディングと言えるかも。しかし、兄がああなるのに(一応ネタバレ回避のつもり)、あの程度のラストで済むものでしょうか。特に、母親。

さすがに上下巻ずっと読み通すと、主人公と物語世界に愛着がわいてくるため、巻末解説で続編が書かれていると知ると、読んでみたいという気になります。登場人物はガラっと変わるらしいですが。
でも、ファンタジーとしてすごく面白かったかといえば、そうは思わないか、な~・・・。

もしかすると、私は宮部さんのこのテのファンタジーとはあんまり相性よくないのかも。
巻末解説の文芸評論家のかたが、「指輪物語」やハリポタが大人気になるのを大人の児童化だと思っていたけれど、宮部さんの本書には脱帽した、と書いておられるのですが、全然共感でけまへん。
そもそも、「指輪」とハリポタを同列に論じることすら私は納得できないし。

でも、続編は楽しみなんです。一応^^;。


webcitron01.gif


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  1. 2013/05/21(火) 22:00:01|
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