本と旅とそれから 花宵道中/宮本あや子

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花宵道中/宮本あや子

先日読んだ三浦しをんさんの本読みエッセイ「本屋さんで待ちあわせ(感想文は►コチラ)」で紹介されていた1冊です。

すごーく艶っぽいお話ばかりの5つの中編から成る1冊。見れば、表題作になっている最初の一篇は、第5回「女による女のためのR-18文学賞」大賞受賞作なんだそうです。あれま。
「花宵道中」

花宵道中/宮本あや子(新潮社)

・・・だからなのかしら。Amazonでブログに載せる書籍画像を検索したら、それ以降の「LMさんにおススメ」商品がやたらと色っぽいものになっているのですが・・・^^;。
三浦しをんさんが気に入ったというのが、「あー、なるほど」と思えたり。

ちなみに、この作家さんはこれがデビュー作なのだとか。


三浦さんの書評にどう書いてあったか、詳細はスッキリ忘れてしまったのですが、廓の暗い廊下の光景がありありと目に浮かぶようだ、みたいなことが書いてあったと思うのです。つまり、描写が見事だってことでしょうか。

本書の前に読んだ遊廓小説である「吉原手引草(感想文は►コチラ)」よりは確かに、廓の中の情景が思い浮かべやすかったと思います。でもまあ、「手引草」はいわばミステリー、本書は女郎の恋物語ですから、物語の色調が違うのは当たり前ですが。

でも、そうした廓の情景描写ということなら、私はアーサー・ゴールデン氏の「さゆり」がすごいと思います!私は英語版"Memoirs of a Geisha"で読んだのですが、英語で読んだら和風の雰囲気が損なわれてしまうかと思いきや、置屋の暗い廊下や、お便所の臭いがかすかに感じられるような日本家屋(この描写が、いかにもリアリティが感じられて印象が強いのです^^;)の雰囲気が素晴らしく描かれていると私は思いました(あの小説は京都の話ですけど)。

でも、情景描写を別にしても、遊女たちの悲しく、苦しい境遇や思いというものは、切々と綴られていて迫るものがあったと思います。
たとえその見世(女郎屋のことです)一の看板女郎で、華やかな道中をさせてもらえるほどの身分だったとしても、借金に縛られた籠の鳥であることに変わりはありませんからね・・・。

借金を返し終えるまで体がもたず死んでいく女郎、苦界の勤めに耐えられず逃げ出し、捕まってひどい目に遭う女郎、あるいは自ら命を絶つ女郎。
うーん、そう思えば、恋仲の灰屋紹益に見受けされた吉野太夫なんて、ミラクルなケースだったのねぇ。

そういえば、本書によれば、島原と吉原の違いは、町を囲む高い塀があるかどうかなのだとか。島原は塀に囲まれ、吉原にはそれがなかったのだそうです。そうだったんですか?確か吉原にはお歯黒溝とかいうのが巡らせてあったんですよね。本書にも、死んだ女郎の屍が投げ込まれることもしばしばだった、みたいに書かれていました。あれもやっぱり女郎の足抜け防止のためだったんでしょ?

でも、溝に死体を投げ込むっていうのは、倫理的にひどすぎるっていうのもありますけど、衛生的なっちゃないですよね。廓というところは、見た目華やかな世界の裏に、数多くの醜い姿を隠しているというイメージが強いところです。

時代が変われば文化も道徳も変わる。
今でも、そんなことをしみじみ考えさせられる事件がちょくちょく起こります。そう思えば、小野田官房長(「相棒」の♪)の言葉じゃないけど、絶対的な正義なんてない、ということになるかと。
借金のカタに娘を売り、売られた娘を買った見世が集まって廓が出来る、そんな産業の存在が堂々と認められていた時代。今から振り返れば「やれやれ、とんでもない」なことでも、当時は特に疑問を抱く人もなかったわけです。きっと同じことが現代にもあるはず。100年後に振り返って、とんでもないと思われるようなことが、きっと今の時代にもあれこれあるんだろうなぁ・・・。


webcitron01.gif


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  1. 2013/07/22(月) 22:00:00|
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