本と旅とそれから アイスクリン強し/畠中恵

本と旅とそれから

アイスクリン強し/畠中恵

暑い日が続いておりますね。
いつの頃までかは、「暑くても夏が好き」と言っていたように記憶していますが、最近はもう、梅雨が明けたら9月の末、ぐらいだったらよいのにな、などと思ってしまいます。

本読みの方はどうかというと、電車中にしろ自室にしろ、本を読み始めるとすぐに眠気に襲われてしまいます。てか、涼しいところでは、何をしていてもすぐに眠気に襲われてしまうような・・・。
「アイスクリン強し」

アイスクリン強し/畠中恵(講談社文庫)

そんな眠気と隣り合わせの環境では、読み応えのある力作よりは、軽いものの方がよいかしら、と借りてきた、スイーツ絡みの(と、タイトルから推測される)畠中さんの1冊。
江戸時代の「しゃばけ」シリーズから時代をちょっとすすめた、明治時代半ばの若者たちのお話でした。

結論から言うと――ちょっと軽すぎたような、気も。


築地に開店してまだ間もない西洋菓子店・風琴屋の若き主・皆川真次郎と、彼の友人で巡査の長瀬とその同僚たち、そして成金のお嬢様・沙羅を中心に展開する物語――軽くミステリ、でしょうか。その点は「しゃばけ」と似た趣です。

「しゃばけ」でも、若旦那の居間にはいつも何かしらのお菓子があって、鳴家をはじめとする妖たちが食べまくってましたが、今回は主人公が菓子店主なので、もう少しお菓子の存在感が増しています。
でも、もうちょっと魅力的にお菓子を描いて欲しかったかなぁ・・・。確かに、おなかが空いている時に読めば、シュークリーム(シユウクリーム)やワッフル(ス)が食べたくなるんだけれど、何となくもの足りない感じでした。

ストーリーも同じような感じ。つまり、何となくもの足りない。
同じ「軽いミステリ」なのに、「しゃばけ」と比べビミョーにもの足りない・・・。
思うに、やっぱり登場人物の魅力が違うんでしょうね。「しゃばけ」に登場する妖たちは、もう少しキャラクターが個性的で際立っています。人ならぬ存在なだけに、マンガ的なまでに変人(て、だから人ではないのですが)――兄や二人のことですが。あとは、鳴家が可愛かったり、屏風のぞきが生意気だったり。

「アイスクリン」は、登場人物たちがちょっとステレオタイプな若者像だったような。もう一歩、感情移入させてくれるような個性に乏しかったように思うのでした。
個性的といえば唯一、巡査のひとり・園田という若者が、イケメンなのに狂暴というかなりはっきりした性格付け(?)をされているのですが、これもどうも・・・ひとたび「切れ」るとサーベルを抜いて暴れるという危険人物であるため、ひとりで歩かせるわけにいかずに常に仲間が同行するというんです。
いや、いくら物語の中の話とはいえ、そんな人物が巡査って、ちょっとどーなんですか^^;。
しかも、我に返った後で、暴れていた間の認識がないような・・・それは病気でしょう!

「しゃばけ」シリーズのほかにも、これまで数冊畠中さんの作品を読んできて思うのですが、畠中作品は私にとって、「面白い」と「ちょっともの足りない」のボーダーラインに存在するようです。ものによっては面白く、ものによてはもの足りない。「しゃばけ」シリーズの中でも、「今回はちょっとな~・・・」と思うものもないではなかったし。
それでも全体的には、「好きかな」ってところなのですけどね。


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  1. 2013/08/15(木) 22:00:02|
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