本と旅とそれから ランチのアッコちゃん/柚木麻子

本と旅とそれから

ランチのアッコちゃん/柚木麻子

これまた、予約してから回ってくるまでにずいぶんと時間のかかった人気の1冊(ということらしい)。おかげで例によって、なぜ「読んでみたい」と思ったのか、すっかり忘れてしまいました。
おそらく・・・どこかでやっぱり「人気の1冊」と耳にして、みーはーゴコロが刺激されたんだと思います。
「ランチのアッコちゃん」

ランチのアッコちゃん/柚木麻子(双葉社)

結論から先に書くと、少々物足りなさを感じました。
4つの中編で構成された1冊で、初めの2編がアッコさん(タイトルは赤塚不二夫さんのマンガを思わせますが、登場する黒川敦子という女性はどちらかというと和田アキ子さん的キャラクターで、周囲からはアッコ「さん」と呼ばれています)と、彼女の部下的存在の三智子を中心に据えた物語で、後半二編は、この二人は背景にチラリと登場する程度の、それぞれまったく別人が主人公の物語です。


物語自体はいずれもいわゆる「心温まる」お話ですが、読み手の私がひねくれた目で読むからなのか、どれも何となく話の展開がお手軽にうまくいきすぎるという印象。
いかにも予定調和って感じもするし、パターンにはまっているという感じもするんです。

とはいえ、それは作者の(あるいは読者の、ですらあるかも)想定内なのかもしれません。そのパターンの中で、この物語独特の個性を出そうということなのかしら。
「『食堂かたつむり』や『かもめ食堂』みたいなほっこりしたこと言ってんじゃないわよ!」などと、文中アッコさんが三智子をどやしつけるところなどあるのですが、そんなことをアッコさんに言わせつつ、やっぱり「かたつむり」や「かもめ」と同類の物語に出来上がっている感じでした。

で、私はどちらかというと「かたつむり」や「かもめ」の方が好きですけど^^;。

それでも、最初のアッコさんの活躍する二編は、食べ物がよい小道具となって、まさに「心温まる」って感じが強く穏やかに読めるのですが、後半二編は、ひとつは、日々の閉塞感に悩むOLが、高校時代の先生と遭遇して、お嬢様学校に通いながらやんちゃ者だった自分の昔を思い返す話。もうひとつが、かつての部下の女子社員と再会したある中小IT企業の若手社長が、ダメOLだと思っていたその女子の意外な姿を目にして刺激を受ける話。
いずれも、とても現実的な都会人のある日常を描いていて・・・んー、平たく言うと、あんまりインパクトがなかった、というところでしょうか。

全部で200ページにも満たない、かなり分厚い紙を使っているので何とか1冊の本になっているものの、あっという間に読めてしまう本だったというのも、物足りなく感じた一因かも知れません。ちょっと軽すぎた感じ。何かの印象を残す前に読み終えてしまった、みたいな。


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  1. 2013/11/27(水) 22:00:01|
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