本と旅とそれから 聖なる怠け者の冒険/森見登美彦

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聖なる怠け者の冒険/森見登美彦

この小説が朝日新聞の夕刊に連載された時期、私はそれを全回分切り抜いて、最終的にはブキミな渦巻く紙束が出来るまでためこんだのでしたが、おそらくは最初のひと月分ほどを読んだだけで、あとは未読のまま結局資源ゴミに出してしまったのでした。

本書のあとがきで、森見さんはこの時の連載を「全体として見れば『建て損ねた家』になった」と書いておられます――ご本人にも、不首尾に終わった感覚があったのですねぇ。
それで、単行本となるに当たり、全面改稿し、まったく違う小説として出来上がったのが本書だとか。
「聖なる怠け者の冒険」

聖なる怠け者の冒険/森見登美彦(朝日新聞出版)

連載された小説は最初の方しか読んでいないので比べることもできませんが、そもそも最初の方しか読まなかった理由は、ズバリ、面白くなかったからなのでした。
連載という細切れの形態がよくなかったのかといえば、いやそれならば切り抜きをためこんだ時点で一気読みすればよかったわけで、少なくとも数回分はそれを試みたはずですが、それでもやっぱり面白くなくて読むのをやめてしまったのだと記憶――いえ、推測しております。


気付けば、森見さんの本を読むのは一昨年5月の「四畳半王国見聞録」以来のこと。朝日新聞での連載が終わって以降、体調を崩されたりもしていた、ということなのですが、ホントにそういえば、森見さんの新刊本って見ていなかったと思います。正直、森見作品の雰囲気をちょっと忘却していました。

で、せっかく久しぶりに読んだ長編なのですが――うーん、やっぱり、新聞連載時に感じたもの足りなさというか、いまひとつ物語に没頭できない感覚は残りました。
森見さんの小説って、多くはかなりナンセンス小説の要素を含んでいると思うのですが、本書は特にそれが強く感じられました。
ストーリーってもんがないんですよね。

主人公、あるいは数名の主要登場人物たちが、特に筋書きのないまま次から次へとキテレツな事件に遭遇し、それがどんどん流れていくことで作品世界が構成されていく。特に京都の腐れ大学生たちをメインに据えた作品はその色彩が強かったのですが、さすがに最近は、森見さんも大学生を脱し、登場人物たちも社会人であることが多くなってきていました。

で、本書も登場人物たちのほとんどは勤め人で、だからこそ土日の休みを大切にする心情が切々と伝わってきて――というか、そこまで渾身の「怠け」を繰り広げなくてもよいでしょうに、って感じです。

結局この小説って、祇園宵山に重なったある7月の土曜日一日の話なのです。
「宵山万華鏡」と「有頂天家族」と、ゆる~くつながってもいて、「宵山」のちょこっと気味悪い雰囲気や、「有頂天」の愉快な毛深さが感じられて(探偵さんはタヌキでしょう?六道珍皇寺の井戸から出て来たのですね)、そうしたところは楽しめるといえば楽しめるのですが・・・。

この「ぽんぽこ仮面」の存在がね~・・・。
あ、あとアルパカそっくりの5代目も。
パズルの中で一番目立つピースであるにもかかわらず、はまるべきところが見つからない。

それでもワタクシなどは、京都の街が舞台となっているというだけで、あれこれ通りの名前を読むだけで楽しい気分になれて、それで読み通してしまえたんですけど。
そういえば、面白くないといって最初の方しか読まなかったくせに、主人公小和田クンと上司の所長が土曜日の朝を過ごす場所として描かれる三条寺町のスマート珈琲なんて、これを読んで興味がわいて、実際に行ってみたくらいですから。

ぐーたらすることをこよなく愛するという点では私も人後に落ちませんが、宵山の京都というセッティングは、私にとってはぐーたらに最適とはいえなくて、もしかするとその辺もピンときてないのかも。

数多くの物語のパーツが詰め込まれていつつも、私の中では上手く組み合わされることなく、読み終えても残念ながらまだバラバラのままだった、という印象です。


webcitron01.gif


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