本と旅とそれから 向日葵の咲かない夏/道尾秀介

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向日葵の咲かない夏/道尾秀介

年末が近づいてくると、ぼんやりとではありますが、「今年のうちに読んでおきたい(ついでに感想文のブログUPもしておきたい)本」とか、「年明け新春に読みたい本」なんていうことを考えたりします。――今年だけかしら?たまたま今図書館から借りて手元にある本が、年末向けと新春向けにいかにも分かれる(気がする)からかしら・・・。

(なお、若干ネタバレありますので、ご注意下さい。)
「向日葵の咲かない夏」
向日葵の咲かない夏/道尾秀介(新潮文庫)

「悪の教典」に続いてこちらも、新年早々には読みたくないよ!って感じの小説です^^;。最初は、「偶然とはいえ、連続で『教師による猟奇殺人』の話なの?!」と思いました(違いましたけど)。

「カラスの親指」で初めて読んだ道尾秀介さんの2作目。
「カラス」が比較的明るく終わった小説だったので、このトーンが道尾さんの基調なのかなと思ってました。で、本書の文庫版カバーに書かれたあらすじや、表紙のパステル調の絵などを見て、子供が主人公の探偵小説かしら、などと予想して借りてきたんですけど・・・。


やれやれ、とんでもない、そんな可愛らしいストーリーじゃありませんでした。
どちらかといえば、京極さんの「姑獲鳥の夏」でした。そのうえで主人公が少年っていうのが気味悪い。「姑獲鳥」は、(ちょっと私の記憶もアヤシイけれど)神経衰弱気味の大人だったのでそれなりにしっくりハマってましたけど。

ほんっと、奇妙な物語の展開でした。
主人公の少年の死んだ友人が蜘蛛に転生して少年の元に戻って来るっていうのですから。
で、生前と同じに人語を話すその「友人」と少年が、「友人」の死の謎を解明していくわけですが・・・。

ラストがホントに不気味^^;。
タネ明かしの後に振り返ると、少年の生きる世界の歪み具合が明らかになって、これまたさらに不気味さが増すって感じです。物語に登場するあの人この人の正体がが次々に明かされていき・・・。
特に凄まじかったのが、少年の妹です。年齢わずかに3歳。3歳の女の子がこんな喋りをするなんて、と、最初からずーっと違和感はあったんですが、それにしても彼女の正体が実は〇〇〇だったなんて。すごく衝撃的。

すべてわかってみれば、少年は哀れむべき存在なんですが。でも、原因はともかく、物語の時点における彼は、もはや怪物めいた者になってしまっていて・・・このまま成長したら、それこそ「悪の教典」の主人公に近いとんでもない人間になってしまいそう。ひと言で言えば、少年は「狂って」いるのです。

悪意よりも怖いのは狂気かも。狂気とはコミュニケーションの方法がありませんから。狂気は必ずしも悪ではないと思うんだけど、善悪を語る以前に、その判断の基準となるものが狂気には存在しないんじゃないですかね。何かを懸命に訴えたとしても、狂気には何も通じない。その何もなさが恐ろしい。

それにしても、「カラス」とはずい分と色彩の違う小説でした。
また道尾作品を読んでみたいとは思うんだけど、本作のようなのはしばらくパスかな~^^;。

webcitron01.gif


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『向日葵の咲かない夏』

道尾秀介 『向日葵の咲かない夏』(新潮文庫)、読了。 次の展開が気になって仕方がなく、一晩かけて一気読みしました。 かといって、楽しく読んだかというと、そうではなく、 なんとも「趣味の悪い」作品だと思います。 狂気を孕んだ人たちしか出てこなくて・・・。 最初はみんなそれを隠しているんだけれど、 ふとした切っ掛けで噴出して、否応もなくその狂気を読者に叩きつけてくるんです...
  1. 2013/12/28(土) 23:01:57 |
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