本と旅とそれから ペンギンと暮らす/小川糸

本と旅とそれから

ペンギンと暮らす/小川糸

「食堂かたつむり」の著者である小川糸さんのエッセイ――というか、日記みたいなもの。
内容的には、いしいしんじさんの「ごはん日記(感想文は►コチラ)」と同類と言えましょう。

「食堂かたつむり(感想文は►コチラ)」を読んでからもうずい分経ちますが、とても素敵な物語だったという記憶があります。ただその後、ほかの方のブログでこれがコテンパンにたたかれているのを目にして、ちょっと凹んだ記憶もあるのでした。
同じ本を読んでも正反対の感想があり得るとわかってはいるんですけどね。
「ペンギンと暮らす」

ペンギンと暮らす/小川糸(幻冬舎文庫)

「食堂かたつむり」を読んでちょっとしてから、Soup Stock Tokyoで、物語に出てくるジュテーム・スープ(という名前だったと思うのですが)を販売していたので、食べてみたことがあります。
美味しいポタージュだったという記憶ですが、物語と絡めて何か特別なものがあったかといえばそれほどのことはなく、SSTのその他のポタージュ同様に美味しかったよ、ぐらいだったような。
まあでも、一瞬楽しかったけど♪


小説を読んでいる分には、小川糸さんがどのようなプロフィールをお持ちの方でも大して気にならないのですが、本書のように、小川さんの生活そのものが内容となっている本の場合は、気になります。
「ペンギンと暮らす」といっても、小川さんのペットがペンギンというわけではなく、同居のダンナさまを本書の中では「ペンギン」と呼んでいる、というだけのこと。「夫が」とでも書けばよいのにと思うのですが――一種の照れ隠しでしょうか。

小川さんって何歳なのかしら。着物が好きでお茶を習っておられるそうだから、もしかしてワタシより年上の方?あ、だってホラ、ダンナさま(つまり「ペンギン」氏)が還暦を迎えた、なんてことも書かれているじゃないですか。
・・・と思ったら、あら、1973年生まれですって。私よりずっとお若いんだ。
ペンギン氏とは26も年が離れているのねー。ほ~ぉ。

本書は、特に前半は、1ページにおける字の占める空間の割合が低くて、すぱすぱすぱすぱページがめくれてしまうのが何ともいえずもの足りず、「本をめくってはいるが、これを通常の本読み体験と同じに考えてよいものか」なんて思ったりしました。何しろ日記形式なので、いわば1~2ページで1話完結。数日分読んで切りがよいからと本を閉じたりしていると、どうにも物語・・・というか、「ペンギン」世界に入っていけず、またぞろ「読むのやめちゃおうか」という思いが頭をよぎったりしました。
後半にかけて、少し文字の密度が高まり、それと併せて読み手のこちらも「もう少しまとめて読もう」と思い立ち、たまたま時間も取れた(って、すぐに読めちゃいますけどね)ので「がーーっと」読みましたら、ちょっといい具合に集中できて、ちょっと面白くなって、そしたら読み終えてしまいました。

冒頭にもちょっと書いた、いしいしんじさんの「ごはん日記」と、ホント、基本姿勢は同じ。食を愛す。そして食の生まれる自然を愛す。季節を愛す。そんなこんなの愛が漂う、香り高い日々の記録。
食を愛すというと、一方に「美味しいお店探訪」みたいな世界もあると思うのですが、でもってそれはそれで楽しいものだと思いますが、ペンギン世界の食の醍醐味は、土の香りにあるといえます。
ちなみに、いしいしんじさんの場合は、海の香りにあったっけ。しょっちゅう魚屋さんが出てきていましたものねえ、あの本は。小川さんの本にはよく八百屋さんが出てきます。あとは、「頂きもの」。

魚もよいけど、「届く幸せ」はやはり農産物ならではですねぇ。もらうにしろ。お取り寄せにしろ。

ただつくづく、食を本当に楽しむには、少なくとも食に関してはものぐさではダメだと思いました。
その点、私は食の楽しみがどうしても限定されてしまうのですよねぇ。ものぐさだから~。
手間ヒマをかけてでも季節の香りを食したい、という根性がどうも欠けるのです。
あれだなー、すべての季節のすべての食材についてマメになることはカンペキ不可能ですから、ひとつの季節について各二種類ぐらいの食材についてのみこだわりを持つ、とかどーですかね。

やっぱ農産物だわね(魚だと、少しサボるとすぐダメになっちゃうでしょ)。

そんなことをへろへろ~っと考えながら、読み終えました。


webcitron01.gif


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  1. 2014/02/02(日) 22:00:00|
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