本と旅とそれから 王になろうとした男/伊東潤

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王になろうとした男/伊東潤

まだ第150回直木賞が発表される前、楽しく読んだ「とっぴんぱらりの風太郎」が受賞するんじゃないかと期待していた頃、同じく候補作に挙げられているいわばライバル作品もひとつくらい読んでみようかと図書館に予約を入れたのが本書です。

読んだのは、直木賞が発表された後ですが。「風太郎」同様、こちらも受賞を逃したのでした。
・・・文藝春秋社刊行の本が有利らしいと聞いたので、出版社で選んだんですけど~。この辺りの裏の事情はわかりませんわね。ホントのところはどうなってるんでしょうね。
「王になろうとした男」

王になろうとした男/伊東潤(文藝春秋)

時代小説。織田信長を中心に、信長自身ではなく、その家臣たちを主人公に据えた中編集です。

戦国小説ファンの方には好まれるんじゃないかしら~って感じの本です。信長や秀吉といった超ビッグな武将はさすがに読み飽きた、光秀クラスももうそろそろいっか、ということで毛利新助、塙直政、荒木村重といったところを取り上げています。

たぶん、塙直政、荒木村重などは、戦国好きの人にはお馴染みの名前なのかな、と思います。
戦国ファンって結構多いですよねー。が、ワタクシはさっぱりでございます。むしろ最近ちょっと苦手です。知識がないから苦手なのか、苦手だから知識が増えないのかって感じ。漢字読めないしサ。
よっぽど何か引きつけられるような性格付けでもされていないと、人物のイメージもわかない。

信長ってどうしてああ人気があるんでしょうねぇ。
大抵のドラマでは格好いい俳優さんが演じるし。本能寺の最後もいつも華々しく見事だし。
でも、その部下たちがいかに主君信長からの命を削られるようなプレッシャーと戦っていたか、プレッシャーが大の苦手の私などは、物語を読むだけで苦しくなっちゃいます。でもって、そんなふうに人を苦しめる信長なんて、全然好きじゃありませんよ。

で、常々、もし信長が本能寺で明智光秀に討たれることがなくても、早晩、秀吉に倒されていただろうなと思っていたんです。が、本書ではさらに一歩進んで、本能寺の変は実は秀吉が裏で糸を引いていた、という話になっています。
本能寺における光秀は実行犯にすぎなかった、という説はちょくちょく読む気がします。「等伯」でも、近衛前久が黒幕って感じに書かれてましたし。「信長の棺」でもこの人が怪しくなかったっけ?

そうそう、「等伯」では、狩野永徳が、自分の描いた信長の肖像画を、信長の死後秀吉に命じられて、貧相に見えるよう描き直させられるというくだりがあります。権力者に屈して自分の作品にそのような修正をせざるをえなかったということが、永徳の精神に大きな傷を残す、となってました。
秀吉という男は、信長に心酔して忠義のかたまりだったようでありながら、実は出世のために信長を利用し、いずれはこれを葬ってしまおうと考えていたんだな、と、心寒い思いでしたっけ。

司馬遼の「新史 太閤記」などは、そうした裏を覗こうとするような空気はなくて、純粋にいかに秀吉が人を魅了する力を備えた人物だったかということを描いていて明るく読めるんですけど。

脱線しました。
で、結論としては、私には本書はちょっと退屈だったかな、というところです。
登場人物たちに感情移入するわけでもなし、ストーリー展開にわくわくするというわけでもなし。もし「風太郎」の取れなかった直木賞を本書が取っていたら、ぶーぶー言ったことでしょう。

まだ「ジェノサイド」のイメージが残っているせいか、つくづく、人間という生き物は、どうしてこう昔も今もお互い殺し合うかなぁ、とため息ひとつ、でした。


webcitron01.gif


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  1. 2014/02/02(日) 22:00:02|
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