本と旅とそれから ウィンター・ホリデー/坂木司

本と旅とそれから

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
tag: 
  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告

ウィンター・ホリデー/坂木司

先日読んだ「和菓子のアン(感想文は►コチラ)」と同じ作者の小説で、物語としては別モノながら、その世界は共通です。デパ地下でアンちゃんと同僚の店員だった元ヤンの女の子がちょこっと顔を見せたり、アンちゃんの地元の商店街にあるという話だった洋菓子店がかすかに絡んだりしています。
空気感みたいなものが、そっくりといえばそっくりですし。
「ウィンター・ホリデー」

ウィンター・ホリデー/坂木司(文藝春秋)

今回の主人公は宅配便、通称・ハチさん便の配達員です。
主人公の名は沖田大和、その息子は進、息子の母は由希子、と、宇宙戦艦な一家ですが、ヤマトと由希子は結婚しておらず、というかヤマトにとって由希子は「過去にフラれた恋人」で、ヤマトが小学五年生の息子・進の存在を知ったのは物語の始まる少し前、というかなり変則的なファミリー未満なのでした。


そして、いきなり現れた息子に見事心を奪われたヤマトは、それまでの職業・ホストをやめ、ホストクラブのママ、おかまのジャスミンの世話で、夜から昼の世界へと転身を果たし、物語現在では、懸命にハチさん便のキャリー(たぶん三輪自転車みたいなもの)をこぐ毎日をおくっているというわけなのでした。

この主人公の経歴が、物語の大きな要素になってます。
ただでさえ前職がホスト。つまり見た目はイケメンてことですね。で、ママ・ジャスミンにあれこれ厳しく仕込まれているので、お客さんの目線のとらえ方やらお辞儀の仕方やらお酒の注ぎ方やら、宅急便のお兄さんが時々ホスト。ところがこのヤマトはさらにありまして、ジャスミンに拾われてホストになる前はヤンキーでした。なので、油断するとヤンキー言葉が出たり、無意識にメンチ切ったりしてしまう。
――この「メンチ切る」って、今回初めてワタシの語彙に加わりました^^;。ヤンキー言葉っていうか・・・ちょっとググってみたところでは、関西弁の一種なんです・・・か?睨むってことらしいですが。

といったようなヤマトなので、彼の周囲には、現在のハチさん便の同僚に加え、ホスト時代の同僚、さらには元ヤンキー・・・というか暴走族仲間が、「よき仲間」として存在します。
まあ――こういった主人公の人間関係とか、息子・進の性格設定とか、さりげなく描かれているようでいて、「あり得ないよね~」って感じではあるのでした。いい人たちすぎる。

物語世界の雰囲気が、有川浩さんの小説と似てるなと思います。
何というか、あえて悪く言えば、現実味が薄れるほどによくできている、とでも。主要登場人物たちがみなそれぞれに欠点や過去の傷みたいなものを持っていて、でも、芯の部分ではいい人たちで。
刑事ドラマや時代劇で時々見る、最後の最後で「子どもは殺せん!」とか言って膝をついてしまうようなキャラなんですね。

最近読んだ伊坂幸太郎さんの「死神」に出てきたような「良心を持たない人間」というのが結構あちこちに存在するのが現実だろうとは思いますが、でも別に、現実を見つめたくて小説読むわけでもないですからね。
こんな友人たちがいたら、寒風の中でも頑張ってキャリーをこげるだろうな、って感じです。主人公の夜の時代の先輩、王道ナンバーワンホスト・雪夜なんて、ホントにいるならパンダ鑑賞気分で見に出かけたいようなキャラだわ。

・・・コミック的なキャラクター設定なのかな?
有川作品もそうですが、ラノベ(的小説)ってそもそもコミックに近い小説でしょうからね。さらりと読めて、みょーにビジュアライズし易くて、ただどことなく「浅い」って感じがしなくもない、そんな人々。
この辺の自分の感覚も微妙で、だからといって読んでいてもの足りないかというと――特にそういうわけではない、かな。まあ、自分がその時にどんな物語を読みたいと思っているかにもよるでしょうけど。

あっけらかんと楽しいお話でした。

webcitron01.gif


My Favorite Books(お気に入りの本のブクログ)
BOOKS INDEX(作家別感想文一覧)

関連記事
tag: 坂木司 
  1. 2014/04/25(金) 22:00:00|
  2. 2014
  3. | トラックバック:1
  4. | コメント:2

トラックバック

トラックバック URL
http://lazymiki.blog110.fc2.com/tb.php/1692-c79961ca
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

「ウインター・ホリデー」坂木司

元ヤン&ホスト→宅配便ドライバーの父+しっかり者の小学生の息子 一人から二人、そして仲間と……大人気「ホリデー」シリーズ第二弾! 元ヤンキーで元ホストの大和と突然現れたしっかり者の息子・進のひと夏の絆を描いた『ワーキング・ホリデー』、その待望の続編! 届けたい。間に合わないものなんてないから。一人から二人、そして…。父子の絆の先にある、家族の物語。父親は元ヤン・元ホスト・現宅配便ドライ...
  1. 2014/12/12(金) 15:19:43 |
  2. 粋な提案

コメント

やっぱり面白かったですね。
読み始めたら止まらなくて、慌て気味に読み進んでしまいました。
ちょっと勿体なかったです。
トラックバックさせていただきました。
トラックバックお待ちしていますね。
  1. 2014/12/12(金) 15:33:57 |
  2. URL |
  3. 藍色 #-
  4. [ 編集 ]

藍色さん、

軽~く楽しめてしまう一冊ですね。
だからあっという間に読み終えてしまうのが困ったことです^^;。
TBありがとうございます。
私のあとで送らせて頂きます。
  1. 2014/12/13(土) 22:02:42 |
  2. URL |
  3. lazyMiki #Dud4.962
  4. [ 編集 ]

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。