本と旅とそれから 「もぐら」シリーズ/矢月秀作

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「もぐら」シリーズ/矢月秀作

図書館で貸出しの順番待ちをしたり、途中の巻がうちの図書館になくて川越市立図書館から貸して頂いたりして、全巻読むのにちょっと時間がかかった本シリーズ。

ハードボイルド小説・・・なんて思ったけれど、もしかしたら違うのかしら。
Wikiによれば、ハードボイルド小説とは「文芸用語としては、暴力的・反道徳的な内容を、批判を加えず、客観的で簡潔な描写で記述する手法・文体をいい、アーネスト・ヘミングウェイの作風などを指す」のだとか。うーん、「もぐら」シリーズはどうなのかなぁ。「新宿鮫」はハードボイルド小説として挙げられているんだけど。「もぐら」はハード・アクション小説などと呼ばれているようです。
「もぐら」

もぐら、もぐら 讐、乱、醒、戦、戒、凱(上)(下)/矢月秀作
(中公文庫)


女性ならばシンデレラ・ストーリーに憧れ、ロマンス小説を読んでうっとりするところを、男性ならば、たとえばこんなふうなヒーローものに憧れるのかも。
と思うような、何か型にはまったような感のある主人公像。
その名前が影野竜司っていうのも、なんかこう、「白鳥薫(ワタシ的に、いかにもヒロインという名前)」的な。


主人公は、もと警視庁の組織犯罪対策課(ヤクザを取り締まったりする部署らしい)で、シリーズ開始時点では「トラブルシューター」を生業としています。なぜ警察をやめたかというと、大掛かりなヤクザの摘発事案でちょっとしたミスを犯し、そのせいで妻子と相棒刑事を死なせてしまったから。
トラブルシューターというのは、よろずもめ事解決屋とでもいう仕事です。そこには時々ヤクザとのトラブルなども持ち込まれるのですが、この影野=もぐらは、単身ヤクザ事務所に乗り込んで行き、その組を壊滅させてしまうほどの凄まじい仕事ぶりで、今や闇社会でも恐れられている存在なのでした。

というようなバックグラウンドを持つ主人公が、毎巻毎巻あっと驚く・・・というか、呆れるほどの大掛かりな犯罪に巻き込まれ、それを警察時代の元同僚たちや、身近な仲間たちと共に解決していく、というシリーズ。

ベストセラーになったという本シリーズ、確かに読んでいてわくわくする面白さはあるんですが、一方で、軽い、という感じも残るんですよね・・・。
ハリウッド映画の007シリーズみたいな感じかしら。

007シリーズって、昔(半端じゃない昔です)イアン・フレミング氏の原作を何冊か読み、そのあとで、それを映画化したものを見たことがあります。地味ながらもそれなりに味があると思えた原作が、映画化されてみると何だかいきなり大掛かりな、荒唐無稽にすら見える勧善懲悪のラストになっていて、呆れた記憶があります。
「もぐら」シリーズは、この映画化された方の007シリーズを思い出させました。

とにかく爆弾が多用される、ワルモノの破壊行動。ロケット砲やマシンガンもお馴染みの武器です。
あまりに次々と大量に人が死ぬため、そのうち「あ、またか」な感覚になってきます。非常にグロテスクな殺戮の描写があるんですが(「顔が半分吹っ飛ぶ」とか)、それも繰り返されるうち、「はいはい、わかりました」と受け止めるようになってしまうんですよねぇ。殺しすぎですって。

そして、ジェームズ・ボンドが常に美女を抱いていたのに似て、影野=もぐらの傍らにも常に寄り添う美女がいます。といっても、とっかえひっかえのハリウッド好みのヒーローと違い、日本のヒーローに寄り添うのは、どんな苦難にも耐えて常に主人公を慕ってやまない、しっとり系の女性。宮本武蔵的(と、おつうさん)ですかね。

武器を使う破壊の一方で、世界各地の格闘技に熟達した犯罪者も次々出てくるのですが、主人公はこれまたとてつもなく強いのです――常人離れしたレベルなり。
この格闘の描写がかなり多くあるのですが、段々斜め読みになってきます^^;。まあこれについては、剣豪小説なんか読んでいても、私は常にその傾向があるんですけどね。

途中でやめずにシリーズ全巻読んだのは、やはり面白かったからです。
でも一方で、どこかで見たような主人公の人間像とか、ありがちな人間関係とか、大掛かりすぎてかえってリアリティの薄くなった話の展開などには、ちょっと白けた感覚も覚えてしまいました。


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  1. 2014/08/03(日) 22:00:00|
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