本と旅とそれから 禁断のパンダ/拓未司

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禁断のパンダ/拓未司

図書館の本棚を眺めていて、タイトルが面白そうだったので手に取ってみたところ、第6回このミス大賞受賞作だったため、借りて来ました。第4回の大賞が海堂さんの「バチスタ」だったんですね。

受賞作だったため、巻末には審査員の選評が収録されていたのをさら~っと眺めたんですが、「ミステリーとしてはまだまだだが、グルメ小説として大変優れている」というのが大方の一致した見方のようでした。私としては、ラスト・・・というか、ミステリーの解決編のグロテスクさにびっくりした!というのが一番の感想です^^;。
なお、ネタバレ大ありなので、ご注意下さい。
「禁断のパンダ」


禁断のパンダ/拓未司(宝島社)

それにしても最近は、小説をさえ上回る猟奇的な事件が現実に起きるので、「このグロテスクさは非現実的だ」とも言えないのが恐ろしいところです。
でも、さすがに・・・殺人事件の動機が・・・人間を食べてみたかったからって・・・( ̄◇ ̄|||。

さらに言えば、その食べようとした人間と殺された(食べられるところだった)人間が父&娘、父&孫嫁、父&曾孫関係で(つまり、父親が殺人犯)、その父親がしれっと、自分は味にしか興味がない、血縁関係の有無では愛情を感じない、などと語るっていうのは・・・。
さらにさらに言えば、それがひとりの狂人の犯行ではなく、複数の人間が「人間を食べてみたい」だの「自分にとっては人肉も食材のひとつにすぎない」みたいなことを言って加担しているときては。

「人食い」って、もう言葉だけでも恐ろしい。
なんか昔、外国でありましたよね。海だか山だかで遭難したグループが、食料が尽き、生き延びるために死んでしまった仲間の肉を食べたという事件。それはもちろん、食べる方にとっても悲惨な体験で、そのことをもって食べた人々が責められることはなかったと記憶しています。・・・脱線でした。

こればっかりは、理屈じゃないですよねー。
動物は・・・肉食動物なら、食料がなくなれば、自然に同種の肉でも食べるようですけどね。そういえば、「風の中のマリア」(感想文は►コチラ)にも、死んだ仲間のハチを、すぐさま肉だんごにしてエサとして運ぶという場面があって、「ひぇ~」と思ったものでした。
虫の話でも、「共食い」というのは忌まわしいことに思えるものを、人間とは。

ラストにこの話が出てくるまでは、私も、グルメ関連の描写がよいな、とか、これだけベタに関西弁で展開する小説も多くはないな、といったようなことを思いながら読んでいましたが、読み終えた時点ではやはりこのショッキングなラストのインパクトが大きすぎて、ほかがかなりかすみました。

舞台は神戸、主人公の職業がビストロのシェフ。そしてそこに、「一度ここの料理を食べたら、ほかの店の料理がどれもゴミに思える」とまでの評判を得た人気フレンチ・レストランのシェフや、かつてマスコミでももてはやされたグルメ評論家などが関わってきます。そして、事件が起きて、県警の刑事も登場。その全員が(まあ当然ですが)関西弁。中でも一番なのが、その人気フレンチに併設されるチャペルの司祭。見た目外人、口を開けば関西人。

でも、これまた当たり前ですが、関西弁の口調というのも、TPOでかなりかわるものですね。初対面の人と話すとき、刑事が凄んでみせるとき、夫婦の会話、気のおけない友人同士の会話、などなど。
そういえば、谷崎潤一郎の「細雪」で蒔岡姉妹の話す船場言葉を、「本当の船場言葉はもっと上品だ」と批判する人もあるとか。谷崎って東京出身で、関西に移るのはもう40歳近くなってからですからね。関西弁といっても、エリアによって少しずつ違うのを、ノンネイティブが正しく把握するのは難しいんだろうなぁ・・・。
と、また脱線するのでした。

確かに、グルメに関する描写は読んでいて興味深く、ちょっとどこかのビストロに出かけてみたくもなります。でも・・・美味しそうな料理を目の前にしたときには、本書のラストは思い出したくないものです^^;。


webcitron01.gif


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