本と旅とそれから 王朝小遊記/諸田玲子

本と旅とそれから

王朝小遊記/諸田玲子

初めての作家さん、しかも時代モノの大物作家さん(私の認識が正しければ)。新聞の連載小説などでもお名前を見ていて、そのうち読みたいものだと思っていた方です。

この本については、えーっと、どこだったっけ、たぶん新聞の書評欄で見て興味を持ったのだったと思います――いや、TVのブックレビュー番組だったかな?ま、ともかく、どっかマスコミですね。
「王朝小遊記」

王朝小遊記(おうちょうしょうゆうき)/諸田玲子(文藝春秋)

平安時代の冒険物語。
ほとんど偶然といってよいようななりゆきから、あるひとつの目的のために集められた老若男女(といっても総勢5人だけど)の活躍です。
といっても、別に人並み優れた技能や力を持った面々というわけではないので、それぞれがそれなりに力を尽くすというレベルの活躍なのでした。


感想文としての結論からまず書くと、「まあ面白かったかな」。
ものすごくひきこまれた、とか登場人物の誰かに激しく感情移入した、というところまではいきませんでした。その点、ちょっともの足りなかったという感覚がないでもありません。

ひとつには、登場人物たちが集められたその目的――人をさらって喰らう「鬼」と、怪しい教えで人をたぶらかす「似非僧都」を探し出しやっつける、というもの――の真相が、ちょっと込み入っていて面倒だった、というのがあります。
平安時代の貴族社会って藤原氏だらけで、名前が紛らわしい。物語にはほかの姓も出てくるんだけど、名前の方もこれまた「実」とか「経」とか「資」といった漢字を使ったものが多くて、こんがらがります。
・・・ワタシだけかも知れないけど^^;。

まあ、もう少し丹念に、わかりにくいと思ったら何度か読み返すとかしながら読めばよかったんだろうなとは思うんですが・・・ふらふら~と読み終えてしまったものですから。

物知りのおじいさんと、不運続きだった中年の女性、同じくあれこれトラブルの多かった妙齢の女性、戦に疲れた腕自慢の男性、および、いいトコのぼんなのに親の愛情にあまり恵まれない少年。といった性別&年齢層が見事にばらばらの彼らが、目的を果たすためにひとつの家族を装う。
性格的にそもそも優しいものを持っていた彼らは、見せかけながらも家族を演じるうちに、お互いに肉親の情に似た温かい感情を抱くようになっていく。

その経緯の描写にページの多くを費やしたのち、当初の目的たる決戦が描かれるラスト。そして後日譚。この後日譚がすべて、みたいな感じがありますが・・・。まあ、作品の全体的な雰囲気から、あのラストは当然予想されるものですが、それでも読んで、心の平安を得て終わります。
予想されてしまうから、あんまりドキドキしなかったということでしょうかね。

コオニ(少年)がよかったかな。

この作家さんの作品は、もっと読んでみたいと思います。


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  1. 2014/09/02(火) 22:00:01|
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