本と旅とそれから 菱田春草展≪東京国立近代美術館≫

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菱田春草展≪東京国立近代美術館≫

菱田春草展01


京都の話をちょっと中断いたしまして――先日、竹橋の近代美術館に菱田春草展を見に行ってきました。たいっっへん美しい展覧会・・・というか、作品群でした。画家の作風というのはもちろん様々ですが、菱田春草という画家の選んだ画題や使った色彩、作り上げた画面は、本当に優しく瑞々しい。
まさに、眺めながら、「心潤う」という感覚をおぼえました。
そんな近代日本画の巨匠を、私はついこのあいだまで知らなかったのでした^^;。
ホントにお恥ずかしい。ちなみに、「初めて知ったとき」の話は►コチラです。このとき足立美術館で見た春草の絵も、今回の展覧会に出品されていました。

ところで、今回の展覧会で大きく取り上げられていたのが、TOPの画像にもある重要文化財指定の「黒き猫」。これって、1979年に切手になっていたのですね!私は切手も好きで、この頃の近代美術をモチーフにした切手も結構持っているのですが、なぜだかこの「黒き猫」切手は持っていませんでした!
え~、欲しいなー。一枚買おうかしら・・・。

しかし。
この「黒き猫」は、10月15日から最終日までの、つまり後半のみの展示ということで、私が見に行ったときは見ることができませんでした。そのことはあらかじめ承知していましたが、会期後半は見に行く時間が取れないかも知れなかったので、残念でしたがこの猫は諦めました。


菱田春草展02


でも、こちらの猫には会えました(▲)。カタログを買っていないので、この絵の題が「黒き猫(重文と同じ題)」なのか「黒猫」なのか確かめられませんが、でも、ここに描かれている黒い猫も、とっても可愛らしい。本展には出ていない黒猫を描いた作品もまだあるらしいですね。
仔猫のような感じ。毛がほわほわして、ちょこまか動いて、好奇心をいっぱいに湛えた目をしています。

そして、重要文化財の「黒き猫」には会えませんでしたが、同様に重文指定を受けているこちらの作品を見ることが出来ました(▼)。


菱田春草展03

菱田春草展04


題名は「落葉」。六曲一双の屏風仕立てです。こちらは前期のみの展示ですが、猫モチーフと同様、この作品のほかにも、落葉をモチーフにしたほかの作品がいくつか通期で展示されています。
ほかにも前期のみ、後期のみという作品が結構あって、な~んか、商業的意図みたいなものが鼻につくように思うのですが・・・^^;。

菱田春草という人は、病気(ウィキによれば「腎臓疾患」だとか)のために37歳という若さで亡くなってしまいます。しかし、亡くなる数年前に一時小康状態を得、療養のために東京に戻って来て自宅近くの代々木あたりの雑木林を題材に描いたのが一連の「落葉」の作品なのだとか。
何でも、その病気というのは視覚障害の出るものだったとかで、このときも、目が見えなくなってしまう恐れがあったものを、このときは免れたということでした。

自分には、命や光というものが、ふつうの人々ほどたくさん残されてはいないのだということを、春草は心に深く感じていたのではないかなぁ。あまりにも透明な空気の満ちる絵です。


菱田春草展05


これはたぶん、「秋景(渓山紅葉)」という絵(▲)。
今回出展されていた作品の中では、私は人物を描いたものはあんまり好きではありませんでした。顔が・・・好みではなかった、って感じかしら。

一方、風景や動物を描いた絵はどれもこれも素晴らしい。美しい。優しく、何か語るようです。
春草は、親友・横山大観と共に、師・岡倉天心の元で様々な日本画の画法を研究し、実験・実践していくのですが、その途中に、世間では「朦朧体(もうろうたい)」と呼ばれる技法を使う頃があるのです。「秋景(渓山紅葉)」などはその作品のひとつだと思います。当時は、西洋絵画の模倣だ、みたいなことを言われて批判されたということなんですが、私はこのちょっとぺたぺたした感じが結構好きです。
で、「ホイッスラーのペタペタ感にちょっと似てない?」などと思いながら見ていたら、大観と春草が洋行した際、二人の作風がホイッスラーに似ているといって欧米では人気が出た、という説明があって、「をを!やっぱりそんなふうに見えるのね!」と、当たり!って感じでした。
――まあ、ちょうど一週間前にホイッスラーを見たばかりだったというのもありますが^^;。


菱田春草展06


好きだ、と思った絵はたくさんありました。鹿をモチーフにした作品も三作ぐらいだったか出展されていましたが、これもどれも素敵でした。春草の描く動物って、躍動感とか力強さとかいうものよりも、自然の優しさ、優雅さみたいなものがたたえられているようで、なんか、ホロリとさせられてしまいます。
それと、そう、説明にもありましたが、江戸後期の琳派の感じとすごく似ています。あの軽やかで優雅で美しい画面。

上の絵(▲)の題は「菊慈童」。これは別に琳派の感じとは違いますが、でもすごく好きでした。
中国の伝説を題材に描かれているのですが、これもまた柔らかな背景や、透明な空気感が切ないようで、「ああ、ここに描かれているのは、この世ならぬ世界の風景なんだな」って感じでした。
――どうしても、春草が40歳を待たずに亡くなってしまうということが頭を離れず、その感覚で見るからかも知れないのですが・・・。

にしても、37歳!惜しいよ、本当に惜しい!
あと10年絵を描いていていてくれたら、どれほどの美しいものがこの世に残されたことでしょう。
こうしたものなのですねぇ・・・。

►東京国立近代美術館HPはコチラ



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