本と旅とそれから 御法に守られし 醍醐寺≪松濤美術館≫

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御法に守られし 醍醐寺≪松濤美術館≫

醍醐寺01


先日、仕事帰りにちょっと地味な展覧会を見てきました。
醍醐寺の寺宝展――京都つながりで、ということなのですが、松濤美術館というところにも少々興味をひかれてもおりました。
渋谷のすぐ隣り、東京の中でも「高級住宅街」というイメージの強い松濤。そのエリアにある松濤美術館というところ、長年その存在は知っていたものの、訪れたことはなかった美術館です。
今回、醍醐寺の展覧会が開かれており、国宝の「過去現在絵因果経」が全場面展示されるというので出かけてみました。

にしても、松濤美術館って私立かと思っていたら、渋谷区の区立美術館だったんですね。(練馬や板橋の区立美術館は有名ですよね――東京23区って、みんなああして美術館を持っているのかしら?)
こちらは、リニューアル工事を終えて、今年1月に再オープンしたところなのだそうです。
夕方、もうほとんど暗くなった頃に訪れたのですが、小さいながら個性的なデザインの洒落た感じのたてものでした。規模でいえば――んー、京都の大山崎山荘美術館ぐらい・・・(庭園はありません)?

醍醐寺展といえば、つい最近、奈良の国立博物館で大規模な展覧会が開催されたはず。
同じ醍醐寺なので、その展覧会が巡回してきたものかと思いましたが――美術館の規模の違いを考えれば、それはないか~、って感じ^^;。チケット売り場の方にもうかがいましたが、違うようでした。

ネットで見る限り、奈良国立の方は、仏像の展示がすごかったみたいですねー。
ひるがえって、こちら松濤の展覧会では、仏像は(▼)の不動明王像のみ。
この仏像は、昨年醍醐寺を訪れた時(その時の記事は►コチラ)にも拝観し、「マンガちっくな仏像だ~」などとバチ当たりな感想をおぼえたのでした。


醍醐寺02


この不動明王像は、五大明王像ということで五体の仏像のうちの一体。醍醐寺を訪れたときは、五体全部がズラリと並んだ様子を目にすることができたのでした。
不動明王はどっしりと座った仏像ですが、ほかの明王は動きのある姿なので、一層マンガっぽかったのでした。でも、今回再会してみて、やっぱりどこか愉快な雰囲気の仏サマだと思いました。

で、その時は見ることができず残念に思った絵因果経。
今回一番の目当てでしたが、これはバッチリ見せて頂きました!


醍醐寺03
国宝 過去現在絵因果経


8世紀、奈良時代の絵+文書の巻物です。
お釈迦様が出家し、悟りを開く物語が、上段に絵、下段に文字という形で記されています。

何しろ巻物サイズなので――細かい。特に、絵。
混んでいると困るところなのですが、何しろ地味な展覧会で思いっきり空いていましたので、もう、ガラスケースかぶりつきで(ガラスに触っちゃダメ、と係員さんに注意されてしまっタ^^;)睨むように鑑賞。

しっかし、これもマンガっぽ~い。絵ですが。
へたうまマンガな感じ。たとえば鳥獣人物戯画のような躍動感溢れる絵とは全然違います。人物の顔はみんな似たような感じだし、何だかピタゴラスイッチか何かに出てきそうな雰囲気の絵でした(これまたバチ当たり?)。

でも、これが奈良時代に描かれたものだとは。奈良時代ですよ~。
それが千年以上の歳月を超えて目の前にあるとは。信じられない・・・。
色彩が非常に鮮やかなのは、あれは後世の修復なんでしょうか。詳細は知らないのですが。




奈良国立の展覧会も松濤でのものも、昨年、醍醐寺の文書聖教が国宝に指定されたことを記念する意味もあってのイベントだとか。7万点にも及ぶ文書類とは。すごいボリューム。
その中からのものとして、今展覧会には、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康の書いた手紙が展示されていました。
うぅ~む。信長の手紙はごく短いものでしたが・・・確かに、ほれ、「天下布武」のハンコが押してあるわ。
このようなものを見ると、「織田信長って実在したのねぇ」などと思います。歴史小説の中には登場するといっても、写真が残っているわけではなし。実は誰かの創り出した架空の人物――ではなく、数百年前に本当に存在した人物なのだと、その人の書いた字を見て思うわけなのでした。

ほかにも、空海の「大日経開題」(国宝)などの展示も。
空海の直筆といえば、5月に神護寺を訪れたとき、こちらも国宝の「灌頂歴名」を見て大変感激したのでしたが(その時の記事は►コチラ)。今回の「大日教開題」もすごいわねー。空海が好きな様に書きまくっている感じが・・・行が曲がってるし、字の大きさもほいほい変わるし。きっちり仕上げようなんてまるで思ってないんだなという感じがよーっくわかりました。
一瞬、「これは要するに、弘法大師の直筆だという歴史的な価値のみで国宝に指定されたんだな」と思いましたが、そういえば弘法大師といえば三筆と言われるほどの書の名人。ということはこれは、歴史的価値のほかに、「見事な字」という価値もあるということなのか・・・。
ま、その辺りはともかく。

全体的な規模は大きい展覧会ではなかったのですが、その割には国宝比率が高かったかも。
地味だったけど・・・とにかく、ようやく絵因果経が見られたということで、満足。




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  1. 2014/11/04(火) 22:00:00|
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