本と旅とそれから 「イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密」

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「イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密」

「イミテーション・ゲーム」01

特撮を駆使したSFでも、原作がお気に入りなわけでも、アメリカン・コミックモノでもない。どっかで印象的なレビューを目にしたわけでもない。ストーリーはどちらかといえば地味。その本作をなぜちゃっちゃと見に行ったかといえば、はい、そうです!ベネディクト・カンバーバッチさんが見たかったからですよっ♪
映画のタイトルすらうろ覚えだったため、シネコンのチケット売り場で「えーっと、ベネディクト・カンバーバッチさんの出てる映画ってどれでしたっけか」と尋ねてしまった私です。でもって、シネコンで初めて「全席自由」というのに遭遇し、よっぽど見に来る人が少ないのだろうかとも思ってしまったのでした。


「イミテーション・ゲーム」02


カンバーバッチさん演じるアラン・チューリングはイギリスの天才数学者。第二次世界大戦中、ナチス・ドイツがエニグマという名の機械を使って作り出した暗号の解読に取り組みます。膨大なデータを限られた時間内に検証することでしか解読が望めない状況下で、チューリングは仲間の助けも得つつ、今日のコンピュータの原型となるような機械を作り出します。

この、戦時中の暗号解読を巡る話は、主人公の苦労と葛藤、そしてやがてそれが報われる様子を描いていて、正統派の、いわばよくあるサクセス・ストーリーです。天才数学者といえば誰でも思い浮かべるような、すごい集中力とか、無神経な言動とか、社交性のなさとかいった要素を、もれなくそなえたチューリング。そして、そんないかにもな変人の彼にも、恋心を感じさせる美しい女性が現れて――といったところ。

が、映画の作りはもう少し複雑です。


「イミテーション・ゲーム」03


このアラン・チューリングは実在の人物で、暗号解読などの業績も歴史的事実とのこと。
そしてもうひとつ史実として残っているのが、彼がゲイであったということです。ゲイであったけれど、女性の恋人への気持ちも決して嘘ではなかったので――バイだったというべきなのかなぁ・・・。
ともかく、ゲイに向けられる差別の目が今日よりはるかに厳しかった時代、チューリングはそのために過酷な末路を辿ることになるのでした。

チューリングが少年時代、いじめられる自分をかばってくれたクラスメートの少年にいかに恋心を芽生えさせたか、そしてその少年の恋がどんな結末を見たか、という物語が、何回かに分割されて本編に挿入されていきます。


「イミテーション・ゲーム」04


チューリングの少年時代。戦時中。そしてもうひとつのチューリングが描かれるのが、戦後です。
チューリングはふとしたことからスパイ容疑をかけられます。エニグマ暗号の解読成功は、終戦後も軍の機密扱いとされたままだったため、彼の戦時中の行いが警察の疑いを招いてしまったのです。
スパイの疑いは取り調べで晴れる(?)ものの、捜査の過程で彼がゲイであったことが警察の知るところとなります。・・・知らなかったけれど、割と最近まで、イギリスではゲイは違法だったんですねー。

ゲイであったために、チューリングは逮捕されてしまうのでした。
投獄されれば研究から離れねばならない。それには耐えられない。なので、チューリングは裁判所に命じられたホルモン療法を受けることとなり、それが彼の健康を損なっていく・・・。


「イミテーション・ゲーム」05


最後の字幕が悲しい。
1年間ホルモン療法を受けたのち、チューリングは自殺した、と。

社会の道徳観は時代と共に変わるのが自然だとは思いますけどね。
そして、戦時中に平時の理屈が通らないというのも、仕方ないとは思いますけどね。
でもって、天才数学者という人種(珍種、といえるかも)は、異常な人生を送る確率が高いらしきことは、NHKドキュメンタリーとか見てると推測できますけどね・・・。


「イミテーション・ゲーム」06


ベネディクト・カンバーバッチさん、やっぱいいわ~。
この俳優さん、日本人俳優でいうと綾野剛さんと似てるところがあると思います。涙がにじむかにじまないかっていう目でじーっとこっちを見つめる表情が、ぐっときますことよ・・・。

当たり役のシャーロック・ホームズとかぶるところもあるチューリングの人物像。天才の変人というあたり。ただ、チューリングはホームズのような如才なさにはまるで恵まれておらず、そのためにおろおろし、髪をかきむしって悩み、自分の置かれた状況の悲惨さに涙を流します。純粋で不器用なその姿が可哀想でならない。助けてあげられたらいいけど、そうもできなくてごめんねぇ、と、同情しまくる。

人によって映画の見方はいろいろでしょうけど、私にとってはこれはアラン・チューリングじゃなくてチューリング=カンバーバッチを見る映画でした。まあ、例えばチューリングをジョニー・デップさんが演じたとして、きっと彼は彼で心惹かれるチューリング像を見せてくれたような気もしますが(と、書いてくると、何だかそれも見てみたい気がしてきますが)、やっぱり今回私は、アラン・チューリングを演じるベネディクト・カンバーバッチさんを見たかったんだな、と思うのでした。

►「イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密」公式HPはコチラ


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  1. 2015/03/18(水) 22:00:00|
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コメント

早いねっ!
さっそく観たのかぁ...唐突に早いと言われても「何のこっちゃ」だと思うけど、映画館の劇場予告かテレビの映画紹介を観たときに興味を持ったのだよね(確か、ゲイであるがゆえに困難な運命を辿っていくというあたりに)。

カンバーバッチ氏、何年か前にNHKが放送したイギリスのドラマにもうちょっと小さい役で出演していることが多々あって、そういうのを発見すると得した気分になるよね。

そしてイギリスは最近まで同性愛が違法だったのか!?それは知らんかった。
  1. 2015/03/19(木) 18:53:10 |
  2. URL |
  3. しの #2nAugjbc
  4. [ 編集 ]

しのちゃん、

うん、早い!公開から1週間くらいしか経ってなかったと思う。
地味な作品は思いがけず早く終わってしまったりするので、早めに行こうと思ったの。

>NHKで放送したイギリスのドラマに小さい役で

それ、私も見た!たぶん、クリスティのミス・マープルものとか?いろんなのに出てたのかも。断片的にしか見てないけど、「ををっ、カンバーバッチさんだ!」と私も思った。私が見たのは、きちっとした紳士の様子で、馬なんか乗ってたよ。

なんかね、結構いろんな国に法律があって(Wikiで見た)、驚いたわ~。
  1. 2015/03/20(金) 21:39:18 |
  2. URL |
  3. lazyMiki #Dud4.962
  4. [ 編集 ]

そうそう、それだ!
確かミス・マープルだった。あ~、すっきりした。覚えててくれてありがと(^^)。
  1. 2015/03/21(土) 22:07:41 |
  2. URL |
  3. しの #2nAugjbc
  4. [ 編集 ]

しのちゃん、

やっぱあれだったか~^^。
でも、作中人物としては印象薄かったよね、あの役。
  1. 2015/03/22(日) 21:20:26 |
  2. URL |
  3. lazyMiki #Dud4.962
  4. [ 編集 ]

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