本と旅とそれから アクアマリンの神殿/海堂尊

本と旅とそれから

アクアマリンの神殿/海堂尊

GW中は、本読み的にはあんまりふるいませんでした。
京都旅行とPCの故障が最大の要因だった・・・かなぁ、やっぱり。どちらも直接的には本読みと関係なさそうなものですが、どうも気が散ってしまったといいますか。何冊も借りてきた本も、読まずに返してしまうありさまでしたが、その中で辛うじて読み終えたのが本書。
「アクアマリンの神殿」

アクアマリンの神殿/海堂尊(角川書店)

「モルフェウスの領域」(感想文は►コチラ)の続編。SF的ティーンズ・ラブストーリーみたいなお話でした。
コールドスリープを体験したのち目覚めた主人公・アツシが、もうひとりのスリーパー・涼子の眠るカプセルを守りつつ、中学・高校生活を送る様子が描かれます。


一方に、SF的なコールドスリープを巡るあれこれがあり、もう一方にはアツシの学校友達との交流がある。かなり異なる二つの世界が、特に違和感もなく結びついています。
学校生活の方は、アツシの部活・ボクシングと、ドロン同盟というヘンな名前の仲良しグループの友人関係が中心で、ふつうの学園モノ・・・というには少々過剰に脚色された話が展開していきます。

コールドスリープの方は、ほかの海堂作品にも登場するヒプノス社の西野さん、世界的な名声を持つステルス・シンイチロウこと曽根崎伸一郎教授、東城大付属病院の看護師長・ショコちゃんや、今や(この物語はほんの数年ながら近未来の設定です)大学教授となったぐっちーなどが登場します。あ、登場といっても、曽根崎教授は、彼の書いてよこすメールの文面としてのみの登場ですが。

海堂作品らしい読みやすい文体で話が展開していくので、本読み気分がいまひとつのらないときでも何とか読み進むことができます。ですが、ナルシスト的華麗さをまとったその描写方法は中・高生の学園生活を語る場合も同様で、その非現実的な雰囲気は、マンガっぽくもあります。
・・・ホントはここでその例を引用したいところなのですが、気分が今ひとつのらずノロノロと読んでいたところ図書館の返却期限をオーバーしてしまい、図書館から督促電話をもらったために慌てて本を返したので、感想文を書く時点では手元に本がなくて、それができません。

アツシと初々しいラブストーリー(めいたもの)を紡ぐヒロイン・夏美は、クラスの変わり者の女の子ですが、道行く人が振り返る美少女なうえ頭もよく、うちも大金持ち、と、絵に描いたようなヒロイック・ファンタジーのヒロイン的存在。アツシは境遇的には悲劇的な要素を持ち合わせているのですが(幼い頃の病気で片目を失っているとか、天涯孤独だとか)、コールドスリープ中の教育のおかげで、天才といってもよいような頭脳も持っています。その彼が、恩人から受け取ったメッセージを最後に解読すると、それは「アツシ、早く医者になれよ」ということで。

まあ今回も、海堂さん的なヒロイック・サーガってことに変わりはないようです。海堂サーガにおける現代のヒーローのひとつの(そして最高といってもよいのか)形が、医師。高階病院長(本書時点では大学の学長になってました)やドクター・速水の頃は、ヒーローの属性のひとつとして描かれたのが剣道でしたが、アツシの場合はボクシング。アツシは片目を失っているのでその道を究めることはできないものの、彼は後に世界チャンピオンとなる人物と戦う機会を得、一度きりとはいえダウンを奪い、輝きを残してリングを去るのでした。
そして医師への道を歩む、と。

面白かったです。でも、海堂作品だから面白いのは当たり前みたいな気もするのでした。


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  1. 2015/05/16(土) 22:00:00|
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