本と旅とそれから 半沢直樹シリーズ/池井戸潤

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半沢直樹シリーズ/池井戸潤

図書館の文庫本棚でシリーズ1冊目「オレたちバブル入行組」見つけ、「をを!ようやく半沢直樹シリーズが読めるようになりましたか!」と、勇んで借りてきました。シリーズ2冊目以降は予約を入れて借りたのですが、それほど待つこともなく借りられました。「下町ロケット2」はまだしばらく待たなければならないようで、池井戸さん人気は継続中ということでしょうか。
半沢直樹シリーズ

オレたちバブル入行組(文春文庫)
オレたち花のバブル組( 〃 )
ロスジェネの逆襲( 〃 )
銀翼のイカロス(ダイヤモンド社)
/池井戸潤


2013年にドラマ化されたのは、最初の2冊。ドラマの最後で、半沢は仕事で成功を収めたにもかかわらず出向が決まり、さあどうなる!って感じで終わったのでした。すぐにも続編が作られるのかと思いきや、堺雅人さんは今年はNHK大河の主演だし、ってことは今年中はダメでしょうかねー、続編。
面白かったな~、ドラマの方も。堺雅人さんもよかったし、半沢の親友・渡真利を演じた及川光博さんもよかった。国税の黒崎の片岡愛之助さんも、オネエぶりが笑えて楽しめましたっけ。

ドラマは、とても原作に忠実でした。あ、半沢の妻・花だけが違いましたが・・・。
タイミング的に言うと、4冊目の「イカロス」はドラマが人気を博した後に刊行されているため、そのせいか、小説の方がドラマの影響を受けているように思われました。さらに、ドラマ化がほとんど前提になっているという感じで、たとえば、半沢にとって時にライバル、時に協力者として新たに登場する政府系銀行のバンカーが「サッチャー」とあだ名される女性になっているのなどは、「ここにまた誰か人気の女優さんを持ってくるんだろうな!」と思わせます。それに、2冊目の最後で半沢にやっつけられたオネエ黒崎は、あれですっかり失脚したのかと思いきや、4冊目では復活、またも半沢をいじめに登場します。しかも、必ずしも半沢と敵対しているとは言い切れないような微妙なスタンスで終わるし・・・。片岡愛之助さんの黒崎、人気でしたものねえ。

半沢の東京中央銀行の頭取を演じたのは北大路欣也さんですが、さすがの風格でした。4冊目ではこの中野渡頭取がかなり大きな存在となってくるのですが、それも、ドラマの中の北大路さんの存在感が作ったキャラのように思えました。

4冊目は、JAL(作中では帝国航空)の再建問題がテーマなのですが、このJALという共通項があるせいか、ちょっと山崎豊子さんの「沈まぬ太陽」が想起され、話は全然違うのですが、それまでの3冊よりも重厚かつ深刻な雰囲気が漂っていたように思います。そもそも4冊目は、とある「遺書」の文面から始まります。残される家族への思いやりに溢れ、簡潔で、潔いとすら読めるその遺書にぎょっとさせられ、その後はそれまでの半沢シリーズとほぼ同じようなトーンでストーリーが進み始めるものの、そこには何となく「誰かの自裁」という、心の冷えるような影が落ちているのでした。その「誰か」が誰なのかは、物語が終盤に入るまで明かされることはありません。

それにしてもJALという企業は、ANAにはない深刻さが常につきまとってますねえ。やっぱり、ナショナル・フラッグ・キャリアってそうしたもんなのでしょうか。今はANAだってそうなんでしょうけれど・・・。
実際のJALの再建がどんなふうに行われたのかはまったく知りませんが、確かに、労組があまり協力的でなかったとか、退職者が年金を減らすことに同意しなかったという報道は目にした覚えがあります。まったくねぇ。現在の東京電力とかもそうらしいけど、どうして赤字(あるいは赤字になるべき)企業の職員が高給取りなのでしょうか。

あ、3冊目の「ロスジェネ」も楽しめます。4冊の中では、唯一半沢が銀行マンではなく証券マンとして活躍するお話し。銀行の証券子会社に出向させられている間の話なのです。
「イカロス」がちょっと重すぎるような・・・と思えば、「ロスジェネ」の方がむしろ純粋に楽しめるかも。
しかし、現実にはどーなんですか?銀行の証券子会社が、親会社の銀行とクライアントやM&A案件を奪い合うなんて、あるんだろうか・・・。しかも、証券子会社の方が勝っちゃって、銀行がメンツ丸つぶれって・・・ねぇ。さすがにそんなことは、フィクションの世界でしかあり得ないのでは・・・。知りませんが。

それにしても、このシリーズ読んでいると、半沢直樹って、まったくプライベートってものがないように思えます。毎日夜遅くまで、そしてかなりちょくちょく徹夜で仕事して、友人との情報交換に「馴染みの」店でお酒を飲むこともしばしば。それに近い日々を実際におくっているサラリーマンも結構いるのかもなとは思いますが、しかし、土日がまったくと言っていいほど描かれてなくて。あそこまで仕事に生き甲斐を感じているらしき半沢直樹は、もしかすると土日はあまり楽しんでないのかも――なんて思えてくるほどですよ。長時間労働も、悪辣な上司や同僚との闘いも、このヒト、全然苦にしていないみたい。何だかうらやましい。

様々なシーンや登場人物たちの設定が、かなり脚色されていてちょっと現実離れの感も否めませんが、まあでも、やっぱりとっても楽しんで読めました。


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