本と旅とそれから 「ソロモンの偽証」

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「ソロモンの偽証」

ソロモンの偽証


宮部みゆきさんの原作(感想文は前記事►コチラ)の映画化。
「前編・事件」が2015年3月に、「後編・裁判」が翌4月に公開されたそうです。それが先日TV放映されたので、録画しておいたものを見ました。
「後編」が公開されたとき、その広告が大きく新聞に出たのがちょっと印象に残っていました。そのときはまだ宮部さんの原作を読んでおらず、というか、その作品そのもののことを知らず、映画の広告を見て、ああまた宮部さんの大作が出たんだな、と思ったぐらいでした。でも、その記憶があったので、図書館で文庫本を見かけて借りようという気になったのだったかな。

そして、文庫本で全6冊の長編を読み始め、5巻目を読んでいるときだったか、MUJI Caféの入店待ちをしていたら、隣で待っていた女子二人組が、「今度、TVで『ソロモンの偽証』やるよ」と話始めました。映画を見たことがあるらしい方が、原作のことなのか映画のことなのか、「とても面白い」と力説していたので、TVの番組表をチェックしていました。


ソロモンの偽証


(▲)は、役名でいうと、上の二人が藤野涼子、神原和彦、下が左から大出俊次、浅井松子、三宅樹里、野田健一、柏木卓也。中学生が数多く登場する小説ですが、その中でやはり、上の二人が主役といえます。学校内裁判では、藤野涼子が検事、神原和彦が被告弁護人として対決します。全員が、大規模なオーディションで選ばれたのだとか。藤野涼子役の役者さんなどは、芸名までが藤野涼子と、役名と同じでデビューしています。

…が、私はあまりこの主役・藤野涼子が気に入りませんでした。容貌がどうこうではなく、喋り方が――。もしかすると、よりリアルなのかも知れませんが。あまり抑揚がなく、いつもちょっと不機嫌な感じ。考えてみれば、どの中学生役もそんな感じで喋っていましたね。中学生というと、それが「らしい」のかしら?

見る前は、きっと「中学生にしては年がいっている!」って感じの俳優さんたちが演じているのだろうなと思っていましたが、それはなかったです。でもそうなると今度は、「それほどリアルでなくてもいいから、もうちょっとエンターテイメント性を追求した方がよいのでは」とか思ってしまうのでした。

録画しておいて、原作を読み終えてから見たのですが、私が原作から抱いていたイメージに一番近いと思ったのは、大出俊次かしら。裁判では被告人となる、学校のみならず近隣に悪名を轟かせている不良です。あとは、浅井松子かな。彼女は、ぽっちゃり体形をいじめられながらもまっすぐな心を持ち、嫌われ者の友人に寄り添おうとするのですが、交通事故で亡くなります。

あとの配役は、ちょっとピンときませんでした。
中でも不満だったのが、原作を読んでお気に入りだった、弁護人助手の野田健一。役者さんのイメージがまず違う。私は、どちらかというと、ネクラ(懐かしい言葉でしょー)でひょろっとした少年を思い描いていたのです。ちょっとひねくれた内面が外見にも見え隠れするような感じの。でも、映画では、ちょっとぽっちゃりの、素直で真面目で、裏表のなさそうな少年でした。違う…。
そもそも、映画では彼の存在感はすごく薄いんですよねー。原作では、最初に学校で柏木卓也の死体を発見するのは彼なのですが、映画では、野田くんも居合わせはしますが、藤野涼子が最初に見つけるし。原作では、彼は自分の親の殺害を計画し、それが寸前に露見するという経験の後、人間がガラっと変貌するのですが、映画ではそのエピソードは完全にボツで、なので当然ながら、ひたすら影の薄い存在に終始します。


ソロモンの偽証


大人の俳優陣(▲)は、上段左から、藤野涼子の父、母、三宅樹里の母、下段左から津崎校長、森内先生、そして藤野涼子(後年)。大人はまああまり違和感はないし、佐々木蔵之介さんは結構ぴったりな感じでしたが――でも、映画では、大人はあんまり重要じゃないんですよね。特に、原作ではかなりの重要人物として描かれていたはずの、話をひっかき回して火のないところに煙を立てた茂木というジャーナリストが、これまた大して存在感がなくなっていて…。

結局のところ、あの超長編を、二本に分けたとはいえあれだけの時間で映画にしようというのはムリだということなのでしょう。描き込みが全然足りないという印象で、大いに不満が残りました。映画じゃなく、連ドラか何かでじっくり映像化して欲しかったな。
あと、画面全体がちょっと暗いイメージで作られていたように思いました。

宮部さんの長編ってとても面白いので、映像化しようということになるのでしょうが、以前、「模倣犯」の映画でも思いましたが、もっと丁寧に作ってほしい!その点、最近続編が放映されたNHKの「ぼんくら」シリーズは、とてもよかったと思うのでした。


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  1. 2016/06/10(金) 22:00:02|
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