本と旅とそれから 書店ガール/碧野圭

本と旅とそれから

書店ガール/碧野圭

本書は、シリーズとしてすでに何冊か出ているようで、現在2巻目を読み始めたところなのですが、とりあえず1冊目について。

タイトルからして、若者を主人公に据えたお仕事小説かしらと思って読み始めたのですが、主人公・理子の年齢は四十歳。冒頭いきなり、部下の女性社員の結婚披露宴で花嫁とケンカになる話から始まるので、「爽やかさ」を期待していた私はちょっと「むっ」として読み進んでいったのですが・・・。
書店ガール

書店ガール/碧野圭(PHP文芸文庫)

結論から言うと――面白かったです。
爽やかだったかといえばさほどではありませんでしたが、お仕事モノとしては楽しめました。
それに、職種が書店――本屋さんですからね。郵便局、書店、お茶屋さん(むろん、花街ではなく、茶葉を売ってるお店)は、私がいつかバイトしてみたいと切に願うお店トップ3です。

舞台は、吉祥寺にある中堅どころの大型書店。主人公・理子はそのペガサス書房吉祥寺店の副店長です。そこで彼女が、上司、同僚、部下、出版社の社員、お客さん、などと力を合わせたり衝突したりして日々頑張る姿を描いています。

お仕事小説って多いですよね。池井戸さんの小説などは、お仕事小説というよりはさらにもう一歩重厚な、何か別なジャンルに思えますが、桂望実さんの「県庁の星」や坂木司さんのあれこれの作品、有川浩さんの「県庁おもてなし課」や「空飛ぶ広報室」なんかも、若者&お仕事の組み合わせで楽しい小説。三浦しをんさんの「神去なあなあ」なんかもそうか。
若者が仕事に打ち込んで成長していくストーリーというのは、読み手に訴えるんですね。

で、本書の理子は40歳ですし、すでに副店長というポストにあるので、そうした定番設定とはちょっとはずれるわけですが、彼女には彼女の奮闘があります。このペガサス書房というのが保守的な社風であることや、周囲の男性社員が根性なっちゃない面々だったりするせいで。女性が会社社会で上昇していくことの苦労も、物語の大きな一要素になっています。

といってもまあ、別に社会派小説ではなくて。
最後に理子と亜紀が「昨日の敵は今日の友」になってくれてよかったわ。おかげで2巻目以降が楽しみです。

私は吉祥寺には数えるほどしか行ったことがないのが残念ですが、頭の中で、行ったことのある書店をあれこれ思い浮かべながら読んでいました。最近はAmazonがメインになってしまって、あとはせいぜい新宿の紀伊國屋書店(本店の方)ぐらいしか行きませんが、やっぱり本屋さんは好き。新宿では、ホントは紀伊國屋よりも、ジュンク堂新宿店の雰囲気の方が好きでした。今はビックロになっちゃったけど。あと、最後に行ったのはもう何十年も前なので、今はまだあるかどうかすらわかりませんが、中野のサンロードの二階(だったかな?)の書店――名前忘れてしまったけれど――の雰囲気がすごく好きだったなぁ。あの書店のスローガン、「書店に立ち寄るとあなたを向上させる何かがある」というのが好きでした。あともちろん、神田の(古)書店街…。本屋さんのことを語り始めるとエンドレス、という人は多いのではないかと思います。

でもねえ。最近は実用書や雑誌以外、ほとんど買わなくなってしまったからなぁ。
本屋さんの側から見たら、存在感の薄いお客なんだろうなー。しかし、現在私の部屋で一番の存在感を見せるふたつの書棚、これに入る以上に本を増やすわけにはいきまへん。やはり私と本をつないでくれるのは、第一には図書館なのでした。
でも、やっぱり書店も好きですよん。

まあ、そんなことを考えつつ、楽しみました。


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  1. 2016/09/01(木) 22:00:01|
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