本と旅とそれから アンと青春/坂木司

本と旅とそれから

アンと青春/坂木司

「和菓子のアン」(読んだのはちょっと前のことになりますが――感想文は►コチラ)の続編。「アン『の』青春」じゃないのは、やっぱり、赤毛のアンじゃないのよってことですね。
相変わらず、ほんわかした、楽しい「若者成長物語」でした。
「アンと青春」

アンと青春/坂木司(光文社)

「和菓子のアン」のあとがきだったでしょうか、「続編には、あんちゃんと立花さんが横浜の中華街でデートする話があるらしい」と書かれていたので、なるほど続編では二人はカップルになるのか、と思っていましたけど。
そうそうちゃっちゃとはいきませんでした。

二人は相変わらず、上司と部下、あるいはせいぜい仲良しのお友達。これがカップルになってしまうと、話が有川浩さんふうになっていきそうですが、そうはならないところがこの物語の楽しいところかも知れません。
ただ、どうも立花さんの方はあんちゃんのことが…。でも、彼女の方は自分の外見(あんちゃんは太め)にコンプレックスがあるものだから、その手の話は最初っから敬遠してしまっているので、立花さんの前途はまだまだ多難、というところ。

今回は、あんちゃんが女ともだちと三人で京都旅行する話があるのですが、この部分がまさに、「関東人から見た京都」の感じをばっちり描き出していて、ニヤニヤしてしまいました。あれは、作者の実体験がベースにあるのだろうなあ。あの老舗の、でも小さなお菓子屋さんでのやりとりなんて、その微妙な空気なんて、実際に体験してみないと描けないと思うのでした。

そのほか、今回の1冊には、悪気はないのに物事を残念な方向に向かわせてしまう、人々の態度や言葉を巡るお話がいくつか収められていました。

この本読むと、私などは実に単純に、「どっか和菓子屋さんでアルバイトしてみたい」と思ってしまうんですが。それと同時に、「そんなお気楽なことできるわけあるまい」とも思いますけどね。

知識や経験はまだまだ貧しいけれど、とてもまっとうな女の子あんちゃんと、知識も経験も豊富で立派な社員にして店員だけれど、そこはかとなく未熟で乙女な立花さんの、奇妙で面白いコンビのお話は、読んでいて飽きません。


webcitron01.gif


My Favorite Books(お気に入りの本のブクログ)
BOOKS INDEX(作家別感想文一覧)

関連記事
tag: 坂木司 
  1. 2016/12/13(火) 22:00:02|
  2. 2016
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2

トラックバック

トラックバック URL
http://lazymiki.blog110.fc2.com/tb.php/1920-750a8be7
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

コメント

続編が出たんだね~。あんちゃんがどんなコか、何となく思い出してきた。確かに、この続きのお話ではさっそくカップル誕生なんだねと予想するような終わり方の前作だったね。
続編も読んでみるよっ。
  1. 2017/01/09(月) 00:22:45 |
  2. URL |
  3. しの #2nAugjbc
  4. [ 編集 ]

しのちゃん、

そうなんだよね。続編が出るまでに時間が空く小説って、基本的な設定や人物像を思い出すのにちょっと時間かかるよね^^;。
私も、主人公のあんちゃんは覚えていたけれど、立花さんのこと思い出すのに少々時間を要しました。
楽しかったよ。
  1. 2017/01/09(月) 20:19:08 |
  2. URL |
  3. lazyMiki #Dud4.962
  4. [ 編集 ]

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する