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道具屋殺人事件、芝浜謎噺 神田紅梅亭寄席物張/愛川晶

先日読んだ「うまや怪談」(感想文は►コチラ)に先立つ、落語家の妻を主人公――というかナレーターのような役割に据えた、シリーズの1作目と2作目。
先に3作目を読んだので、それより前の作品はもしかするとまだ人物の描き方とか、粗い感じがするのかもと思いましたが、ちっともそんなことはなく、シリーズのスタートから、登場人物たちの人物像や設定がしっかり作り上げられていたのだな、と思いました。
道具屋殺人事件

道具屋殺人事件、芝浜謎噺 神田紅梅亭寄席物/愛川晶 原書房

これまでに出ているシリーズの3作では、主人公が落語家とその妻で、日々出会う人々も落語や関連の演芸関係者がほとんど。なので、物語世界イコール落語家の生活する世界。

主人公の福の助は、日頃から喋り方が江戸弁。自分のことを「あたし」というし、「ひ」と「し」は区別ほぼナシ。落語家などという職業の人は、ふだんの生活がすでに非日常的なのかしら。

・・・ってまあ、物語の中のことですが。

各巻3つの中編で成っています(まあ、つながっているので長編のようでもあります)。
その中で一番感動的だったのが「試酒試(ためしざけだめし)」。
まあ、うまいこと作者に感動させられてしまったという感じ。思いがけず、ではなく、「あー、これはもしかして感動の展開なのか?」と思っていたらやっぱりそうだった、というところです。

福の助の弟弟子が、仔細あって、故郷で独演会を開くことになります。福の助も客演しますが、彼よりも知名度も人気も高い先輩噺家が出演を承諾してくれます。この売れっ子噺家さんのおかげでお客さんも大勢集まったのですが、当日になってもその先輩噺家さんが姿を見せない!
どうする!どうするんだ、この独演会は仔細あって(←説明すると長くなるので)絶対失敗できないのに!

と、そこへ、現在は病気で口がうまく回らず、身体も思うように動かなくなっている彼らのかつての師匠がやって来て、自分が高座に上がる、と言ってくれるのです。
この師匠という人は、かつては名人とうたわれた噺家で、姿を見せない人気の先輩噺家よりもさらにケタの違う名声を誇った人だったのですが、現在は果たして…と、いうお話。

この師匠の登場シーンがいいんですよぅ。
まさに、絶体絶命のタイミングで。かつての可愛い弟子で、自分が病気になったために苦労をさせた若者のために、まさかの復活。
「自分の弟子だから、来てくれたんだねえ」という、観客の言葉がじーんときます。

毎回、落語のひとつが取り上げられ、それをひとつの大きな要素として物語が展開していきます。かなり細かいところをどう演じようか、いったいどういう意味なんだ、と主に福の助が悩み、時に師匠(その、危機一髪のところで助けてくれた人)に相談したりするのですが、そうした経緯を読んでいると、何だか自分も落語にちょっと詳しくなったような気になります。

最近では、BSで二つ目さんの高座を放送する番組などあるのだそうですね。
うぅ、落語見てみたい。いや、聞いてみたい。


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